彼方より
013
結局三人です
レギオンが俺の家に住むというので俺は商業者組合に行って、家に三人目が住んでもいいのかという確認をしにいった。
「はあ、三人目ですか……でも寝室は一つで……」
「そうなんですけど、三人一緒に寝られるだろうって言って……」
「まあ、あの大きな寝具でしたら、確かに寝られますが……」
俺の無茶に俺の担当者が凄く顔を赤くしているけれど、俺は今更な気がして気にせずに一緒に寝るような輩どもだで通した。
「構いませんよ。家族で借りられる方もいらっしゃったので、住むことに文句がない場合はお好きにどうぞとしか……ですが四人目となりますとたぶん住めないと思いますので、そうなると新たな家に引っ越して貰わなければなりませんし、今は高価な家しか残ってませんので、これ以上増やさないよう気を付けてくださいね?」
そんな風に言われた。
まるで犬猫を拾ってきたかのように言われてしまった。
「はい、気を付けます。家賃の方はそのままでいいですか?」
「構いませんよ」
ということで家賃は据え置きになった。
なので三で割ることにした。
レギオンからは家賃の分で金貨七枚払って貰うことにして、イヴァンには金貨四枚を返すことにした。
商業者組合にはレギオンも付いてきていた。
受付から出るとレギオンが俺の側にやってきた。
「どうだった?」
「大丈夫だって、家賃もそのままでいいって」
で、レギオンは俺に家賃六枚分を払ってくれた。
「うん、確かに貰った」
「じゃあ俺の荷物を取りに宿にいくぞ」
「はいはい」
一人で行動することをレギオンはよしとしてくれないので俺が今日はレギオンの用事に付き合うことになった。
レギオンは安宿に泊まっていたけれど、そこを引き払うことになった。
荷物は大きな背負い鞄一つであるけど、俺はそれを受け取って収納に入れてやった。
「収納ってのは本当に便利だな」
「この技能って後から覚えられないんだろうかね?」
俺は技能が後から解放されているのでもしかしたら今は持っていなくても後で解放されることもあるのではないかと思っている。
「時々そういう後から剣士になったり、魔法使いになったりするヤツはいるが、そうか後から何か条件を達成して技能が解放されることもあるわけか」
レギオンがそう言うので俺は技能は後から解放されるばかりであると話してやった。
こちらの世界にきた時は技能なしだったけれど、条件を満たして解放されたと言うと、レギオンはそれに興味を示した。
「だが何をすれば解放されるのか分からないな」
「それよ、本当人によって解放条件が違うのかもしれないし」
そう俺が言うとレギオンが俺をスッと抱き上げて走り始めた。
お姫様抱っこってやつだ。
これは男の俺がやられてると恥ずかしいやつなんだけど、俺が小さいせいで子供でも抱えているかのようなものになってしまっている。
「……恥ずかしいんだけどさ」
俺がそう言うと周りの人が俺たちを見て笑っている。
ほらみろと思っていたが、レギオンは面白がって俺を噴水のある広場まで運んで行ってしまった。
するとレギオンがふと立ち止まった。
「どうした?」
レギオンは何か見えないものを見るかのように空を見つめ、そして周りをキョロキョロとしている。
俺はゆっくりと地面に降ろして貰って、レギオンの様子を見た。
「なんだ、これ?」
レギオンが不思議そうにしているので俺は尋ねた。
「どうしたんだ? おい大丈夫か?」
そう俺がレギオンに聞くとレギオンは言った。
「不思議な声が聞こえた。収納を解放するって……これまさか」
「ああ、それか。それが技能解放のと時とかに聞こえる、ナビ……えっと案内者の声だよ? それって自分にははっきり聞こえるけど、他の人には聞こえないんだよね」
俺がそう言うと、レギオンは驚いている。
「そうなのか?」
「うん、俺は技能の階級が上がる時も時々聞こえるけどね」
「……そうか、え、収納が解放ってことは」
レギオンがそう言うので俺は俺の収納からレギオンの荷物を取り出した。
「入るか試してみる?」
そう言って安全のために長椅子に座った。
「どうやれば……」
レギオンがやり方が分からないと言うので俺は自分のイメージを伝えた。
「こう荷物を違う空間に入れる想像っていうのかな。見えない箱にしまうとか、そういうのを想像してみて」
俺は自分がやった方法でレギオンに教えてみたら、レギオンの荷物はちゃんと収納に入ったようだった。
手元から荷物が消えたことにレギオンは驚いている。
なるほど、人のを見ると目の前から物が消えるってのは思った以上に驚くものなんだなと俺は思った。
「取り出す時は取り出すことを想像する」
「よし」
レギオンはすぐに想像をできたのか、荷物は手元にまた戻ってきた。
「大きさはどう?」
「そうだなこの荷物がちょうど入る感じだな。小さいけれど俺にとってはこれでも十分意味がある」
「そうか。たぶん使って行くと段々容量が増えることもあるらしい」
「お前は……倉庫一個余裕なんだよな?」
「まあ、俺のは元々の技能だったみたいだから、後から解放よりも違うのかもしれない」
俺は城から追放される報酬として貰ったので、今のレギオンみたいな条件とはちょっと違うのかもしれない。
「まあいいや。収納が後からでも解放されるのが分かっただけでもいいことだ。だが何が切っ掛けかは本当に人それぞれなんだな」
まさか俺を抱えて五メートル歩くくらいで収納の技能が解放される条件とかマジで何よその条件ってところ。
レギオン曰く。
「聖女を抱えて五メートル歩いたから条件が解放されたからな」
そうナビゲーションに言われたらしい。
そんな条件、俺が異世界にくることからまず始めないといけない条件だろ!?
無理ゲーだろそれは! って俺は思ったね。
でも神様は俺がこの世界にくることは最初から分かっていたなら、まあ神様だし、その条件を仕込んでおくことはできるわけか。
それには俺の淫乱と色情狂とかも解放された状態でないと、レギオンが俺を抱えて歩くなんてことにはならなかったんだから、良かったのやら悪かったのやらだな。
レギオンが居着いてから四日後にイヴァンがノタの街から戻ってきた。
ちゃんと魔物の肉を持って返ってきたのは偉かったんだけど、家の中に入ってきてレギオンが部屋にいたのでもの凄く落胆しているのを見てしまった。
「ようイヴァン、お前、抜け駆けはダメだぞ」
レギオンがそう言うとイヴァンは自分でも抜け駆けをしたことは分かっているからか反論はしなかった。
「悪かった。でも見つけたのは俺だ」
「それはよくやった。俺も頂いたけど、めちゃくちゃ良いな」
ニコリとしてレギオンがそう言うものだからイヴァンが俺の方を鋭い視線で見てきた。
襲われたんだからもうどうしようもないし、お前も同様のことしただろうが!!
「俺が悪いんじゃないだろう?」
俺がそう言って開き直っているとイヴァンも俺が嫌がっていた訳ではないことを知って少し落ち込んでいる。
あのな、淫乱を解放されたんだから、お前以外でも俺が気持ち良くなってしまうことくらい予想できていただろうに……。
俺は呆れてしまい、溜め息を吐いてしまった。
イヴァンはどうも後先を考えないで行動する性格らしい。
俺も大概流されてしまう性格だけれど、イヴァンの強引さも問題だな。
レギオンは強引そうなんだけど、もちろん行為は強引なんだけど、それ以外の生活については一番まともだった。
例えば、家の中の掃除とかそういうことはレギオンはお手の物だったのだ。
なんでもイヴァンと暮らしていた時はレギオンが家事を担当するほどだったらしい。
なので簡単な料理は作れたし、俺が作っているスープもレギオンが教えてくれたものだ。
掃除も隅々までする人だったし、俺はというと掃除とかやってこなかったので(元の世界では母親が勝手にやってしまっていたので)もちろんできない。
まあ魔法を使えば楽にできるので俺は生活魔法をレギオンに習って使い始めたところだ。
イヴァンはそうした知識はあるので俺と暮らしていた一ヶ月は掃除もちゃんとやってくれていた。
そうしないと俺に追い出されるかもしれないと思ったんだそうだ。
「お前、本当にハルが気に入ってるんだな」
レギオンが笑ってそう言うのでイヴァンは何だか居心地が悪そうだ。
俺はというとそういう感情がまだ湧いてもいないので、それに関してはスルーすることにした。
正直言って俺が人を好きになるにはこの世界で完全に安定した生活を手に入れるか、それなりの生活基盤ができるかしないとどうにもならない気がしたのだ。
一目惚れはしたことないし、相手がどういう人か知らないまま好きになることは今までもしたことがない。初恋もしないままできて、気に入ったかなと思った相手がいても、本性や裏の顔を知って幻滅したりして、人と言うものを好きになるのは難しいなと思ってきたのだ。
中二病ではないけれど、人間が好きにはなれないとか思ってたけど、セックスには興味があって男と寝ていたほどだ。
女性とは寝たことないので童貞なんだけど、女性とじゃあとで揉めるのも怖かったし、遊びで付き合ってくれるような人には出会わなかったんだよね。
で、俺が受ける側だったら男の人は簡単に付き合ってくれたから、セフレは結構いた。
最後に会っていたセフレの人は会社社長だけど若いIT系の人だったな。
イケメンで女性を沢山食っていると噂されていたけど、男も経験したいからと俺とはよく寝てくれて欲しいモノは何でも買ってくれたっけ。
そんな経験が余計に俺には愛だの恋だのいうような関係は難しいと感じるんだよね。
「でもさ、ハルは相手は誰でもいいみたいだぞ、イヴァン。この俺でもな」
「それはそうかもしれないが……だからってそれを見過ごすわけにはいかない。いくら淫乱が奔放な性格だからって、それを放っておいたらいつか刺されて死ぬだけだ」
イヴァンがそう言うので俺は確かになあと思った。
俺が誰かを愛さなくても、うっかり相手した人が俺を好きになったらきっと感情のもつれから刺されることになるかもしれない。
俺が異世界で死ぬ原因が痴情のもつれとか、正に淫乱の称号に相応しい死に方じゃないか!?
マズイ本当にマズイ。
「あのさ、俺はお前たち以外を相手する気はないぞ?」
俺がそう言い切ると、イヴァンは喜び、レギオンは驚いている。
淫乱称号持ちが相手を縛ることは珍しいのだろうが、俺は痴情のもつれで死ぬよりはお前達を相手して他の入る余地をなくす方が長生きできると思うぞ。
「ハル……っ」
イヴァンが俺に抱きついてきて、発情している。
大きなペニスが布漉しにガチガチになりかけているのが分かった。
俺はそれを触ってちょっと気分がノってきてしまった。
イヴァンとは五日ぶりのことだったし、それまでレギオンとは毎日一回はしていたんだけど、イヴァンのものも欲しくなってしまったんだ。
一ヶ月もイヴァンと暮らしていたし、肌も重ねていたし、こうなるとイヴァンが止まらないことも知っていたのもある。
俺としてはここは落ち着いてもらうためにもイヴァンと一回戦はした方がいいと判断してしまった。
レギオンはそんなイヴァンと俺を見て、呆れたような顔をしていたけれど、寝室に向かっても追いかけては来なかった。
「ハル、ハル……っ」
イヴァンは寝室に入るとすぐに俺をベッドに押しつけてきて寝転がったら下着ごと舌を脱がされてしまった。
「……あ、まって……」
俺はそう言いながらイヴァンのはち切れんばかりのペニスを手で掴んでいた。
レギオンとは違った人の形をしたペニスは久しぶりだったから、俺はそれまでやってこなかったフェラチオをしていた。
凄く大きいから舌で先を舐めて、亀頭を口に何度も含みながら手でペニスを撫でてやった。
「うっ……あっハルっ」
イヴァンは凄く気持ちよさそうにしているから、俺も気分が上がった。
先走りが既に出ている精液も舐め取って、イヴァンのペニスをしっかりと下から舐めてあげて先を舌で抉るようにしては手でペニスを扱いた。
「はっ……あ……いいっハル……ああ」
イヴァンが呻いていて俺はそれが可愛く思えて夢中でイヴァンのペニスを舐めた。
それから口を大きく開いてペニスを咥えて飲み込んでいく。
そうしたら喉までペニスが届くし、もっと飲み込んだら喉を越えそうなくらい長さがあることに気付いた。
そして喉に当たる亀頭が何だか気持ちが良くて俺は喉まで咥え込んでイヴァンのペニスを口で扱いてやった。
そうしているとイヴァンは呻きながらも俺のアナルに指を挿れて、中を抉り始めた。
気持ちがいい……たまらない。
舐めながらアナルを弄られるとか、本当に初めてのことで俺はそれにすら快楽があることを知った。
俺のペニスもイヴァンが咥えて扱いてくれたし、俺も気持ち良くなって夢中でイヴァンのペニスを咥え続けた。
「ああ……出るっ」
とうとうイヴァンの方が根負けして、俺の喉の奥に腰を振ってペニスを突っ込んできて精液を吐き出してきたのだ。
「……っ!!」
俺は始めてフェラチオで精液を口の中に中出しされてしまった。
それは喉を越えて飲み込んだけれど、量が多かったので口まで戻ってきてしまった。
その時、この世界の鬼人の精液の味を知った。
ヤバイ、これ美味しい。
生臭いのかと思ってたけど、全然そんなんじゃない。
道理で精液の匂いがあんまりしないなと思っていたけれど、どうやら俺の精液も特別らしいが、鬼人の精液も匂いもしないし、味はちょっと甘い感じで俺はそれを必死に飲み込んでいた。
「んっ……は……美味しいっ……」
俺は精液を全部飲み込んでからそう思ったので声に出したら、イヴァンも俺の精液を飲んでいた。
「ハルの精液も美味しい……蜂蜜みたいに甘い」
そう言われてイヴァンにキスされてしまったんだけど、確かに俺の精液の味は蜂蜜みたいに甘かったのだ。
マジか俺の精液、蜂蜜なんか……。
俺はちょっと衝撃だったけど、イヴァンとキスをしている間にもうどうでもいいやという気分になって、お互いの精液を舐め合って唾液も飲み込んでキスに溺れた。
もちろんこれで済むわけもない。
イヴァンのペニスはもう復活してガチガチだったからね!
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