Violate

8

 母親の浮気が分かってから一年後、直也は高校二年生になった。
 義理の父親である工藤久義との関係が続いたままであったが、その変化が訪れたのだ。
 とうとう母親と工藤の息子勝久との間に子供が出来てしまったのだ。
「あほどもがとうとう子供を作りやがった」
 さすがにセックスもしていない夫婦に子供が出来たとなれば、工藤とて見過ごすわけにはいかなくなった。
 母親とは離婚することになり、工藤はそれに腹を立てて息子勝久も勘当することになり、一人息子であるはずなのに戸籍から除籍された。
 母親と勝久は一緒に暮らすために家を出て行った。
 もちろん母親は直也のことを気にも留めずに弟だけを連れて、遠くの街に引っ越していった。もう会うこともないくらいに飛行機で遠くに行ってしまったため、直也のことは工藤が面倒を見ることになってしまった。
「あいつら自分たちのことで手一杯で、お前のことは忘れているようだったから一応、俺が後継人になることにした」
 工藤にそう言われ、直也は母親の戸籍から除籍してまでして戸籍を分けた。
 弟の親権は母親が譲らなかったので工藤も手放すしかなかったようだった。しかし工藤には勝久だけではなく、他にも息子がいるようで後継者問題はないという。
 その息子はすでに会社に入っていて、社長をしているので会長になった工藤はそこまで忙しくはないのだという。
 父親が奔放で結婚離婚を繰り返すから、その息子も慣れているようだったが、まさか弟が父親の妻を寝取るとは思わなかったようで今回はさすがに父親を擁護したらしい。
 それで勝久の追放が決まり、生前贈与で散々金を渡したことにして遺産相続から除外されることになっているらしい。
 そんな話を聞かされても直也には一切関わりのないことだった。
 直也は工藤の世話になり続け、体を差し出すことで工藤から生活費用を頂くしかなかった。
 そんな工藤もいつまでも直也に構っていることはなかった。
 妻を息子に寝取られてから、一気に何かが弾けたのか、工藤は直也のところに来ることはあまりなくなり、来ても飯を食べて帰るだけになった。
「僕が育ったからか」
 最近の直也は背が伸びた。
 そして体が少し大きくなって、青年らしい姿に変わり始めたのだ。
 成長期である。
 直也になかった少年らしさから、青年らしさに変わる体を工藤が抱く気がなくなってしまっただけのことだった。
 それでも工藤は直也の世話を見てくれたし、何ならと公的な書類に残して大学卒業までの生活費と教育費は出してくれるとまで示してくれた。
 それはそれまで直也にかけた負担を工藤なりに思いやってくれた証拠だろう。
 そのお陰でまた直也の生活は静かな生活に突入したかに思えた。


 電車で高校に通学している直也は、その日痴漢に遭った。
乗った場所がいつもの場所ではなかったからか、入ってくる人に押されてどんどん奥の方へと流された時だった。
 誰かの手が直也の胸に回され、それが急に服をたくし上げてきて手が服の中に挿入ってきたのだ。
「……っ」
 痴漢だとすぐに分かったけれど、ここで大声を出す気にはなれなかった。
 というのも同じ学校に通っている生徒がここにはいるだろう。その人に痴漢をされた男として学校で有名になってしまうのが怖かったからだ。
 直也はある程度開き直っているけれど、それは隠れて見つからないところでの行為に関してだけで、決して人前で痴漢をされていることが平気なわけではないのだ。
 侵入した手がいやらしい手つきで直也の胸を揉み始めた。
 直也の目の前の人は背中を向けていたし、周りも背中を向けているので誰も直也の異変には気付いていなかった。
 それをいいことに手はスッと直也の乳首を何度も擦って触ってくるのだ。
(これは、本当に痴漢だ……しかも確信犯だ)
 直也がそう気付いたのは、直也の乳首がまず勃起をしてしまったことにある。触り方がわざと緩く触っていて、こちらの反応を見ているのが分かった。
 乗る前から狙っていないとこの行動には出られないだろう。
 直也は最初から痴漢に目を付けられていて、手を出されていることになる。
「……ふっ……んっ」
 乳首を執拗に指で捏ねられて、乳を持ち上げるような形で揉まれ、直也はこの手からは逃げられなかった。
 諦めるくせが付いているせいか、乳首を弄られているくらい我慢ができると思ったのだが、直也が降りる駅に近付いても痴漢はやめてくれそうもなかった。
「お、降りるから……やめっ」
 さすがにそう思って痴漢の手を止めようとすると、その手を誰かに掴まれてしまった。
 そして駅に列車が入り込み、止まって扉が開くと一気に学生達が出口に殺到して降りて行く。直也もそれに紛れて降りようとしたが、手を掴まれてしまい、その手がさらに列車の奥へと進んでいくのだ。
 手を引いているのはサラリーマン風の男。
 振りほどくことも出来ずに、列車の連結部分にあるお手洗いの空間に連れ込まれた。
 この列車は普段は特急に使われているが、朝の早いうちは各駅で止まる。そんな電車にはお手洗いがついていて、そこの部分に連れ込まれたのだ。
 しかしそこには男が三人ほど立っていたけれど、その人達は全員入り口を塞ぐ形で立っていることが分かった。
 これは痴漢集団の手口だ。
 一人の標的をここに連れ込み、朝の混乱時を狙った堂々と強姦するためにわざと作った空間だ。
 直也はハッとして逃げようとしたが、すぐに列車が走り始めてしまい、その振動で揺らいだところを男に両手を掴まれて後ろ手に縛るように腕を捻られてしまった。
「やめてっ」
 直也がそう言うけれど目の前いる男はマスクをしていて顔半分が隠れている。それをいいことに直也の制服を脱がし、前を開けさせると下着を切り裂いてしまった。
「暴れると分かるよね?」
 そう言われて直也はまさか凶器を向けられるとは思わず、ゾッとして身動きが取れなくなった。
 暴れたら刺されるかもしれない。そう思ったら何よりも怖かったのだ。
 男は直也が大人しくなると、意気揚々と直也のパンツも脱がし、下着も下ろしてしまった。
 露わになったペニスを握り込むと、それを扱き始める。
「ひっ……やっあっ……あっあっあああっ」
 こんな時でも直也の快楽は直也の意思を奪ってくる。
 直也は男に押さえつけられたまま、ペニスを扱かれ、さっきまで触られていた乳首も弄られ始めた。
 舌で乳首を舐められて、指で捏ねられ、さらにはペニスまで扱かれている。
 これで感じないわけがない。
「うあっあひっ、あんっ、いいっ……ちくびっああっ、あっあんっあんあっああぁっ」
体がその行為を受け入れ、次第に開いていくのが分かる。
 最近は工藤にも触られることがなかった体が男を求めているのが分かる。
「あ゛あぁぁぁあっ……ああっ、ひっ、あっ、あんっあぅあうっ、あっうあっ……ちくびっああっああっあんっあっああっあーっ……」
「敏感だね~、直也くん」
 急に名前を呼ばれて何故バレたと思っていると、いつの間にか制服に入っていた生徒手帳を取られていた。
 それを開いて名前を見た男がニヤリとして直也を煽ってくる。
「知らない男に乳首とおちんぽ弄られて、気持ち良くなっちゃう変態淫乱直也くん」
 そう言われて乳首をギュッと捻られて、直也はそれでも嬌声を上げてしまった。
「あぁあんっ! ひあっ、あっあっ、ちくびっ……らめっ、あっああっあぁんっ」
 反応する体に男がゴクリと喉を鳴らしたのが分かった。
「今日は当たりだったみたいだ。大丈夫、一回俺らに任せてくれれば、それで終わり。二度目はないから大人しく犯されなよ」
「ああぁーっ……あひっ、んっ、ああっ、らめっらめっ、乳首へんっ……こんなっ……ああぁあっっ……」
男はそう言ってこれは一度きりの痴漢であると言った。
 どうやらそういう約束がある集団らしい。
 恐らく、一度ならば誰もがこれで終わると諦めて警察にはいかないのだろう。経験からそう分かっているから、こう言って諦めさせて本当に一回限りの痴漢で終わるのだ。
「あ、っあっ、あぁんひぁっ……んっあっ、だめ……ちくびっあっ、んっああぁっ」
「まあ、直也くんは二回目も三回目も喜んで参加してくれそうだけどなあ~」
 そう言われた時にはもう一人の男が直也のアナルにローション付けた指を突き挿れてきたのだ。
「あっ、あっ、あひっ、おま○こらめっあんっあっあっ、あんっ、あんあっっ、ん゛あっんっあぁんっ……、ちくび、だめっ、あっいっ……ひぁっあっ、んっあん」
グリグリと奥まで指を挿れられて弄られると、直也はあの熱い熱を思い出してしまい、体はすっかり反応をしてしまっていた。
「直也くん、おま○こだなんて本当に経験なりの淫乱ま○こかよっあははっいいね。おま○こと乳首どっちがいいの?」
「やぁっあんっ……ちくび、乳首らめぇなのっ……あっ、あっ、あっあぁんっ……ちくび、おま○こもらめっ……っんっ、あっ、あひっ、んああっ」
すっかり男の手管に酔わされて、直也は体を開いてしまった。
 そして待ち構えていたとばかりに後ろから抱えられてしまうと、アナルに男の完全に勃起した凶器のようなペニスがずっぽりと一気に突き入れられてしまった。
「ふああぁっ……やらっ、おちんぽらめっああんっちくびっあんっ、んっあっんっあっああぁあんあっひぁっ、んっあっんっ、あぁあっ」
「直也くん、淫乱過ぎるっヤバイこれ、持ってかれるっ!」
 男が後ろから突き上げながら揺すると、繋がっているところを別の男がスマホで撮影をしている。
「やぁっ……もうらめっおま○こも、乳首やらっ……んっふああっ……あっあんっ、あんっあっあぁんっ……、や、らめみないでっあっ、あっ……そんなっああんっひあっらめっ」
いやらしくペニスが出入りするところを撮影され、直也はそれにも興奮をしてしまっていた。
 これで脅されたらずっと脅され続ける羽目になるのが分かっているのに、体が男のペニスを喜んで受け入れてしまっている。
「んあっちくびっいいっらめっおま○こ突いちゃらめっ……ああんっちくびっいいっコリコリしちゃ……いいっああんっ……!」
乳首も指でずっとこね回されていて、直也は色んな手によって体中を触られて、その無数の手によって今まで感じたこともない快楽を得てしまっていた。
 複数人を相手したことは今までなかったことで、全部を弄られて絶頂へと導かれるのも初めてで、さらには電車の中でいつ誰か入ってきて見つかるかもしれないという危機感もまた余計に直也の刺激を強くしていた。
「ああ゛ああっ、ちくびっ……ああっだめ、おま○こしながら乳首いじられたらっ、あ゛あぁっ…いっちゃうからぁっ、ああぁぁぁっ」
「イッていいよ、直也くんはもうちょっと可愛がってあげるから、終点までいこうかね? それで折り返してまた戻ってくるまで一時間あるよ?」
「うあんっ、一時間、らめっそんなのっんっんっ……あんっ、だめ、ほんとに、おま○こっ、ぐりぐりだめっ、あっ、んぁっ、いいっ…ふあっあ゛っああぁっ」
「直也くん、ノリがいいなあ~、ほんと誰にこんなに開発されたんだろうねえ」
「あああぁぁぁっ……いっちゃうからぁっ……乳首と、おま○このなかかき回されてっんあっあぁんっ、いっちゃちゃうっ……あ゛っ、あっああぁっ」
直也はどんどん男たちによって追い上げられてとうとうそれだけで絶頂をしてしまった。
 ガクガクッと全身を震わせて絶頂をすると、直也の中に挿入っていた男のペニスが精液を吹き出しているのが分かった。
「あっあぁんっ……おま○こぐちゅぐちゅして……っ。おちんぽっちっ乳首も弄られてっ……あっはああぁっんあ゛ひっ……あっあっらめぇっ……あっあ゛ああっ」
直也は精液を感じてそれだけで絶頂をしてしまい、男達はそんな直也に群がった。
体中を触り、次々に直也のアナルにペニスを突き挿れてきた。
 その性急な動きと焦っている男達の強引さがまた直也を興奮させた。
 ここまではっきりと求められていることが分かり、直也はそれに自分が応えられていることが少し嬉しかった。
久々のペニスが、こんなにバリエーションのある色んな男のものだとは想像もしていなかったし、それを受け入れて満足している自分がいることに直也はもはや嬉しさを隠そうとはしなかった。
「あひっ、こんなの、むりっ、はぁっ、あっあっあたま、おかしくなるっあひっ……あ゛っあんっあんっあっあっあっあんっおま○こかき回して……ちくびもっ吸って……ああいいっきもちいいっ……あんあんあんっあああっ!」
直也の嬌声に男達はさらに盛り上がり、痴漢の輪は駅に止まるごとに男達がどんどん増えた。
 出し終わった男達が電車を去って行くと、違う男達が直也に群がり、二回三回と射精するまで腰を振ってくる。
 その必死さに直也はただ嬌声を上げて喜んでそれを受けていた。
「ちくび、きもちいい、あはんっあぃ……っ! あっ! あは、はっあ、ぁ……っ、おま○こ……すご……っ、きもち、ぃ、い……っ!」
世の中にはこんなに色んなペニスが存在するのかとこの時初めて分かった気がした。
 自分を犯してきた男達のペニスを思い出しても、そのどれとも違う。
 もう二十人くらいの男が直也の中に挿入っていたけれど、それでもどの人も違っていた。
「やぁ、あああ……っ、そんな、したらぁ……っ、ああっも、いく……っ、いくいく、いくっ、だめ、いっちゃ……ぁ、ああぁっ、ああうううぅ――っ!」
「淫乱ま○こ最高っ!」
「直也くん、マジヤバメスま○こ過ぎるっ!」
「あぁあんっ! ひあっ、あっ、あっ、おま○こっ……らめっ、あっ、あぁんああぁーっ……、あひっ、んっ、ああっ、いいっいいっ、乳首っあああっ……あああ~っ」
「直也くんは乳首もおま○こも触られるのが大好きなんだな」
「あぁんっ気持ちいい……乳首ぺろぺろ舐められながらおち○ぽでおま○こ突かれるの、ぁあっんっ、きもちいっあっあっ」
「今日は当たり過ぎるだろっ! こんなの絶対ヤバイのに躾けられているってっ」
 その通りで直也を囲っている工藤は街金融も扱っている。ヤバイと言えばヤバイ人でバレたらこの人達の人生もきっと終わるだろう。
「あんっそんなの秘密なのっ今日だけなのっああああんっちくびっ強くしたらっいくっいっちゃうっ……ああんっおま○こっいいっああんっあっあああんっ」
「今日だけの秘密ま○こで、絶頂しまくってくれっ!」
 そう言われて中に精液を沢山出されてしまった。
「ん゛ああっ……あっ、い゛っ…出てぅっ…なかっ、精液がっあっ、あん゛んっ……ふぅっ……ん゛ぶっ……ひあぁっ……んっ、ふぅっ……ああ、中、精液出てる……んふ」
 直也はそれを嬉しそうに受け入れて、男達の相手をしきってしまったのだった。
 その後直也は綺麗に体を拭いて貰い、駅を降りたところでホテルに連れ込まれたが、そこで体を綺麗にしてもらい、付き添ってくれた男とそのホテルで少しだけ羽目を外してセックスをしてから、夕方には駅で解放された。
 乗りすぎた切符を代わりにもらって自宅に帰ることができた。
 それから電車に乗っても直也は痴漢に遭うことはなかった。
 恐らく彼らの誰かが直也の素性を調べたのだろう。そして直也を囲っているのが工藤だと分かり、関わりを持つのは拙いと判断して近付いては来なかったのだろう。
 直也は脅されることなく済んでホッとしたが、それは新たな火種を残してしまったのだった。

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