幽々抄

3

 千明の引っ越し翌日の朝は、午後十二時を回っていた。
「……あー……」
 声を出した瞬間、喉が痛かったけれど、それでも実感したことがある。
 生きているということだ。
 何者かに襲われて、一晩かけて陵辱されたという記憶はあるのに、どういうわけかすっきりとした気分でいる。
 起き上がりベッドに座ってみてから、ベッドを触ると濡れているところはどこにもなかった。
「夢じゃないんだろうけど、これはどういうことなのか」
 取りあえず起きて風呂に入った。
 さすがに汗は掻いていたから気持ちが悪かったのもある。
 シャワーを浴びながら暫く考える。
 この家には何かがいて、それがこの家を支配している。
 そして千明を犯したけれど、命は狙わなかった。
「よし、それでだ……」
 そう考え込もうとしたら、そんなことよりもと言うようにお腹が鳴った。
「腹は空くもんだな」
 ふと笑えてきたので仕方なく、昨日買ってきたパンとスープを取り出して椅子に座って食べた。
 テレビを付けると、今日のニュースをやっている。
 暢気に行楽日和でしょうなどとやっているけれど、それを見ながら千明は現実味がないがと思い始める。
 昨夜の雨は早々に止んでしまったのか、すっかり朝から晴れている。
 今日は一日良い天気でしょうなどと言っている。
 それでも千明は今日も作家として作品を書くだけの日々であるが、その日常が少しだけ違ったものになってきた。
 引っ越しで気分も変わると思ったけれど、それ以上にもっと恐ろしい物がここに住んでいるのだ。
 食事をしてから千明はボソリと呟いた。
「ねえ、あなた何?」
 ここに何かがいるならば、答えてくれるかどうか分からないけれど、きっと向こうとしてはこれ一回で終わるわけもないだろうから、接触する気があるなら何か返答はしそうだと千明は思ったのだ。
コツッと何かの音がした。
 音がした方を振り返ると、そこにはホワイトボードがある。
 創作のために買ったばかりで壁一面がそうだった。
 そこにあるボードには文字が既に刻まれていた。
【幽霊とも言う】
 その文字に千明は驚いたけれど、それでも何だかホッとした。
 ちゃんと言葉が通じる相手である。
「幽霊ともってことは、君は分かってないってことなのかな?」
 そう聞くと側のテーブルがコンっと音を立てた。
 どうやらイエスなら一回、ノーなら二回というよくある方法を使っているようだった。
「君は一人?」
 コンコンと二回鳴った。
 違うということは、昨日感じたままの複合体であるのは間違いない。
「集合体みたいなもの」
 コン。
「君一人の意思で行動している?」
 コンコン。
「僕と会話しているのは、君らの意思ってことだね?」
 コン。
 どうやら彼らは千明に対して対話をしてみようとは思ったらしい。
「それで、君たちとしては今後どうしたいのかとか、ある? そこに書いてくれると有り難いのだけど」
 千明がそう言って食べた後を片付けていると、コンっと音がした。
 振り返るとホワイトボードに文字が書かれている。
【幸せに暮らしたい】
 どうやら彼らの幸せがなんなのか分からないけれど、前の持ち主とも悪くない関係だったらしい。
 けれどそれを彼の子供は怖がっていたのだろう。だから家は売ったし、帰っても来なかったのだ。
 彼らの基準は分からないが、どうやら千明のことは気に入ったことだけは理解をした。
「このまま僕が住み続けるってことでいいのかな?」
 コン。
 千明の言葉にほぼ被せるようにイエスと返事をされた。
 そして千明の服の中に人の手が這い回る感触がした。
「え、ちょっと……そういう意味?」
 驚く千明の乳首を霊の指がこね回し始め、それに千明は甘い声を出す。
「ああ……だめ……んっああんっちくびは……はあんっ」
 思念の塊のような透明なものが乳首の片方を指で捏ねるようにして、もう片方は舌で舐めているようにザラリとした感触が乳首を襲う。
「はあんっ……ああっ……も、だめだって……んああんっ」
幽霊だからそこまで実体があるわけでもないのだが、重さなどは感じない。それでも服は捲れたし、何かが動いているのが服の上からでも分かる。
 千明はそれを観察しながら、霊から与えられる愛撫を受けた。
 そのままソファまで戻ると、ソファに倒されて一気に下着までパンツが?ぎ取られた。
「あんっ、あっ、あっ……、ん、んぁっ、あぁんっ、ちくび、あんっ、ぐりぐりっしないで……あっあぅっ」
指で乳首を引っ張られ、何か細い紐でも巻き付いているような感覚があり、乳首の先を指のようなものではじかれ続ける。
「あぁっ、んんっ、ちくびっああんっはぁっ、あっあっあんっ! あっ、らめちくびっひぃっ、らめっ……、それ、あっいぃっ……あああああっ!」
昨日、散々されたからか千明の乳首は完全に敏感になっていて、乳首だけでも絶頂が出来るほどに感じられた。
「んあっちくびっいいっ……ああっらめっ幽霊のおま○こにされるっらめっ……ああんっちくびっいいっコリコリしちゃ……いいっああんっ……!」
 すぐに千明のアナルに細い管が入り、それが中に滑った液体を吹き出した。
 大きな圧迫感のある物が千明のアナルに挿入り込み、奥深くまで広げていく。
「はぁっ……はぁっ……、ぁん、もう、やぁ、あはぁん……」
中に収まったかと思ったら、急激に動き始め中を抉り始めた。
「ひっあ゛あああぁっ……ひああっ……あぅっ、らめっうごいちゃっ……あっあああぁんっ!」
あり得ないくらい感じる快楽は昨日散々味わったけれど、今もまたそれ以上を感じることになってしまった。
「あ゛あぁあっ、あっひっあぁあっ……あああぁぁ……っああっあああっああっんっ」
中を抉りそして引きずり出すように動くそれに、千明は感じてソファの上で体をのけぞらせた。
霊の動きは完全に千明の中を知り尽くしている動きで、千明の良いところを攻め上げてくる。
「ああ゛ああっ、ちくびっ……ああっだめ、おま○こしながら乳首いじられたらっ、あ゛あぁっ…いっちゃうからぁっ、ああぁぁぁっ」
乳首とアナルを同時に攻めてきて、千明の頭の中は霊が何であろうともこの快楽をくれるなら、何でもいいと思える感情が浮かんでくる。
「うあんっ、んっんっ……あんっ、だめ、ほんとに、おま○こっ、ぐりぐりだめっ、あっ、んぁっ、いいっ…ふあっあ゛っああぁっ」
 気持ちがいいことをするのは霊とが初めてであるが、それでも彼らは千明の体を壊そうとはしていなくて、気持ちよくさせようとしてくれているから、それには目的があったとしても千明は今はそれでいいと思えた。
「あああぁぁぁっ……いっちゃうからぁっ……乳首と、おま○このなかかき回されてっんあっあぁんっ、いっちゃちゃうっ……あ゛っ、あっああぁっ」
 千明が気持ちがいいことを伝えると、霊は全身を舐め回すように体中を擦り、舌で舐めあげるようにしてくる。そして両乳首は霊によって唇で吸い上げているように弄られ、ペニスでさえも何かが咥えている感覚がある。
「あっあぁんっ……おま○こぐちゅぐちゅして……っ。おちんぽっちっ乳首も弄られてっ……あっはああぁっんあ゛ひっ……あっあっらめぇっ……あっあ゛ああっ」
こんなことをされて耐えられるわけもなく、きっと誰であったとしてもこの行為を拒否できないだろうと思えた。
「こんなの、むりっ、はぁっ、あっあっあたま、おかしくなるっあひっ……あ゛っあんっあんっ……あっあっあっあんっおま○こかき回して……ちくびもっ吸って……ああっいいっきもちいいっ……あんあんあんっあああっ!」
脳から溶かされているのではないかと思えるくらいに快楽に堕とされて千明はそれに酔った。
遠くで家の電話が鳴っているのが分かる。
 すぐに留守番電話に変わったけれど、電話主は言っている。
『あの、○○ガスです。これから設置しにいきますので、よろしくお願いいたします』
 以前からの予定であった、ガスを設置してくれるという連絡らしいが、別に出なくても設置時間にいればいいだけなので電話にはでない。
 そしてそれどころではないけれど、これから来ると言うことは恐らく近くにいるからなので、この行為を終わらせないといけなかった。
「ちくび、きもちいい、あはんっあぃ……っ! あっ! あは、はっあ、ぁ……っ、おま○こ……すご……っ、きもち、ぃ、い……っ!」
けれど頭の中には快楽のことしか考えられないほどに高められてしまい、千明は自ら腰を振って霊のペニスを求めた。
「あぁあんっ! ひあっ、あっ、あっ、ちくびっ……らめっ、あっ、あぁんああぁーっ……、あひっ、んっ、ああっ、いいっきもちいいっ、乳首……いいっ……こんなっ……あああ~っ」
 追い上げられて派手に射精をしながら絶頂をした。
 その絶頂の仕方が気持ちよくて千明は放心していると、勝手口のドアが開いた。
「あの……なんて、いやらしい……」
 どうやら既にガスの設置業者が来ていたらしく、彼はキッチンの窓から中を覗き込んだときに乱れる千明を見ていたらしい。
「……え……?」
 千明は朦朧とするままにソファから起き上がろうとしたが、男は靴を脱いで部屋に入ってきて、リビングのソファに横たわっていた千明の体を押し倒してきた。
「……あっなに……え?」
 やっと頭が冷静になりかかったけれど、男は興奮した息をしながら、千明のアナルに勃起したであろう大きなペニスをいきなり突き立ててきたのだ。
「ひぃっああああぁー! やっあぁっ、あんっ、ふぁっ、ん……はあんっ!」
千明にとってそれが初めての人間のペニスである。
 夢見心地なくらいだった幽霊のペニスとは違い、それは硬くそして圧迫感が違った。
「ひあああっ、おちんぽっらめっえっ……んぁっ、ああっ、やあああぁっ!」
「ははっ淫乱おま○この中、やっぱすげえ……っおおっおおっ腰が止まらねえ」
 男はどうやら自分がやっていることを少しだけ理解しているようであったが、とても人の発言だとは思えなかった。
 男を見ると男の頭に何か靄がかかっているように見える。
 霊が男を乗っ取っているのだろうか。
 そして人の体を操って生身の人間に千明を犯させているのだろう。
「ひあっあっあっあんっうあっああああっあ゛あああっ……らめぇっ、ん゛ああっ、おち○ぽ大きいっあっひっい゛っいっ……っ」
男のペニスが大きく、奥まで届きそれが抉るように突き上げてくる。それは霊のそれとは違い、とても乱暴でありそして強引だった。
 硬いことが気持ちが良く、圧迫感はゾクゾクと快楽を呼び起こしてくる。
「あ゛あああぁんっ……大きいおち○ぽでおま○こしちゃやらっあああんっ……あんあんあんあんっあひっい゛っあっあ゛っあああっ」
「いいおま○こ、たまらねえ……こんなの腰が止まらねえよ……ああっおおっおおおおおおおっ」
「やああっ……ひっあ゛っあっおま〇こっ……おま〇こへんっ……んっおち○ぽ硬いのっ……おま○この中が、おち○ぽがこすれてぅっ……おま○こゴリゴリされてっ……んっああああぁんっ」
知らない男に犯される。
 それだけでも普通なら抵抗して当たり前なのに、千明はそのまま男を受け入れた。
 霊がそうしたがっているのが分かってしまって、それなら仕方ないと思ってしまったのだ。
 そして男のペニスは想像以上に気持ちが良く、千明はそれに夢中になった。
「ああああっ……やめっ、ああっそこっ、おま○こ奥っいいっあっああんっいいっ当たってぅっ! 硬いおち○ぽでいてぇっ! あひっい゛っんあああっ」
「この淫乱ま○こめっおらおらおらっここがいいんだろうがっ」
「ああぁっ……いいっおち○ぽっ気持ちいいっ……んひぃっん゛あああっ……やぁっあひっんっあああっあ゛ああっんっあっやっ……ん゛んっ……そんなにしたらっおま○こ壊れる……ああんっ」
「中に、射精してやるよ、中出ししてやるよったっぷり精液が欲しいんだろうっ!?」
「あっあっあひっあっ……あっあんっあんっん゛んっあぁんっ……それ、だめっ、あっいっ精液っらめっひぁっあ゛っんっふ……」
「おらー! 中出し精液を味わえっ!」
「あ゛ああぁっ、せいえき、おま○こに中出しっ……! ひあっあ゛うっんっあ゛っあ゛っあああぁぁっ……あ゛っ……ああっ、う、あ、はぁっ、ああぁ……」
 あり得ないと思える熱さが中で広がって、千明は初めての中出しで絶頂をした。
「ん゛ああっ……あっ、い゛っ…出てぅっ…なかっ、精液がっあっ、あん゛んっ……ふぅっ……ん゛ぶっ……ひあぁっ……んっ、ふぅっ……ああ、中、精液出てる……んふ」
 ぶっ飛ぶような感覚で、脳みそが真っ白になるくらいに感じて、千明は連続で絶頂をした。
 その時には精液を吐き出さないドライオーガズムで絶頂しており、千明は体中を痙攣させてのたうち回った。
 こんな絶頂をしてしまったら、もう普通のセックスなんてできない。
 これだけを味わっていたいと思うようになった。
「おら、これで終わりじゃねえぞ、もっと中出ししてやるよっ」
「ふあああっ…おま○こでイってるのに…もうだめぇ、おかしくなぅ、おちんぽで、ごりごりされるといっちゃうっあぁっあんっあひっい゛っああっい゛ってぅ、止まんないっ……ああぁっ」
男は精力が尽きないのかまだ勃起しているペニスを千明の中で縦横無尽に動かし、腰を振り続けている。
「あぁんっあっ、はああぁっ、おちんぽ、あっあ゛っい゛ってぅのに、おま○この奥までずんずんきてるぅっ……あっあひっいっ」
霊は男を乗っ取ってはいるが、男の思考を鈍らせているだけで性欲や言葉は奪ってはいないようだった。
 だからなのか男の乱暴なところや言葉がそのまま出ていたし、千明を罵りながらそれを犯す様子は普通に強姦魔なのだろう。
 霊はそれが分かったから千明に気が向くように男を操ったのだ。
「おら出すぞっ中出しだったっぷりだしてやるからなっ!!」
「あああっ……! ん゛ああっ……そこっだめええっいくっいぐっ…ああああっひあああぁぁっ……あっあ゛あああああああーっ……」
 男は千明の中に二回、三回と精液を中出しして、やっとペニスを抜いた。
 その精液が溢れ出ていく感覚に、千明は熱さを知り、これが霊とは違うところなのだと思った。
 男の精液はアナルから溢れ出て、一気に吹き出された。
 そうして溢れた男の精液を霊たちが吸い上げ、それを生気に変えている。
 どうやら人の性欲が溢れたものを摂取すると霊として行動がしやすくなるらしい。
 だから千明を襲ったのだが、一人の精液では限度がある。
 千明だけでは賄えないことを悟ったのか、過去より巨大になっている霊は千明を餌にして男を呼び込むことにしたようだった。
 ガスの設置業者は二人連れだったらしく、一人が精根尽きたところでもう一人が部屋に入ってきた。
 そして千明を見て急にペニスを勃起させると、獣のように千明を襲った。
「ああぁんっ、いっちゃう、おま○こでっ、おちんぽ、おま○こで、……イかされちゃうっ……! ひああっいぐっ、おちんぽでおま○こぐりぐりされて、いくっ……あ゛っあ゛ひっうああんっ」
「淫乱ま○こにドンドン出してやるよ、おら!」
「ふあああっ僕のっおま○こに、せーえき出して、奥までっビュービューしてるっ、あんっあんあんあんあんあんっ」
「まだ足りないんだろうがっ!」
「あああぁっ! らめっ、いくっ、おちんぽでいっちゃっ……あっああぁんっひあっ、あっあっいくっ、あっふあっあ゛あーっ!」
 千明は霊に洗脳された男たちによって一時間ほど陵辱された後、解放されるも霊が千明の体に残った精液を貪るためにまたもう一回セックスをする羽目になった。

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