Violate
3
直也は嫌な予感がした。
近付いてくる田中先生の様子が明らかにおかしかったからだ。
そして真剣なその顔は、つい先日まで直也を犯していた叔父の達郎にそっくりの目をしていた。
「い、いやだっ誰かっ助けて!」
直也は叫んで田中との距離を取ったが、それでも大人と子供の差は大きく、あっという間に田中に捕まってしまった。
「ずっとお前を狙ってた」
田中がそう言い、直也のパンツと下着を一気に下ろしてきた。
「いやっ先生やめてっ!」
直也がそう言うけれど、田中は直也を側にあったテーブルに乗せて直也のペニスを口に咥えたのだ。
「あぅっ、ぁっあっあっあっ、やっ、ちんぽ……っ、やめてぇ……っ!」
「んーんー、美味しいよ関口……」
「あっ! あぁん……っ! っあ、あぁああっ! あああっ! はぁっ、はぁっ、は、ぁあん……っ!」
ジュルジュルと音を立てて吸い上げられてしまい、直也は達郎にされた時のことが一気に蘇ってきた。
「あぁああっ! あっあ、はふっ……ん、はぁあんん! んあ……っ、ああ……っら、めぇ……っ!」
田中にされていることは嫌なのに、何故か体がそれを喜んでいるのだ。
その感覚に戸惑ってしまったけれど、それでも体が歓喜していることだけは理解できてしまった。
「あっ……ぁ……!ふ、うっ……んあっ!」
自分は普通ではないのだ。
そういうことを叩き付けられている。
田中は必死に直也のペニスを吸い上げ、舐めている。アナルには指が挿入り込みそれが奥を突き上げてくる。
「や……なに……っああっああっ……やだ、そこ……や……、ああうっ、ああ……ああっ……」
直也のアナルがヒクついて、その無骨な大人の指を受け入れていく。
嫌なのに体がそれを喜んで、田中の指を締め付けている。
「ああ……っ、らめっ…ああっ! んっ……あ、ああ……っああ……!」
アナルを弄られ、ペニスを吸い上げられて、とうとう直也は絶頂をさせられてしまった。
「ああっ、や……っ、も……あっ、あっんああ!あっ……ああー……ああっやあ……っ、あああっ!だめ、だめ……!」
ビクンと体が跳ねてしまい、激しく絶頂をしていた。
達郎に犯されまくった日からすでに三週間は過ぎていたけれど、体がそれをまだしっかりと覚えていた。
直也は混乱をしながらでも逃げようとしたが、それを田中は許さなかった。
「直也……可愛いね……おま○こはすでに誰かが開発しちゃってるみたいだけど、これで先生のペニスもちゃんと挿入りそうでよかった」
その言葉で直也は田中が直也の中にペニスを突き挿れる気だと気付いた。
「あぁ……っ!やだ……ああっ!あ!ぁあ―――ああ……っ、ああぁ……っあ……っ、んんっ」
逃げようとする直也の腰を掴んで一気に田中が直也の中にペニスを突き挿れてきた。
「んぁああっ! い……った! ぁんっあんんーっ! あん! はぁああん……っ」
圧迫感と痛みが少し出たが、それは強引にされたことによる痛みだった。
「――はっ、はぁっ……! ぃや、だ……っ、いやだぁ……っ」
「直也、入ったよさすがに凄いな。中がトロトロしてて最高に気持ちがいいっ!」
田中はそう言うと腰を振り始めた。
「はぅ……っ、く、くぅううん……っ! んんっ……は、ぁん! あぁあ……っ!」
パンパンと強引に突き上げられる腰使いは、達郎の強引さとよく似ていた。
「あぁはっ、はぁっ、はぁ……っ、やめて……っ、おね、が……あああっ」
あり得ないと思っていたことが起こり、直也は混乱をしていく。
強引さは同じでも違うペニスによって当たる場所が違うのか、それによって直也は快楽に突き落とされていく。
「あんんぅ……! んんんぅうう……っ!」
「直也……ああ直也……素晴らしい体だ! 堪らない、凄くいいぞっ先生も気持ち良くなってるぞっ直也ももっと気持ち良くなれっ」
「んっあぁあーっ、おちんぽっだめっ……あ゛ひっ、んっあ゛っあんっあんっあんっ」
奥を抉じ開けるようにして田中が腰を振ってくるので、直也はそれに翻弄された。
強姦されているのに、それに慣れてしまったからか、直也は快楽に堕ちやすい体になってしまっていた。
そのせいで田中にまで体を許してしまい、直也は快楽に翻弄された。
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、そこばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
「ああいいい、直也出そうだっ中出しできそうだっ」
「あぁーっ! イく、イっちゃうっ!! でちゃうよぉぉっ!」
「直也、一緒にイこう、ああ出る出る出るぅぅ!!」
「あひっあへっ、い゛っいくっあっああああぁーっあああっ……あひっ、あっ、ああっ……」
直也は田中に追い上げられて絶頂をしていた。
情けなくもあるけれど、体が快楽に正直になってしまったからこんな行為でも体がそれを受け入れてしまうのだ。
そこに直也の意思は関係なかった。
ただ快楽だけが存在をしていた。
「もっとだ、直也もっとだっ」
抜かずにまた勃起した田中のペニスが中を圧迫して、吐き出した精液をかき出しながら腰を振り始めた。
「あぁっ……ん、はぁっ、あっああぁんっああっ……らめっあっあひっあああっ」
あまりの気持ちよさに直也はもう嬌声を上げるしか方法がなかった。
体が正直に応えてしまう以上、それにすら直也は抗えないのだ。
「あああっ……もっやらぁっ……あっまたっいっちゃうっ……あっあぁんっイってるからっ、らめっっあっあぁああーっ……」
「直也っああ、もっと出る、もっと……奥に出してやるからなっ」
ビュルビュルと熱い精液を大量に吐き出されてしまい、それで直也はまた絶頂をしていた。
「あひっあへっ、い゛っいくっあっああああぁーっあああっ……あひっ、あっ、ああっ……」
潮を吹きながら絶頂をしてしまい、直也はその自分の体に絶望をしていた。
心はいやだと言うのに体がそれに逆らえない。
もっと欲しいと体が求め、それによって心を侵害される。
そしてペニスを求めて腰を振り始めてしまい、田中によって一時間以上も犯され続けた。
「ああっ、いくっ、おま○こでっ、いっちゃう、はぁっ、いっちゃうっ! ああんっああぁっ! あっあぁっ、んひぃっ、あぁしお、ふいちゃうっ……あっあんっあんっ!」
「直也、直也っいいぞいいぞっおお、絞り取られるっううっ!」
「あああぁんっ! らめっあっあぁあっ、やああっいくっいくっ……あああぁーっ……ああぁーっ……はぁっ、ふぅっ、あっ、はぁっ、はぁっ……」
直也は田中によって犯し尽くされた。
田中は散々直也を犯した後、我に返ったのか。
「ひ、いいいっこんなつもりはなかったっすまないっ」
そう叫んで資料室から飛び出して行った。
直也はそれを見送り、これ以上犯されることはないだろうと安堵して、服と鞄を持って資料室のすぐ側のトイレに入って中を処理した。
吐き出された精液は沢山こぼれていたけれど、部屋の片付けはしなかった。
ただ服を着られないのでアナルの中を濡らしてなんとか精液を掻き出して綺麗にしてから持っていたタオルで体中を綺麗にして服を着直した。
途中で田中に会わないようにと逃げるように特別棟を抜け出して家まで走って帰った。
幸い家に帰っても母親は仕事でいない。
最近は夜勤の仕事に入るようになって忙しいのか、直也は放置されたままである。
食事も途中で買ってくるつもりだったのにそれも忘れてしまった。
先に風呂に入ってシャワーを浴びて体中を綺麗に磨いた。
その途中で涙が出た。
「なんで、僕だけこんな目に遭うんだ……」
悲しくて涙が出るよりも、怒りで涙が出たくらい神様を憎んだ瞬間だった。
何が平等で自分がこんな目に遭っているのか分からない。直也はそれに悩んでも誰にもそれを相談できなかった。
言えるはずもない。
男の大人に二度も犯されましたなんて言えない。
まして、母親の弟に犯されましたとはもっと言えない。
そんなことを言えば、もっと困ることになるのは目に見えて明らかだったからだ。
だから誰にも言えないまま、直也は登校拒否になった。
母親はそんな直也を窘めることはしなかった。
怒りもしなかったし理由も聞かなかった。
どうしていいのか分からず、直也を放置した。
頭が足りない親であるが、対処法が見つからないまま仕事に追われ、仕事を辞めるわけにはいかなかったので直也に構っている余裕がなかったのだ。
「直也が学校に行かない理由をいわないので……このまま様子を見ます」
そう担任が仕事場まで尋ねてきても母親はそう言い、直也はそのまま部屋に閉じこもったままだった。
しかしそれも一ヶ月を過ぎると、直也もやることがなく暇になった。
達郎に押しつけられたゲームやおもちゃは仕方なく使っていたが、それにも飽きがきてしまい、直也は一人外へと出ることになった。
買い物はしないといけないのでなるべく人が少ない時間を選んで買い物をした。
もちろん、小学校を休んでいるから大人達からは変な目で見られたけれど、直也はそれを気にしなかった。
どうせ誰も助けようなんて思っていないのだ。
そんな直也は大人を警戒するようになった。
誰も信じられず、誰にも打ち明けられず過ごす中で、直也の大人の身勝手な暴力によってどんどん心が歪められてしまった。
そんなある日、直也の家は引っ越しをすることになった。
「仕事場の近くに引っ越すのよ。今度は上手くやるからね」
母親は今の職場を首になっていた。少し足りない頭のせいで誰かにミスを押しつけられたのだ。
それはよくあることだったし、そのミスは母親が起こしたものではないのでその後も再発する。それで違ったことに気付いてよく前の職場から謝罪と口封じの謝礼が届くことがある。
今回もそうなるのだろうと直也は思った。
引越し先は一応は学校の圏内だったので学校の転校は免れた。
幸いなのは副担任だった田中が家庭の事情で学校を辞めていたことだろうか。
それを知った直也はまた学校に通うようになった。
今度の引越し先は、達郎が用意したマンションだった。
直也はあれから達郎とは顔合わせもしてなかったが、達郎が裁判で父親に勝って祖母の遺産を全部受け取ることになったのだ。
その時に母親が達郎の味方をして証言したとかで、そのお礼だと言ってマンションを買ってくれたのだ。
明らかに前の団地よりもいいところに越してきて、生活は少しゆとりが出た。
家賃分を食費に回せたことや、意外にも母親の仕事が夜勤中心になったお陰で給料が上がったことが原因だった。
直也はそこで食料を買い、自炊することを覚えた。
最近は動画などを見れば料理を始めることが出来る。
達郎が買い与えてくれたスマホを使ってそれを覚えて直也は一人で生きていく方法をネットから仕入れた。
まずは家事、自分のことは自分で出来なければならなかったし、それ以外にも頭がよくないといけなかった。勉強はもちろん、いい高校と大学にはいかないといけなかった。
遊んでいる暇はなく、忙しい毎日を送ることになった。
幸い、学校では直也の不登校は一ヶ月くらいだったことと、勉強には遅れていなかったことから大問題にはされなかった。
ただ友達とは距離を置かれた。
直也は一人で過ごすことが多くなったが、それはそれでありがたいと思った。
余計なことを言わないで済んだし、なにより裏切られることはない。
誰にも期待をしなかったし、直也はどんどん心を強固にして人を拒絶した。
そのことが更に直也を追い詰めることになろうとは、直也自身も気付かないことだったのだった。
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