lnvolve
04
ホストクラブにおいて男性が客に来ることはある。
ただほとんどがきちんと事前に問い合わせがあり、許可を取ってくることが多いという。
そして飛び込みの冷やかしは他の客への迷惑になるためほとんど受け入れられない。
またホストクラブにおいては男性の入室を禁止していることもある。
しかし玻琉が務めていた、ホストクラブ遊びにおいて、男性客の出入りは禁止されていなかった。
結局客の押しの強さと、店長の格が違ったせいで押し切られてしまった形になったが、その面倒を玻琉に見させようとして押しつけられてしまったことは玻琉も恨むところがある。
「えっと、何か話しますか?」
話題が合うとは思えずそう男に言うと、男は酒を口にしてからフルーツを玻琉に向けて差し出してくるのだ。
「……えっと、食べろってことか?」
くいっとフルーツを差し出されて玻琉は仕方なくそれを口にした。
食べたのは桃だったので美味しかった。
「うん、美味しい……」
十万円になるフルーツである。もちろん、店に並んでいたら一個だけで二千円くらいはする桃である。美味しくないわけがない。
ちょっと小腹が空いていたのもあって玻琉は差し出されるフルーツを次々に平らげていく。
ブドウなんか一個一個皮まで剥いて貰って、手で口に入れられるけど、気付いたら美味しさで相手の指も舐めていた。
それでも男は全然嫌がりもしないし、寧ろ積極的に手で渡してくるようになった。
傍にいた二人の男に挟まれた状態だったのだけど、玻琉はもう開き直った。
男もそれを見られることを気にしていないらしくて、玻琉はもう人の目を気にしなかった。
そうしてフルーツをほとんど食べてしまったところで閉店の時間が迫ってきた。
「そろそろ閉店の時間です」
そう言いながら新人ホストがラストオーダーに回ってくるけど、玻琉の接待している男のところには店長が回ってきた。
「結局、何も話さないまま、俺がフルーツ食べてただけだけど、これで楽しかったの?」
玻琉がそう男に聞くと、男は頷いた。
「面白かったぞ、餌付けするってこういうことかと思ったほどだ」
「変な趣味に目覚めてそう」
玻琉がそう言って笑ったら、男が言った。
「この後、会えないか」
その意味するところは他のホストがやっている枕営業を意味する。
とてもいい男だったし、少し玻琉は興味が湧いていた。
どういうつもりでこの人がここに来たのかは知らないけれど、それでも玻琉を見て気に入ってくれたのは事実だ。
恐らく通ってくれるような太客にはならない相手だと分かっていたから、玻琉は少し迷ってから、頷いた。
「いいよ。普段はしないんだけど、面白かったし今日は特別」
玻琉がそう返事をしたら、男が玻琉の手をしっかりと握った。
その熱の入った手が何だか凄く温かくて、玻琉は警戒心を解いてしまっていたのかもしれない。
この時の返事をこの先少しだけ後悔することになる。
店が終わって玻琉は荷物を持つとすぐに表通りに出た。
男は既に車に乗って待っていて、店の近くの道路で待っていた。
「何処まで行くの?」
車は大きな外国車、玻琉は種類を知らないがリムジンに似ていると思った。
運転席と後部座席は隔離され、後部座席は少し広くなっている。
恐らく、十人くらい乗れるような広さと座席があって中央にテーブルがある。
そこにはフルーツのブドウが載っている。
車に乗ったら車が走り出し、どうやら高速に乗るらしいということまでは分かったが、玻琉はその後、男から飲物を貰ってそれを飲んだ。
「これ、カルーアミルクだね……あんまりお酒は飲まないんだけど、これは美味しいよね」
玻琉は酒を飲むタイプではないのだけど、ホストで酒を飲まない話をするタイプなのでそれはそれで人気がある。
でも店的には話をするよりもずっと酒を飲んでくれる方が儲かるわけで、玻琉の人気は売り上げだけ見ればNo.4であるが、人気だけでいえばNo.1である。
客の方が気を使ってお酒を頼んでくれるくらいに玻琉は放っておけないと思う人がいる。
でも玻琉はそこまで弱いわけではないし、方針的に店と合ってないだけのことだ。
だから酒を飲むこと自体は久しぶりで、少し酔って戯けていたかもしれない。
カルーアを飲んで気付いたら、男とキスをしていた。
自然に酒を飲んだ後に、男がキスをしてきて口の中にまで舌を入れてきたのだ。
玻琉は驚いたけれど、ホストクラブでは女性客が暴走してキスをしてくることがあるので、その流れは慣れていた。
暴れても今は相手のテリトリーにいるし、相手はその気で玻琉を誘ってきていたわけだから、玻琉が抵抗する意味もなかった。
「確かに甘いな」
男はどうやら酒の味を確かめるために舐めてきただけのように言ってきて、玻琉はちょっと面白くなる。
こんなに自然にキスをしてくる男である。慣れているだろうし、こっちを手玉に取ることも平然とできる人だろう。
だから気負う必要はないし、玻琉は自然の流れに身を任せることにした。
最初からこの男に妙に惹かれている気がして、何だかされるがままになっている。
「確かめなくても甘いってば」
玻琉が笑ってそう言うと男は玻琉の腰を引き寄せてきた。
普段玻琉が女性にやっていることの一つで、こうやって密着すると安心するという女性の気持ちがよく分かった。
玻琉は結局、その男に身の上の話をする羽目になった。
男がどうしてホストをするに至ったのかと聞いてきたためである。
「実は俺、養子らしいんですよ。親が子供ができなくて、養護施設から赤ちゃんだった俺を引き取ったって。でもそれから二年くらいで自分たちの子供ができたらしくて、それで俺の事が邪魔になったみたい。家族では除け者で俺だけ虐待されてたんですよね」
しかし親は自分の子供でも邪魔になってきてしまい、とうとう弟は見かねた祖父母が引き取ったのだけど、養子の玻琉は引き取られることはなく、そのまま虐待の道具として残された。
「小学校の五年くらいの時かな、親が帰ってこなくて、お金も貰ってなかったから食べる物がなくて、それで困って警察に行ったんだよね。おまわりさんは優しかったな」
そこで虐待の事実が警察に知られ、両親は一週間の旅行に出かけていたところ、戻ってきた時には全ての証拠が押さえられていてその場で逮捕されたわけだ。
しかも故意にお金を渡さずに食べ物を与えなかったという最悪の犯行であることが分かり、そのまま起訴され、同情の余地がないということで懲役三年ほど刑務所に入ることになった。
もちろん養子縁組はすぐさま解消されてしまったのだけど、それでも玻琉は救われなかった。
「元の児童養護施設がまた輪に掛けた虐待をしていてさ。まあ、俺は中学生になっていたし、近所の武道家に古武術だって言われて色々習ってたから抵抗できたけど、あのままいたら俺があの人達を殺していたと思ったから、中学卒業と同時に逃げ出してついでに警察にも虐待の証拠を集めたものを届けておいたから、あのあと経営者が変わったらしいとは噂できいたかな」
よくある悲惨な身の上話ではあるし、底辺で生きている人にはまだまだ甘い話だ。
だから同情されたくてこの話をしているわけではない。ただ自分の中で整理するために話していると言って過言ではない。
そうすることで自分が落ち着くのだ。
男もそうした話をよく耳にしているのか、同情する感じではなかった。
「その後は、東京で何とか工場に潜り込めたけど、一年くらいで会社が倒産しちゃってさ。困ってふらついていたら今のホストクラブの経営者に顔がいいからってバイトに雇って貰えたわけ。まあ、ホストにしたかったみたいだけど、まだ十七歳だったし、二十歳まで待って貰って今ホストしてるって感じ。少しは稼げてきたから、先を考えないとなと思っているところ」
そうは言っても玻琉にはなりたいものがない。
今を生きることで精一杯でやってきたから、余裕ができた今、先の未来ってこう考えるのかと思ったほどだ。
普通に育っていたら、きっと高校生くらいでこういう悩みを抱えて、大学でそういうい未来を夢見て、そして社会に入っていくのだろう。
でも玻琉にはそれがなかった。
物心を付いた時から今を生き抜くことで精一杯だった。
だからなりたいのは普通に生きること。
でも普通が分からない。
「普通って何だろうな? とは言っても、あんたも普通じゃないだろうから答えはきっと分からないよね」
玻琉がそう言って笑ったら、男が凄く優しいキスをしてくれた。
何度も口づけ合って離れたと思ったらまた唇を合わせて何度も何度も甘いキスを繰り返す。
そうしているうちに、車が止まっていることに気付いた。
何処に付いたのか分からないが、何だかゆらりと動いている気がした。
玻琉は体が段々と熱くなってきて、男が触ってくる手の先から暖かいことを知る。
ここまで優しくされたことはなくて、人に触れることはあまり慣れてなくても、今はそれが心地よかった。
酔っているのもあるし、雰囲気もある。
ここまでお膳立てされれば、玻琉も覚悟を決めた。
「お願い……抱いてくれ」
願いを口に出したら、男がそれをしっかりとした視線で受け止めてくれた。
「分かった」
低い声が少し笑っているような気がしたけど、きっとその通りだ。
流される子供が絆されて男によって抱かれようとしているのだから、きっと馬鹿な子だと思っているだろう。
そう思いながらも玻琉は今はこの男の手を離す気がなかった。
男同士だなんて思えないほど、男は玻琉を大事に抱いた。
体中を慰めるように舐めて、そして触ってくれた。
そうしてアナルまでしっかりと解されて、舐められて、そしてローションまで使って貰って広げて貰い、男のペニスを受け挿れた。
「あああ、あ……っ!、あぁっぁっ……っ!」
大きな異物が挿入って来るけど、それが最初から心地よかった。
男がかなり時間を掛けて広げてくれたからか、中が熱くて擦られると気持ちが良かった。
「ああぁっ、ああっ、あぁあんっ! きもちぃっ……! きもちぃよぉ……っ!」
息苦しさは感じなかったし、男のペニスは奥を抉る様にしてくるけど、それでも玻琉は男を求めた。
「あああ……んっああんっ……っ、ぁ、はんっ! おちんぽでグリグリ、して……」
もっと欲しいと強請ると男はその通りにいしてくれて、玻琉は初めてペニスだけで絶頂をさせられた。
男は激しく腰を振り、玻琉をしっかりと抱いてくれ、玻琉の体に飽きることはなかった。
「きもちいい……っ! あ、あぁっ、あ、ああ、おちんぽもっとぉ……っ」
「もっと乱れていい。もっと欲しがれ……いくらでもくれてやる」
男がそう言ってくれるから玻琉は自らも腰を振った。
男のペニスが中で更に大きくなって擦り上げてくるから、玻琉は更に感じて体を震わせた。
「あぁっあぁっあっあっ、そこっああっ、おか、おかしくなるっ……!」
そして来る絶頂に玻琉は導かれてしまう。
「あっあっあっ! あああぁっ! ああっああああ!」
そうしてまた絶頂へと導かれて玻琉は精液を噴き出して絶頂する。
それでも男は腰を止めるのは一瞬で、また凶悪なペニスで奥を抉ってくる。
「あぁ……あふ……、あ、あぁ! ま、待って……ま、まだ、いった、ばっかり……あっあっあっ!」
抉られるだけでどうしても腰がビクビクと震え、男にいいようにされる。
でもそれがとても優しくてそれでいて強引で、相手が玻琉の体に夢中になっているのが見えた。
「あぁあああっ! あぁあっだめ、らめ、あっあっあっま、またっ……またいっちゃ……っ! あっあっぁあ……!」
玻琉は絶頂をしながら、更に潮まで吹いて達してしまうけれど、男は更に奥を抉る様にして結腸まで抉じ開けるようにしてペニスを挿れてきた。
「あぁああっああぁあ……っ! おっきいっおちんぽっ……奥まで……っ奥まで来てるっ……奥っ……あぁあっ! おちんぽ、きもち……っ、きもちぃ……っ──!」
「そうだ、よがれもっと心を解放しろ。私に全てを見せろ、玻琉」
男がそう玻琉の名を呼ぶと、更に結腸まで抉じ開けて亀頭を突っ込んできた。
「あぁんっあんあん! ひぁあぁあっ……すご、凄いぃいいっ! おま○こぐちゅぐちゅっ……ぁんっいい! いいよぉっ……もっとぉっあん!」
壮絶な圧迫感があるけれどそれが心地よく感じ、玻琉は少しドMなところがある自分を知る。
強く乱暴に求められることで自分がちゃんと求められていることを知るのは心地が良かった。
「んふ、ぁああんっ……あーっあっぁあんっ! もちぃい、あぁあっはぁん! おちんぽぉっ……あっ、あああっ、んあああ……っ」
外が暗いからか反射する窓に自分の顔が写っていることに玻琉は気付いた。
その顔は完全に蕩けており、自分でも見たことないほど淫らになっていた。
こういうことを知らないまま二十一歳になってしまったのだと思った。
「あああぁっ! あぁっ、んっ、あんっあんっ、あっあっ、ああぁっ……あああああっ」
口から嬌声しか漏れなくなった玻琉は、男にドンドン突き上げられて何度も絶頂へと導かれる。
その度に射精をしていたのに、そのうち精液は出なくなり、脳天を突き抜けるような快楽が襲ってきた。
それは体中を痙攣させるほどの快楽で長く続き、常時達しているような気にさせるものだった。
「んっんっんん……ふぁっ、はあっ、あっはぁっんあっあぁんっあひっあっらめ、んっああっ」
玻琉はその日のうちにドライオーガズムまで覚えてしまった。
それにより男は結腸の中に精液を中出ししてきた。
「あっいいっ……なかっひっあっあっあ゛あああっでてるっ中に……っあっあっあっあんっ!」
男の精液を受け止めて、玻琉はその熱さに絶頂へと追いやられる。
男に中出しされるなんてきっと屈辱なことかもしれないが、玻琉はこの男にならそうされてもいいと思えたほどだった。
「あっあっあっあっあきもちいいっひっあひっやっああぁっもっらめっ……ああっあああんっ!」
男は中出しをした後、またペニスをすぐに勃起させてしまうと、また玻琉の中を穿ち始める。
玻琉が絶頂が止まらないように、男もまた勃起が止まらないのだ。
玻琉の中にいることでもっとと求めてしまうのだろう。
玻琉はそれに答えるように淫らに腰を動かし、男を更に誘った。
こんなことをするのは初めてだったけど、男はそれを気に入ってくれた。
中にいるペニスが凄く大きく膨れてくるから、態度でなくても分かる。
「あひっらめっあ゛っあんっいいっあんっあっあっひっあああんっあ゛っひっいいっ……あっあんあんあんあんあんっ!」
ただ車の中でパンパンと音が響き、二人の息遣いと自分の喘ぎ声しかしない空間で、ただ汗を掻きながら求め合うのはとても玻琉の心が落ち着いた。
「やぁっんっあ゛はっうあっんあ゛っあんっきもちい、あんっおちんぽでゴリゴリされるの気持ちいいっあっひあぁんっ」
ただ男の動きに翻弄されていくのも悪くないと思えるくらいに、他人に身を任せることを玻琉は覚えた。
それは一生できないと思っていたことだったけれど、自分が受ける側であるなら、できることだった。
玻琉はホストをしているが、女性を抱くことは一生できなかった。
だって自分を殺しにかかってくる女性も嫌いだったからだ。父親に関しては無関心だったから男に関してそこまでの嫌悪感はなかったのも大きかったかもしれない。
ただ男に抱かれ、ペニスでアナルの奥を抉られるというだけで、玻琉は快楽を感じて悶えられた。それだけでとても心が透いていく。
「あっすきっいっおちんぽっあんっあっ、すき、い゛っあああっあっんっんんっ」
「いくらでもくれてやる」
「あひっあっあっ……い゛っあんっあぅんっあ゛っあっあっあああんっ! やっあ゛っあぁっんあっあっ」
男はまた結腸までペニスを突き挿れてそこを何度も抉じ開け、そして玻琉の中に精液を中出ししてきた。
「あ゛んっらめっ、おま○こに、おちんぽっらめぇっ、あっあひっあ゛っあんっあんっあんあんっあ゛っあひぃっ! せいえきっいいっああっん、ああぁんっ!」
玻琉は絶頂をして潮吹きをしながら果てた。
その後のことは覚えていない。
玻琉はそのまま気持ちよさで倒れ込むと、男がそんな玻琉の頬を撫でている。
「玻琉、私の玻琉」
そう男が言っていた気がしたけど、玻琉は意識を飛ばしていた。
これできっと二度と男に会うことはないのかもしれない、そう玻琉は思ったのだった。
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