Distance 松本くんと吉田くん

合唱(合掌)

「あの! 松本くんですよね?」
び、びっくりした。吉田がこっち向いて話しかけてきた。

「あ、そうだけど? 何俺のこと知ってる人?」
吉田は俺のこと知ってるのかと思ってびっくりしたけど。

「いえ、クラス発表のところで見たので、隣ならそうかなと思って」
あーなるほど。俺と同じ発想なわけか。

吉田はそういって、ちょっと恥ずかしそうにしてもじもじしてる。
なんだ、この乙女な感じ。しかも妙に似合ってるのはなぜだ?

俺の目がおかしいのか!?
く、くそ。なんかこれが可愛いとか思ってる俺は実は変態だったのか!?

俺、変態だったなんて気付きたくなかったよ!!

「そ、それで、せっかく隣同士になったんだし、お、俺と仲良くしてくれると嬉しいななんて……思って」

うおーーーーー吉田!!
なんだ、その純粋モード100%とか!

俺を罠にはめる気だな!!
悪魔だ、これは悪魔の誘いだ!!

や、やめてくれ、その「俺。本当に友達になりたいんです!」ってキラキラした目。俺くらくらしてきた。もうどうしよう。

「お、おう……」
う、しまった。声がもれた。

恐る恐る吉田を見ると……。


うおーーーーーま、眩しい。
無茶苦茶可愛い顔して微笑むなー!!

純粋笑顔100%とか! 満面の笑みってやつを俺に見せ付けるな!


「よかった。松本くんとはいい仲になれるね」
そうして吉田が手を差し出してきたので、ふらりと俺はその手を握って握手をした。


ちーん。そうして俺は吉田と友達になった。

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