Violate
1
関口直也は十一歳になったばかりだった。
小学校も高学年になり、体つきも少し大きくなってきていたが、それでも平均的な身長には足りていなかった。
整列すれば前から数えた方が早く、友人達は皆、高身長で百七十センチ近い子もいた。「男の子は中学生から身長が伸びて、高校生まであっという間よ」
母親がそう言ってくれたので直也は悲観しないで済んでいたけれど、それでも学校でモテる子は身長が高く、運動神経がよく、さらに勉強が出来る子だった。
そのうちの勉強だけは直也は得意だった。
塾にはまだ通ってなかったけれど、周りの子は塾に通い始めていた。
直也の家はそこまで裕福ではなかったので、通えないまま地元の中学校へと進学することが決まっている。
世の中、中学受験へと必死になっている子も多い中、比較的に学力が高い学校だったので地元の学校でも問題はなかった。
「直也、俺ら公園に集まるけどどうする?」
友人の佐藤雄介が話しかけてきたが、それに直也は謝った。
「ごめん、今日から叔父さんちに行くんだよね……」
「え、なんで?」
「母さん達がばあちゃんの介護とかで春休み一杯いないんだよね。それで僕は叔父さんちにいかされるわけ」
そう説明をすると雄介はうわあっと可哀想だなと言った。
「せっかくの春休みなのに知らない人の家か」
「知らないってわけじゃないけど……でも最悪かどうかは行ってみないと分かんない。母さんの話じゃ、ゲーム大好きな人だって聞いたから」
「へえ、じゃあ新作ゲームとか持ってるかもしれないね」
「だといいなあ。じゃあ、次の新学期で」
「おお、またな-」
雄介とはそこで別れて直也は家に急いで帰った。
帰り着くと母親が忙しそうに家中をあちこち歩き回っている。
「直也、帰ったの? ご飯食べてちょうだい。片付かないわ」
「はーい」
せまい公営住宅なので大きな声が玄関まで聞こえてきた。
直也は玄関横の部屋に荷物を放り込み、台所に行くとすでに軽い食事が用意されていた。チャーハンと即席の味噌汁があり、それをすぐに食べた。
母親は前日までに準備をしていたであろうに、まだ何かを探しているようでバタバタとあっちこっちと動き回っている。
直也の家には父親はいない。
生まれた時からいないらしく、母親はシングルマザーらしいことは周りの人がそう噂をしていてそれが聞こえたので知っている。
父親とは結婚をせずに別れ、一人で子供を産んでしまったので実家とも縁がなかったのだ。それが最近、祖母が倒れ、祖父が直也の母親である幸子を頼ってきたのだ。
金銭的援助をするので祖母の病院の世話をして欲しいと言われたのだ。
ギリギリの公的援助で暮らしていた幸子には喉から手が出るほど欲しい援助だった。
幸子の父親は大きな会社を経営していて、お金には余裕がある。だから人を雇えばいいのだが、母親がそこでごねてしまったのでこうなったのだ。
給料分プラス出してくれるという父親の交渉に幸子は折れるしかなかった。
実質、母親の病院で話し相手をしているだけでお金が転がり込む形だから、受けた方がいいのは直也でも分かることだった。
ただそうなると直也の世話ができなくなる。
まだ小学生の直也の世話を誰にさせるのかとなった時に、幸子の弟である達郎が面倒を見てもいいと言った。
母親の相手よりも子供の方がマシという達郎は塾の講師をしていた。
小学生向けの講師で、それなりに腕があるという。父親の会社を継がずに塾講師をしているのは少しの反発があるせいだ。
それでも最終的には会社を継ぐらしいのだが、それまでは好きにしてもいいと言われているようだった。
そんな達郎とは二、三回しか会ったことはなかった。
一回目は顔合わせで、二回目は春休みに泊まるように買い物をした。三回目はお試しのお泊まりで一日一緒にいてみた。
それで問題はなく、過ごせそうだと分かったので春休みの間、達郎が世話をすることになったのだ。
そしてこれが上手くいけば、直也は達郎の家から学校にも通うことになるのである。
そうなることを見越して幸子が雇われた形になったのだ。
そういうわけで、今日から叔父の家に行くことになり、直也は母親に連れられて駅まで送られた。
「ここから先は大丈夫よね?」
「うん、道、覚えているし、迎えに来るって言っていたでしょ?」
そう言い駅で直也は母親と別れた。
叔父の達郎は父親にいい家を貰っているので高級なマンションに住んでいた。恋人もいないらしく、三十歳でまだ結婚もしていない。
顔は普通、イケメンでもブサメンでもないと直也は思っている。眼鏡をかけているけれど、そこまで視力は悪くないらしい。しかし影は薄かった。
身長は百七十五センチくらいだと聞いた。体重までは知らないが細めの人だったので、直也はこの人の血筋であれば、将来直也の身長も体重もそこまで止まりだと分かってしまったのが少し悲しかったくらいだ。
「直也」
改札を出た辺りで名前を呼ばれて直也が声のしたほうを振り返ると叔父の達郎が立っていた。
「叔父さん」
「達郎と呼べと言っただろ?」
「た、達郎、さん?」
呼び方を指定されたのは三度目だった。
母親との会話で名前を呼ぶのは何だか違う気がしたので叔父さんで通していたせいで、癖が出た。
「そう、それでいい」
達郎はそう言うと、直也が持っていた両手の袋を持ってくれた。
「なんだこれは?」
服などは全部すでに新しく達郎が買ってくれたものがあるので持って来ていなかったので荷物が多いことを気にしているようだった。
「母さんが、食べるもの持って行けって。何が入っているのか分かんないけど」
持たされただけであると言うと、達郎は中を覗いてから溜息を吐いた。
「土産だろうな、駅で買ったんだろう。観光用の東京土産菓子」
「そうなんだ」
「とにかく家に戻ろう」
「うん」
達郎が先を進み、直也はそれに続いて進んだ。
まさかこれが直也に訪れる最初の悪夢になろうとは、誰も気付かなかったのだった。
達郎の部屋に入り、荷物を置いてからすぐにお菓子を食べた。
「疲れたろう、夕食は遅めにするからこの菓子食べてくれ。俺には多すぎる」
そう言われて有名な土産菓子を二人で幾つか食べた。
母親は二人しかいないことを考慮できてないのか、菓子を三つくらいいれていた。
「全く、姉さんはほんと頭が足りない、一つでいいことくらい分かるだろうに」
達郎はそう言い、舌打ちをした。
直也はここに泊まった日からずっと、達郎が姉である幸子のことをすごく馬鹿にしていることに気付いた。
幸子は要領が悪く、頭が少し足りない。忘れ物は多いし、人を気遣うことができない時がある。なので直也ですらちょっとイラっとすることがあるくらいに鈍くさかったりする。
なので達郎がずっと側で育ってきて苛ついていることくらいは理解が出来た。
そんな時に何か言って達郎の機嫌を損ねることもないので、直也は何も言わないでやり過ごした。
お菓子とジュースを飲んだら手を洗ってすぐに達郎が進めてきたゲームを始めた。
直也はゲーム機は持っていないので友達に借りて遊んでいたが、今日は達郎がゲーム機をプレゼントしてくれた。
「俺のデータ使われると困るから」
そう言われてゲームが十万円分くらい入っているゲーム機を貰った。
「あ、ありがとう……嬉しい……」
純粋に嬉しかったのでそう言うと達郎は機嫌がよさそうだった。
それから二人で出来るゲームでパーティーを組んで遊び、あっという間に時間は過ぎていく。
二時間くらい過ぎた辺りで直也は疲れて眠くなった。
「ごめん、達郎さん、眠くなってきた」
「ああ、そうか。今日は移動だけでもしんどかっただろうしな。風呂入って寝ていいぞ。使い方は覚えてるだろう?」
「覚えてる、じゃあお風呂入ってくる」
直也はそう言って風呂に入った。とはいえ、風呂は自動でお湯が溜まっていたし、石けん類はすでに前に来た時に買いそろえていたものがそのままあるので使った。
綺麗に洗ってさっさと風呂を出た。
「寝ます」
「待て、これ飲んでから寝ろ。風呂の後は水分を取らないとな」
そう言われて甘い牛乳を温めた物を貰った。
「熱いから気をつけて飲めよ」
「うん、いただきます」
幸いそこまで熱くなかったので眠かった直也はそれを一気に飲んでしまった。
「ゆっくりおやすみ」
「おやすみなさい」
直也はそう言いベッドに入った。
部屋は余っている部屋を直也の部屋にしてもらい、荷物はそこに運んでおいた。とはいえ、家具類は全部達郎が用意したもので、服すらも直也が決めたけれど買ったのは達郎だった。
何もかもが至れり尽くせりの環境は、実家にいるよりもずっと心地よかった。
ベッドも柔らかくて何もかもが新品で直也は気分よく眠れた。
その夜中だった。
何だか体が息苦しい気分でふっと目を覚ましたのだ。
「ぁあ……っ! ぁ、ああ、ぁ……っ」
口から急に大きな声が漏れて、それが自分の発している声だとは最初認識できなかった。
「ぁっぁあ……っ、え、叔父さん……ひ、ぅ……っ、ゃ、だ……ぁ、っふ、ぅ、く……っゃだぁあ……っ」
部屋は明るく、自分の上に叔父の達郎がのしかかっていることに気付いて、直也は混乱をした。
「ああ、起きたのか」
「ひっ!? ぃや……っいやぁあ!」
グリッと何かがお腹の中で蠢いているのに気付いてその方に視線を向けると、あり得ないことが起きていた。
「んんん……っ! んん……っはっ、はっ……あ、なっに、これ……っ」
下半身が裸で、そこに達郎が腰を入れ、その腰を強く振っているのだ。
そのたびに直也の腹の中を混ぜ返すように圧迫感が襲ってきて、直也はどうしてこんなことになっているのか理解できていなかった。
「叔父さんじゃないって言ったぞ。直也、達郎と名前で呼べと」
「ああぁ……っ、ゃ、ああ……っゃ、や……っ、──っ!」
達郎は激しく腰を振り、直也のペニスを握った。
「暴れるなよ、じゃないと握りつぶすよ?」
「やっふ……ぇ……、はっ……は……っ、や、や、ああ……っぁっあっ……」
達郎にそう言われてペニスを強く握られてしまい、それで直也は抵抗する意思を奪われた。
何かが当たって痛い思いをする場所を潰すと言われてしまったら、怖くて動けないのだ。
それをいいことに達郎は腰を強く振っている。
「はぁっ、あっ、なに……あ、はあぁ……あぁ――っ」
「んっ……目が覚めたら、いい感じに締まってきたっ」
「はぁ、ああ、んっ……あっ、んんんうぅっ……!」
「ちょっとクスリを使っているから、痛みはないだろう……気持ち良くなれるクスリだから大丈夫。ああ、出る出るっもう沢山出しているからいいよね中出しっ」
「あぁっ、やぁ、あ……っ!んんっ……んう――……っ」
強く腰を振られてあっという間にアナルの中で達郎が精液を吐き出した。
その熱さに驚きながらも、想像よりもずっと気持ちがいいことに直也は嬌声を上げていた。
「あぁっ、ああ……っうあ、ぁ……あっあああぁ!」
熱い物を受け取り、そして一旦達郎のペニスが中から出ていくのを感じて、初めて達郎のペニスがどこに入っていたのかを直也は知った。
「ひぃうっうっ、く……ぅああぁ……っ」
信じられないことをされていると気付いたけれど、身動きは取れなかった。
「ああ、お前はまだイッてないんだなっよし舐めてやろう」
達郎はそう言うと、勃起している直也のペニスを口に咥えて扱き始めたのだ。
「はうっ……!ああぁっ、んっ、く……あうぅ……っ」
誰かにペニスを咥えられたことなどない直也はその舌触りに腰を浮かせた。
「あっ、あっ、ふ……んんっ、んあっぁあんっ!」
オナニーはしたことはある。友達に言われて興味を持って調べてやってみたけれど、エッチなコトにあまり興味がなかったのでそこまでしていなかった。
それが今日は人の舌と口だ。刺激は脳天を突き抜けるほどの快楽になって直也を襲ってきた。
「うぁっ、あ……! ああ……っ、あっ、あうっ……ひ、いっ……、っは……ああっ」
ジュルジュルと音を立てて吸い上げられ、堪らなくてとうとう射精をしてしまった。
「ああっ、あっ、あっ……く、ふう、ううぅん……っ」
達郎は直也が出した精液を口で飲み、満足したように笑っている。
「直哉の精液、美味しいな。また勃起してしまったよ」
達郎はそう言い、また直也を押し倒してアナルにペニスを突き挿れてきた。
「いやっああ……っ、だめ、それ……っはあっ……だめ……あぁ、あんっ……っ」
「大丈夫入る入る、二時間もしっかり拡張したんだから」
「ああぁ……っ、んあっ、はぁ、はぁうっ……はふぅ……っ、う……」
達郎の言う通り、大きな達郎のペニスは直也の中にすっぽりと収まってしまった。
「んんうぅう……っ、はぁ……あっ、あぁん……っう、あっ……あ、い……っ、ああっ!」
嬌声を上げると達郎は直也の腰を掴んで強く振り始めた。
「んああぁっ、やっ、だめ……ああっ……! くふ……うっ、あ、あうぅ……はあっ、ああ……っ、……っ」
ガンガンと奥を攻められて、直也は嫌がって見せたがそれでも体がその行為を喜んでいることに戸惑った。
クスリを使われているせいで、中を擦られるだけで気持ち良くなれてしまうのだ。
その心と体の矛盾に納得できないまま、どんどん体を高められてしまった。
「んふうっ……うううう……っあう……っく、ふ……あっ……っ、ああぅ……んっ……っ、う……っく、あ……っ」
「ああ、ああ、直也、いいぞっめちゃくちゃ気持ちがいいぞっ」
「ああ……は、あぁ……っんっ、んっ、は……あ……っ、はぁっ、んん……っ、あ」
達郎は何度も勃起しては射精を繰り返し、直也の中に精液を吐き出した。
「あぁっ……あっ、あっ、あ……あっ、あああ……っはう、ううぅ……ふぅ……っ!」
直也は絶頂はしなかったが、それでもペニスを握られて無理矢理射精をさせられた。
その日から直也の地獄は始まったと言って過言ではなかった。
春休み中、直也は達郎によって陵辱され続けたのだった。
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