Violate

6

 管理人の加藤宏樹が逮捕されたのは、ちょうど直也が小学校の卒業式を迎えた日のことだった。
 その日、直也は卒業式に出た後、加藤に連れ込まれて襲われていた。
 それをその日は仕事で卒業式に出られないはずの母親が、偶然早く帰宅したことで加藤に隣の部屋に連れ込まれていることに気付き、遅くなっても戻らないのでチャイムを押したが反応がなかったので警察に通報したのだ。
 直也はその場で警察に確保され、病院に送られた。
 幸い大きな怪我はなかったが、強姦されたという事実は警察の記録に残ってしまった。
 直也としては誰にも知られたくなかったのに、大勢に知られたということが精神的なショックになってしまい、幸いなのは学校を卒業していたからと母親に連れられて遠くへ引っ越すことになったことくらいだ。
 加藤は児童虐待と監禁強姦と色々な罪が重なって、犯行現場を押さえられてしまったので言い訳もできなかったが、裁判をすると記録が残ってしまうからと何度も示談を要求されたが、直也は示談には応じなかった。
「何度も止めてくれと言ったのに止めてくれなかったのに、どうして自分は止めて貰えると思えるんですか?」
 直也がそう弁護士にはっきりと告げると、裁判があっという間に判決まで行われた。
 加藤の情状酌量なんてなく、悪質な行動と計画性などから懲役が七年も付いたのだ。
 もちろん上告をしたらしいが、反省がないという理由から上告を却下され、刑が確定するのに半年もかからなかった。
 現行犯であることがもっともの理由として上げられ、直也が許していないことも判決を重くしていたようだった。
 直也は一年間学校を休んだ。
 転校する予定の学校には、入院療養していると知らせていたので直也は自由に休ませて貰った。
 もちろんマンションは引っ越した。
 達郎がその処理をしたらしいが、直也は達郎には会わないままだった。
 達郎の方も直也に興味があるわけではないのだなと分かって直也はホッとした。
 しかし逮捕された理由が理由なので、達郎も明日は我が身だと思ったのか、直也達の次の家も達郎がお金を出してくれ買ってくれたらしい。
「ほんと、達郎には悪い事をしてるわね……」
 母親はそう言ったけれど、直也がいつ達郎の話を口にするのか達郎としても戦々恐々なのかも知れないと直也は気付いていた。
 もちろん、加藤は直也が前の住人である森田に犯されていた事実も喋ってしまったので森田も逮捕されていた。
 ちょうど逮捕された時に森田は他の中学生くらいの子と援交をしていたので、容疑はそっちで捕まり、直也に対して行った強姦も罪に加えられたらしい。
 その時に直也は警察によってこれだけではないだろうと諭されたけれど、達郎と教師のことは絶対に口を割らなかった。
 あくまで森田が初めてであり、他はないと言い張った。
 そんな直也が口を割らないことから、警察は身内による犯行を疑っていたらしいが、直也には父親もいないうえに身近にそういう人がいないのでこれ以上の捜査は無意味になってしまい、それ以上は追求をされなかった。
 それでも警察は直也がもっと被害に遭っているということだけは分かっていた。


 一年後に直也が学校へと一年遅れで通い始めると、学校では直也に対して興味を持つ人も何人かいた。
 しかし一年遅れである直也は勉強が忙しく、クラスメイトに馴染む間もなく、補習とテストと大忙しだった。
 一年分の遅れであったが、直也は自分で勉強を続けていたお陰でそこまで学力に差はなかった。
「関口はちゃんと勉強をしていたんだな。テストも満点ばかりだし、これは凄いことだよ」
 新しい学校の担任はそう言い、直也の他の教科も問題がないことを褒めてくれた。
「暇だったから、勉強だけはしていたので」
 一年間、療養と言い、直也は一人で家にいた。
 外へ出ることはできなかったので、母親がかなり気を遣ってくれた。
 達郎の援助もあって、通販の食料品を手に入れられたのでそこは苦労はなかった。
 その一年間で直也は料理を完全に覚え、家事は完璧にこなせるようになっていた。
 なんだかんだで落ち着いた一年を過ごせたことは、直也にとって傷を癒やすことになった。何気ない日常がどれだけありがたいのかを直也は思い知ったのだ。
 母親の幸子は、直也が学校に通い始めるとまた夜勤の看護師の仕事に入った。直也が療養中は昼間の仕事にしていたが、やはり夜勤の給料がいいので生活費を稼ぐには夜勤の方が都合が良かったのだ。
 一年間続いた達郎の援助も打ち切られてしまうので、それは仕方がないことだった。
 しかしその一年で変わったことがあった。
 幸子に恋人が出来てしまったのだ。
「この人が、お付き合いしている工藤久義さんよ。こっちが息子の直也」
 そう言われて食事に連れ出された先で何の予備知識もないまま紹介されたのが工藤久義という男だった。
 百八十センチの身長とがっしりとした筋肉質の男。顔はニコニコとしていて優しそうだったがその鋭い視線は笑っていない印象だった。何処かの会社の社長でそういう風貌はしっかりと出ている人だった。
 まだ三十半ばで若く、やる気もある人がわざわざシングルマザーを選んで結婚をするだろうかと思うくらいにはモテそうな男だった。
 直也はその人に挨拶をしながら、奇妙な視線を受け止めて溜息が出そうだった。
「どうも息子の直也です」
「よろしくね」
 挨拶をして握手をした瞬間、直也は間違いないと確信をしてしまった。
 工藤は握手をした時、直也の手を親指でスッと何度も撫でたのだ。
 握手でそんなことをする人なんているわけもないことは直也にも理解が出来ていた。だからこれは工藤から直也に対する性的な行為の印だったのだ。
何回か食事をした後、母親はこの男と結婚をすることに決めたと言った。
「会社の社長さんでね、お母さんも夜勤の仕事やめられるし、これからは直也のために色々してあげられる時間ができるわ」
 そう母親が言うけれど直也にとってそれは地獄の選択にしか聞こえなかった。
 嫌だと思っているのに、嫌だと言って断る理由を言えなかった。
 性的な目を持って見られているから嫌だと言えたなら、もしかしたら未来は違っていたのかも知れない。
 でも母親はそれで結婚は諦めなかっただろう。
「ほら、直也ももし嫌だったら、寮に入るとかアパート借りるとかできるから」
 そう言われてしまい、自分の母親が楽をしたいがために結婚をするのだと気付いてしまったのだ。
 直也のためというのは外向けの口実だ。
「……じゃあ、アパート借りてくれる?」
 直也は一緒に住むのは無理だと母親にいうと、母親は少しだけホッとした息を吐いたのだ。
 ああ、これは直也の反対が最初から分かっているけれど、自分が幸せになりたいから直也がいなくなってくれるのでホッとした安堵の息なのだと分かってしまった。
 ずっとこの世に直也の味方は一人もいなかったのだ。
そこで直也には母親に関して諦めは付いてしまった。
 結局、父親になる工藤は直也を一人にさせるのはよくないと言ったけれど、直也ははっきりと父親になる工藤を信用できていないことなどを理由にして強引に離れることになった。
 直也はアパートに引っ越す予定だったが、それは工藤が許さなかった。
「せめてちゃんとしたマンションでないとダメだ」
 そう工藤が言い、直也にはそれ相応のマンションが与えられた。
「私の息子も同じようなところに住んでいるから、君も同じように扱うよ」
 直也は母親の再婚は許したけれど、自分が養子に入るのは頑としてしなかった。
工藤の籍に入ったら工藤が養父という立場を使って直也の行動を縛ることが出来るようになってしまう。それでは直也が離れて暮らす意味がなくなるからだ。
 結局、工藤が用意したマンションに引っ越すことになり、直也はそこから学校に通うことになった。
 最初の半年は何事もなく、直也は一人の生活に慣れていった。
 一応はここには母親も尋ねてくるので周りの人は母親と暮らしていると思っているし、そう登録しているので中学生が一人暮らしをしているとは誰も思っていないようだった。
 そして半年が過ぎた夏休みのことだった。
 母親が直也の家にやってきて言ったのだ。
「あなたに弟ができるわ。ふふ、嬉しいでしょう?」
「そう、なんだ」
 自分以外の子供が生まれ、それが弟になるなんてことでも直也には何の感情も湧かなかった。
「だから、身重になって子供が生まれてしまったら忙しくて見に来られなくなるけど大丈夫かしら?」
 そう母親に貴方の世話までできませんと宣言されて直也はそんなことかと頷いた。
「大丈夫だよ、もう一人でも暮らせているし、今まで僕がダメだったところなかったでしょ?」
 直也は中学二年になっていたし、体も少し大きくなっていた。
 あの事件以降、誰とも付き合いがないけれど、学校では目立たずに上手くやれているから問題も起こしたことはなかった。
 直也の言葉に母親はそうねと頷いて帰って行った。
 そもそも直也は物心がついた時から母親の世話になった記憶がない。
 いつも一人で遅くまで幼稚園の待機所に預けられていたし、小学生になってから鍵っ子で一人で食事も作れるくらいに放置されていた。
 だからもう一人暮らしに近い生活はずっとしてきた。むしろ母親の世話がないだけ一人の方が楽だと気付いてしまったのだ。
 そんな直也の可愛げのなさに母親も呆れたのだろう。
 そして自分の幸せのために直也を捨てたのだ。


 そんな母親の妊娠からたった一週間のことだった。
 工藤久義が直也の部屋に尋ねてきたのだ。
「少し話があるんだが、いいかい?」
 ニコリと笑っている顔の目が笑ってなかった。
 直也は断ることが出来ずに内鍵をあけて工藤を中に入れた。
 工藤は遠慮なく直也の部屋に入り、そして直也が予想していた通りの行動に出たのだった。
「お母さんにバレたくないだろう? 離婚したらまた地獄が待ってるよ」
 工藤はそう言い、直也を廊下で押し倒すとその場で待ちきれないとばかりに直也の服を一気に脱がせてきた。
「……あっやっやめてっ」
 直也が逃げそうになってもそれを押さえつけて直也の体中を舐め回すように舌を這わせてきて、工藤は満足下に直也のアナルさえも遠慮なく舐めてきた。
「はぁ……あっ……ぁ、はっ……は……っ、あぅ……う」
「直也、美味しい、君はどこも美味しいんだな」
 体中を舐め回されて直也は忘れていた快楽への入り口にまた立たされた。
 やっと忘れられると思っていた非日常が、寄りにも寄って義理の父親によって開かれるのだ。
 もうこうなることは運命だったと言わんばかりに直也はその場で工藤に犯される。
「はぁ……ぁ、あ……っく、んぅっ……や……っ、ふぁ、あ……っふ、ぅ……はぁっ、あ……」
 乳首まで執拗に舐められて勃起した乳首にニップルクリップを付けられてしまい、少しの痛みがまた直也を快楽へと連れて行く。
「ふぅっ、く、あっ、ひぁ……はひぁ、ああっ! あぁっ、やだ、や……っ」
「似合うよ直也、いやらしい子。淫乱な子だって幸子から聞いたよ。男を何人も誘惑してこのおま○こに一杯おちんぽを挿れて貰っていたんだってね」
そう言われてアナルを広げられて、凶悪な反り上がった大きなペニスをゆっくりと入れられていく。
「んぁっ……あっ、ああぁっやぁっ、や、あぅあぁっ!ひ……っ はぁ、あ、あ、あ……っはぅっ、うあぁ……っあ、あぁっ……ああぁ……!」
「おおっさすが……淫乱ま○こ、しっかりと飲み込んでいく……」
 母親を抱いたその体で息子まで犯す工藤は完全に狂っていた。
 最初から直也は犯すつもりで目を付けていた。一緒に住むことで手を出す予定が離れて暮らすことになったので、まずは母親を妊娠させて身動きが取れないようにしてから直也の攻略にかかったのだ。
「あぁっ、あっ、や、おちんぽっはげし……っ、ああっ!あっ、あーっ……!」
 パンパンと激しく音が鳴るほど工藤は腰を振り、直也を犯し始めた。
「あぁんっ、あっ、はぁっ……あーっ、あーっあぁっ……あっ、いい……っ、い、いやあっああ……っ」
「直也、淫乱ま○こが締め付けてくるよ……これは誰もが夢中になって犯すはずだ……っ、こんなま○こに出会ったことはないぞっ、直也これからは俺がしっかりと犯してやるからなっ」
 工藤は直也を犯してきた男達と同じことを言い始めた。
 直也を犯す男はいつも直也がそれを望んでいると思い込んでしてやると言う。直也はそんなことを一ミリも望んでいないのに、直也が望んでいると信じているのだ。
「あっ……あぁっ!やっ、だめ、それだめ……っ、やだっ、あぁ……っ、らめ、そんな……っ、だめぇ……!やだ、ぁ、あ、ああっ」
直也は久しぶりの男のペニスに体が歓喜していることに気付いた。
「あは、ぁんっ、おちんぽでおま○こ突いたら……っだめぇはぁあう……ん!」
工藤のペニスは直也の中にぴったりと填まるサイズだった。
 大きさも大きく、さらには長く奥まで届いている。根元まで突き挿れられたら、さらに奥にあるあり得ないところまで開いている気がするのだ。
「ひぃっ、ひっ、ひっ、あ、やぁ……あっ、んああっああぁ……っ!ああっ、ひ……ゃあ……あっ、あっ、あ……っ!」
「直也、ほんとに素晴らしいっ! こんなメスま○こを隠し持っていたとはっ!」
 工藤は妻になった直也の母親に直也が二度も男に犯される被害にあったことを話していたようだった。
 それで工藤は興味をそそられて初めて会った時に、直也を犯すことを決めたのだ。だからあんな親指でマーキングするように直也に知らせてきたのだ。
「うぅ……っ、く……ぅ、いっ、いい……おちんぽっらめっああっ、あぁーっ、あっ、も、いきたい、いきたいっ……ぁあっ、もぉ、あたま、へんになるぅ……っ! もうだめ、だめ、いかせて、え……!」
「ああ、待ちに待った直也の中、メスま○こ、凄いぞこれは名器だっ! 直也は名器の持ち主だったんだなっ、そりゃ犯したくもなるっ!」
「ああ、やだ、や……っ、おま○こ、いや……ぁううっ、く、あぁっ……ううぅ……っく、はあっ、ああっあーー……っ、あああぁ……っ!」
 逃げられないまま直也は押さえつけられて部屋の廊下で只管犯された。
 このマンションはこのために工藤が用意した部屋だった。
 直也を犯すために用意した部屋だから、音漏れはしないし、工藤は父親という明確な役割を持ってこの部屋に出入りすることができる人間になっている。
 周りから見てもそれは普通の出来事で、誰も直也の部屋に入っていく中年の男を怪しむことはない。
 直也はまさかこんなことになるとは思っていなかったので、その可能性を何一つ考えもしなかったのだ。
 そこが直也の弱いところだった。
 頭は良くてもそこまで考えられないのだ。そこは母親譲りといってよかった。
「あぁっ!あっあっあっ、あ、あ、い、いく……いく、いく、いくぅ……っ」
「直也っイケっイケッ俺も出るっ中出しするぞっ!」
「あっ、あっ、あ……っああぁ……っあ、あ、あ、い、いく、いく――……っあああああぁぁ――――!」
直也はとうとう工藤によって中出しをされることで絶頂をしていた。
 男に犯されることでしか絶頂ができないくらいに、直也はこの行為を受け入れるしか道がなかった。
 工藤は沢山中で精液を出しても収まることはなく、直也を抱え上げて後ろから足を大きく広げて繋がったままで上から何度も振り降ろしてきた。
「ひああぁっ……あひっ、ん゛っあっあああっ、ひあぁっ、ああああぁ……っ」
深くペニスがアナルを抉り、直也は感じたこともない快楽へと連れて行かれた。
 それまで直也を抱え上げてまで挿入する人がいなかったのもあり、中学生になっても体が小さいままの直也を振り回せるほどの力が工藤にはあった。
「んっあぁあーっ、おちんぽっだめっ……あ゛ひっ、んっあ゛っあんっあんっあんっ」
直也は犯され始めると素直に体を開くことをずっと覚えてきた。
 抵抗して痛い目に遭いたくないからこその術であるが、それは男を喜ばせてしまうことであるのを学ばないままだった。
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、そこばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
 直也は潮吹きをして絶頂をして、それが壁を塗らしているのを工藤が喜んでいる。
「誰よりも感じて、絶頂を出来るとは淫乱ま○こはさすがだ直也っ。ずっと俺が調教をしてやるからなっこれがお前をずっと犯すおちんぽだっ!」
「あ゛あぁーっ、あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ、あ゛ああぁっ! いぐっいくっ、イっちゃうぅっ! あ゛おちんぽっ、あ゛ーっだめっあ゛ひっあんっあっああああぁっ!」
「中出しで孕めっ孕んでしまえっ! おお~絞り取られるっ!」
「あ゛ああぁっ、せいえき、おま○こに中出しっ……! ひあっあ゛うっんっあ゛っあ゛っあああ~っ……!」
 直也は工藤に犯され、精液を中出しされて絶頂をした。
 結局直也は誰に犯されても快楽を感じたし、昔よりももっと簡単に絶頂ができるようになっていた。
 それは淫乱だと言われた通りに、直也の性欲が強すぎるせいだったのだ。

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