彼方より 012

押しかけ同棲

 レギオンに無理矢理犯されてしまった俺なんだけど、結局レギオンとは朝までセックスに興じてしまったんだ。
 好きものだと言われたらその通りなんだけどさ。
 気持ちがいいのは嫌いじゃないし、イヴァンと一緒に住んではいるけれど恋人同士でもないしさ。誰かに操を捧げている訳でもない。
 どうせなら楽しんだ方がいいんじゃないかと最後の方は思って、イヴァンの時みたいに最後は自分でも楽しんでしまったわけ。
 淫乱と色情狂が称号でついてしまったからか、体の負担は一切なかったし、俺は俺で絶倫になってるしで、パワーアップした状態で迎え撃ったけど、それでもレギオンの絶倫の方が上って感じで俺が先に気を失うは目になった。
 起きたらさすがに部屋が汚れていたからレギオンも申し訳ないと思ったのか、俺は綺麗に風呂に入れて貰えていたし、寝室のベッドで寝ていた。
 やっと起き出して居間に行くと汚れ放題だったラグは外で干されていたし、長椅子には魔法で清掃されていた。
 洗えないものは生活魔法の一つで清掃ができるんだよね。浄化みたいなもので、何回かかけないといけないから洗濯物に使うのに魔力が大きくないといけないので、普通はちょっとした汚れを落とすくらいしか魔力はないんだけど、時々魔力が大きい人が家具などの清掃をする仕事を生業にしているほどに需要はあるような魔法。
 イヴァンも似たような魔法を持っていたし、レギオンも同じような魔法を持っていたみたいだね。
 俺はまだ魔力が足りないのでそこまでできないけれど、生活魔法でちょっとした汚れなら浄化できるようにはなってる。
 まあそれもこれも全部、聖女のレベルが上がることで生活魔法のレベルも上がってるだけなんだけどもよ!
 滅茶苦茶悲しいけれど俺は結局、セックスして中出しして貰わないと、魔力のレベルが上がらないみたいなんだよね。
 昨日の行為のお陰で俺の魔力が上がったんだよね。


【名前】ハル
【技能】鑑定 収納 生活魔法 隠蔽 言語理解
【称号】聖女12 淫乱20 色情狂10

【魔力】800


 おいこら、昨日解放されたばかりの色情狂のレベルが既に聖女に追いつきそうなのは何なんだよ。あと一回したらきっと聖女のレベルを超えるだろうが!!
 そんなこんなで俺が腹が空いてスープを作っているとレギオンが家に戻ってきた。
「起きたのか」
 ニコッと笑い、俺に近付いてきたいきなり手で腰を掴んでくる変態レギオン。
「お前なあ……危ないだろ」
 火を使っていたので暴れることができないから俺は身じろぎながらそう言うと、レギオンはお構いなしに俺を抱き締めてくるわけ。
 こいつ一回寝たら恋人気取りってやつですか?
「体は大丈夫そうだな。意外に丈夫でよかったよ」
「丈夫だからってあんな無茶されたら俺でも普通に壊れるので」
 俺がそう言うとレギオンは悪かったと謝った。
「イヴァンもそうだけれど、俺も聖女にはちょっと由来があってな」
 昨日そういう話をしないまま襲われたので、俺は大人しくその理由を聞くことにした。
「俺の狼人族にも言い伝えがあってな。聖女と寝ると人一倍強く成長するって言われている。それに聖女を前にしたら俺らは逆らえないらしい。まあ、初見で気付けるのは階級の高い聖女くらいだけど、お前の聖女レベル、イヴァンに淫乱を発動させられて初期化されてるからなかなか気付かない感じになってたし、イヴァンが隠蔽をかけていたから、聖女とはなかなか見抜けなかった」
 そう言われてしまい、俺は隠蔽は俺の情報だけではなく、聖女として魔力とかも隠蔽していたようだ。
 まあ、レギオンとかみたいに俺を聖女だと分かったとたん、発情しまくってくれたら俺は狼人族や鬼人族を全員相手にしなきゃいけなくなってしまうからな。
「それじゃ俺のことを聖女だと見抜けるやつは全員が盛ってくるってわけか?」
 俺がうんざりしてレギオンに言うと、レギオンは首を横に振った。
「いや、俺もそうだが、イヴァンも、聖女と結びつきが強いんだ。俺の実家もイヴァンの実家もいわゆる聖職の家で、聖女とは結びつきが強い。だから俺もイヴァンも聖女を見つけたら自分の物にしろって教わるから、どうしても性行為をするなら聖女とがいいと思い込んでいたからな。暴走してしまう」
 レギオンもさすがに自分が強姦紛いのことをするとは思わなかったらしい。
 その説明をしている時にちょっと落ち込んでいるんだよな。
 耳が垂れているんだよ。可愛いな。
 厳つい体をしていて、顔もイケメンで彫刻のように整っているくせに、それが俺の機嫌を伺うように悄気ているのを見たら、ちょっと俺も絆される。
 けれどレギオンは開き直ってきた。
「イヴァンとは一緒に暮らしているなら、俺もここに住む」
 レギオンの台詞に俺は呆気に取られた。
「何、考えてんだよ……おまえ」
 本当に何を考えているんだ、こいつらは。
 俺の気持ちは全部放置して、自分のしたいことをしてくる。
「イヴァンは今はいなんだろ? お前さ、最近一人で出歩いているらしいけど、街のごろつきに狙われているの知らないのか?」
 急にレギオンに真面目にそう言われて俺はキョトンとしてしまった。
「え、何それ?」
 誰かに狙われているような気配はなかったし、一人で出歩くと言っても冒険者組合と依頼人の商店に行くくらいだ。変な場所を指定されるような依頼は受けていない。
 指定依頼を知っている人からしか受けなかったし、人気のない場所には一人でいかないように気を付けている。
 イヴァンはそう言って念を押して注意するようにと言っていたから、普通に当たり前のことだなと聞いて頷いていたんだけど、そういうことではなかったらしい。
「お前はさ、金を持っているし、小さいし、力弱そうだし、魔法も使えそうにないからいいカモなんだよ。すぐに襲われないのはイヴァンがいたからってのもあるけど、街の人が気にして声を掛けていたからっていうのもある」
 どうやら俺は他人の親切の上で安全に暮らせていたらしい。
 例えば串肉屋のおじさんとか、露店の人とかは怪しい人を見かけたら俺に声を掛けて引き留めていたらしい。
 衛兵の人にもよく呼び止められて話しかけられていたけど、それも気にしてくれていたからだというから俺はちょっと顔が青くなってしまった。
「……俺、危ないのか……そんなに」
「弱そうなヤツが儲けていたらそりゃ脅して取ろうと考えるヤツも出るよ。でもお前は収納や貯金に金を回して手持ちがないから、強引に強奪にはならなかったんだろうけどな」
 そう言われて収納の亜空間にある限り、俺を脅してもあんまり意味はない。
 俺が死ねば亜空間の物は消えるらしいのだ。
 これは収納がどういう役割を持っているのかを調べたら、亜空間にある物を持ったまま収納持ちが死ぬと亜空間にある物はそのまま消失することが分かっている。
 ただ収納持ちが死ぬ時に亜空間から物が出るように設定していたらその限りではないらしい。自分の荷持ちは消えてもいいけど、家族に残したいものが消えたら困るからそういう設定にしている場合もある。
 俺はまだレベルが足りないのでそういう分けることはまだできない。なので俺を脅して傷つけても俺が拒否すればお金は奪えないし、ごろつきは俺を殺せば殺人で縛り首になるだけでどっちにも得はない状態だ。
 だから強引に誘拐をされたりもしていないらしい。
 でも俺がどんどん仕事をしてお金を楽に稼いでいるのを見ると、どうしても家に押し入ってと考えるヤツが現れ始めているらしい。
 中には俺に暗示を掛けて金を引き出させるなんてことを考えているやつもいるとかで俺は本当に危ない環境にいるらしい。
「……そんな……どうしよう」
 俺は自分を守るための剣術も体術も魔法すらも持っていないんだから、そんな暴漢達に立ち向かうことはできない。
 そう俺が呟くとレギオンが言った。
「だから俺が一緒に住んでやるって言ってるんだ。イヴァンのやつは家賃払って居座ってるんだから、俺も家賃を払えばいてもいいだろう?」
 そう言われて俺はレギオンを追い出すことができなかった。
 怖いじゃん盗賊とか。
 レギオンは確かに俺を襲ってセックスに持ち込んだやつだけど、聖女の称号のせいで暴走しただけで、本人にもどうしようもなかったっていうから俺もそれは仕方ないと思っている。
 俺も何だかんだで気持ち良くなっていたしな。それはおあいこってことで罪には問わないことにした。
 レギオンがここに住むということはイヴァンにも相談しなければならないことだから、俺は一時的にレギオンにいて貰うことで納得することにした。
「イヴァンが戻ってくるまでは……いて欲しい」
 俺がそう言うとレギオンの耳がピクピク動いている。
「まあ気にしないでもイヴァンは俺が住むことには賛成すると思うぞ」
 どういう理屈があってそう思うのかは分からないけれど、イヴァンと長年一緒に行動しているレギオンがそう言うのならば、イヴァンは本当に断らないのかもしれない。
「いや寝室は一つしかないんだけど」
 俺がそう言うとレギオンはそれが何か問題でもというように笑っていった。
「三人で一緒に寝ればいいだろう? あの大きなベッドなら大丈夫じゃん」
 と当たり前のように言われて俺はふうっと溜め息を吐いてしまった。
 たぶん、この家は三人で住むようにはできていないと思うんだよな。
 それに三人住んでもいいのか、契約上大丈夫なのか確認を商業者組合に確認をしにいかなければならなくなった。


 その日もレギオンは収まらない性欲を俺にぶつけてきたけど、俺はそれをちゃんと受け止めるしかなかった。
 レギオンを止めると約束したのは暴漢達に襲われないためだけれど、レギオンの盛っている息遣いを聞いていたら俺も何かその気になってしまったんだ。
「んぁ……っ、ぁん、やら、ぁ……っ、ああ、ああぁ、ひぁん、あぁ、ああぁ、ああ……っ、んあ、やぁ……っ」
レギオンは俺の体中を舌で舐めてきて、俺はそれに感じて身を捩らせた。
 レギオンの舌、ちょっとザラザラしてて長いんだよね。その舌が俺の乳首なんか丁寧に舐めてくるんだ。
 気持ちがいいに決まってるよこんなの。
「ひ……ぃ、ん……っあ、ぁぅあぁん、……っぁん、やぁ……っ、ああ……んああ……っ、ああ、あ、ぁ、あっ」
「ハルの何処もかも美味しいな……お前、甘いよ」
 まるで飴でも舐めるかのように乳首を舐めてきて、舌で転がしてくる。
 乳首が性感帯になってからは俺は乳首を舐められると、もう完全に降伏してしまうんだよね。
 気持ちがいいって抵抗する意味がないなあってなる。
「んひゃ、ひあぁあ……っぁふっ、ゃ、ぁ……っあ、あぁ」
俺が抵抗しなくなるとフッとレギオンが笑っているのが分かる。
 俺も甘いよな……こんなヤツを許してしまうなんてな。
 でも俺は異世界から来たことを知っても尚、俺のことをこうやって大事にしようとしてくれている相手を邪険にはできなかった。
 もしレギオンやイヴァンに他にも目的があったとしてもだ。
守って貰えていることは事実だからだ。
 レギオンが一日側にいてくれただけで、怪しい人やよく見かけてきた俺のことを眺めていた人はいなくなってしまった。
 あれはきっと俺を狙っていたごろつきか暴漢達だったんだろうなと夕刻に買い物で気付いてしまったんだ。
「あぁ……っああっ……はぁっ……もぉ、らめっあああ……あぁ、はあぁっ……ああっ、だめっん……」
俺のアナルにレギオンの指が入って中をどんどん抉ってくるから俺のアナルは濡れて凄いことになってる。
「よさそうだな。お前、本当にやるごとに淫らになっていくな」
 レギオンにそう言われて俺はちょっと顔が熱くなるのを感じた。
 そりゃ淫乱とか色情狂とか称号付いているしね!!
「あぅあ、あぁ、んあ、や、ああ……っ、ん、はぁ……ああっ」
濡れたアナルにレギオンのペニスが挿入ってきて俺はそれによって体を捩った。
「あっ! ぁひっ、ひんっ! ゃ、やぁっ、っあっ、あっ、い、ゃ……っ、ああ……ああんっああっ」
挿入ってくるペニスは狼のペニスの形をしているから、その感覚を俺は思い出す。
 太くて亀頭が人みたいにないから、スッポリと挿入ってきて奥までズイズイと進んでくる。そして結腸まで抉じ開けて挿入ってきた。
「あはぁ……っ、あぅ、んあ……ふああん……はぁっ……はぁ、あん……あぁ、やぁ……っ、あぁんっ……」
「俺の形、ちゃんと覚えているな……っ、うねって凄いな。熱くて気持ちがいい……こんなの手放せるわけねえだろ……」
「あぁはんっ! あっ……あん……っあんっああ……っぁ、ひぁ、はぁ……あぁん……ああん……んっ……」
 レギオンが腰を動かし始めて俺はそれによって快楽を得た。
「あっ……! ぁ、……らめ、あんっああん……っあっ! あっ、ああんっな、はあんっは……っ、はぁ……っ、あん、ああぁ、んあぁ」
気持ち良すぎてどうにかなりそうだけど、そんな俺の手をレギオンが押さえてくれる。
 こんなことで俺は安堵して、体の力を抜いたんだ。
 誰かとこういう関係でも繋がっていることに俺が安堵しているんだ。
 レギオンは俺が意外に寂しがり屋なのを見透かしているんだと思う。
 そりゃ異世界にやってきて、勇者召喚の仲間ですらなく、笑われて放り出されたなんて寂しいに決まっているじゃん。
 俺は誰かに縋って生きるなんて冗談じゃないとか、かっこ悪いとか思ったけど、それは別に悪いことでもないんだよね。
 できることはできる、できないことはできないで頼る人がいてもいいんだろうなって。
「あ! ああん、……あっ、あぁん……っああっ! あふんあぅ……! んああんっああっ……んぁ、ぁふっ……ん、やらっ……! ぁ、や、やめ、あんっ!」
「ハル……中が締まっていいぞっそのまま感じてろ」
「んっあぁあーっ、おちんぽっだめっ……あ゛ひっ、んっあ゛っあんっあんっあんっ」
早いリズムで腰を振られて俺はレギオンに振り回される。
 レギオンは散々俺の中を蹂躙していて結腸の中で精液を中出ししてくるのだ。
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、精液きたっああっあついっあああっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
 レギオンの長い精液の中出しは俺を絶頂へと導いた。
 気持ちがいいんだよな。
 前の世界では中出しなんて腹を壊してしまうことが多かったから、いやだったんだけど、こっちの世界に来てからは中出しをして貰わないと満足できない体になってしまった。
 そうして満足していると、ナビゲーションが告げてきた。
『色情狂の階級が上がりました……』

 【称号】聖女 10 淫乱 12 色情狂 10

 そっちばっかりあがるんかーい!
 今回でとうとう聖女のレベルと色情狂のレベルが同じになってしまった。
 セックスすれば上がるけれど、聖女は上がりにくい上に、淫乱の色情狂はポンポン上がるんだな!?
 そこは上がって欲しくないんだけど!
 ちなみにカンストは何処までか分からないらしいけど!
 10程度だと一般的な状態らしいけど、淫乱とか色情狂とかは普通は付かない称号なのでこれでも人から見れば異常らしいし、言わない方がいい称号だっていうのは本で読んだから知ってる。
 だから隠蔽の魔法をかけて一生隠して生きていくしかないんだよね!!


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