モノポリーシリーズ
彼方のエレジー
1
一ノ関陽琉(いちのせき あたる)は、たまたま寄ったゼミで、ある人の視線が気になった。
まっすぐに見つめてくる視線、それは一人の強面の男からだった。
何かしたのか、気に入らないのか。そう思ったのは表情が厳しかったから決して好意的ではないと感じたからだ。
けれど、陽琉はゼミに参加をしているのは論文のためで、もうそれも終わる。
IT系のネットにおける販売に関しての研究で、大学専用のネット販売記録からの快然と促進の研究をしていた。常にネットの販売サイトの記録を記載し、それによる学生の購入の経路など予測しながら、新商品を選んでいる。もちろん、地道に聞き取り調査もするのでかなりの労力がいるけれど、将来その道を目指している人ばかりがいるゼミなので皆精力的だった。
そんな陽琉は自分の実家であるデパートのIT部門に就職は決まっていたから、卒業さえしてしまえばいい状態で、教授からは論文のことで相談をしていたからそのことで呼び出されたところだった。
その結果はA判定を貰い、卒業が確実となった。
とても喜ばしいのにその気分を壊してしまう視線が、陽琉には印象的でゼミの講習を受ける人たちの意見を聞きながらでもその強い視線は気になるほどだった。
やっとゼミが終わり、陽琉はすぐに去って行く学生たちを見送ってからその場に残った。教授は一番に去っていき、残りの人も去って行った。
やはり一番気になっていた視線を寄越していた男が、その場に残っていた。
陽琉はそんな男を睨み付けた。
何かした覚えはないし、そもそもこの学生に会ったことがない。
陽琉が就職活動でゼミから離れている間にどうやら入ってきた学生のようだ。
だから接点はなかったし、そもそも嫌われる理由が見つからない。
「さっきから、何で僕のことを睨んでいるの?」
沈黙に耐えきれずに陽琉がそう言うと、相手はビクリと体を震わせた後にやっと表情を顔に出した。
それはとても嬉しそうに笑っている顔だったから、陽琉は度肝を抜かれる。
「なに、それ」
思わず気持ちが声に出てしまったけれど、その男はニコニコと機嫌のいい顔をしたままだ。
何だか薄気味が悪い。
瞬時にそう陽琉は感じて、すぐに席を立った。
「もういい」
二度とゼミに顔を出さないわけではないけれど、これから忙しくなるので極力出てこなければ、この不快な男と会わないで済む。そう考えたから逃げようとしたのだが、ドアを開けようと視線を外したのがいけなかった。
ドアノブに手を伸ばした手にゴツゴツとした手が覆い被さってくる。
「……っ!」
後ろにいつの間にか気配が移動しており、そこに男が立っている。
まるで背後霊のように張り付いた男は、握った陽琉の手を掴んでからドアノブから手を離してくる。
「……なにを……してる……?」
正直、陽琉には恐怖しかなかった。
男がどういう目的でこんなことをしているのか理解できなかったし、どういうことなのかも理解できなかった。
ただ握られた手が熱く、熱を持っていることだけが分かるだけ。
「……あなたは」
急に耳元に息を感じて、低いバリトンの声が耳に入ってくる。
ゾクリとする体の奥が熱くなるような声に、陽琉は戸惑った。
とにかく何か言いたいことがあるのかと待っていると、男が続けて言う。
「とても綺麗だ……」
そう言った口が、陽琉の首筋に触れ、そして噛みついてくる。
「……っ なっ! いたっ!」
右の首筋に痛みを感じ、やっと噛まれているのだと陽琉は気付いた。
「はなっ……ああっ」
離して欲しくて暴れようとすると、体をがっしりと抱きかかえられて逃げられなくなった。
叫ぼうとして声を上げようとすると、顎を捕まれて口を塞がれた。
もしかしなくても目的は陽琉が最初に考えていたものとは違うのかと思っている間に部屋の奥の更に奥にある倉庫に連れ込まれてしまった。
「やっはなせっあっ!」
部屋から逃げ出そうとしても、この倉庫が鉄の扉でできていて声が漏れないし、簡単に逃げ出せない。元々は理系の研究室だった薬品などを管理しておく特別頑丈な部屋で、新しく理系の研究棟が併設された後に新しくできた学科のゼミ室となっただけで、設備は一部そのままだ。
だから部屋は爆発に耐えられるように頑丈にできていたし、この部屋は入室してしまえば、中から開けるか緊急ボタンを押さないと開かないままだ。
もちろんそれは陽琉も知っていたし、もちろんこの男も知っていたのだろう。
ここに連れ込まれたら、強行突破以外逃げ道がないことを。
「やめっ…はなせっくそっ」
陽琉が叫ぶけれど、男は気にした様子もなく、陽琉のワイシャツを開き、シャツまで捲り上げてくる。パンツはベルトは外れていたし、もう下着まで剥ぎ取られる寸前だ。
「あっやめろっ貴様っなんなんだっ!」
とにかく混乱した陽琉が叫ぶと、男は陽琉の手を床に縫い付けるように押さえつけてからしっかりと陽琉を見て言った。
「貴様じゃない。獅來だ……恵西獅來(えにし しき)だ」
「名乗ってんじゃないよっ! これは犯罪だ!」
強姦されようとしているからそう陽琉が言うのだけれど、男は名前を名乗った。
獅來は真剣にそう言う陽琉に向かって平然と答えた。
「知ってる、訴えてくれてもいい。でも初犯の男への強姦は精々和解勧告される。裁判になって詳細が記載されてもいいなら、できないようなことをしてやるよ。知ってる? 裁判をしたら勝っても裁判の内容は保存され、それを誰でも閲覧できるんだ。未来永劫、死ぬまで強姦されたという記録が付いて回る。それに俺が刑に服しても初犯、反省してますって言えば二年くらいの懲役で済む。俺には何の痛手もない」
そんなことを獅來は言い出し、陽琉は唖然とするも言い換えした。
「そしたらお前の将来も犯罪者として一生付きまとうんだっ」
「いいよそれくらい。何度でも。俺は名前を出さずとも生きていけるし、一生人前に出なくてもいいし、それくらい平気。それと引き替えに陽琉を抱けるなら、それでいい」
獅來はそう言うと、ニコリと微笑んだ。
その笑みは凶悪な笑みで、陽琉は恐怖に陥った。
獅來はそれまで手を休めていたのを止め、陽琉のパンツと下着を一気に脱がせてくる。
「やめっいやだっ!」
なんでこんなことになっているのか陽琉には理解ができず、這って逃げようとするも足を捕まれて引き戻される。
空しく陽琉の叫び声だけが響いているのに、部屋から誰の助けも来ない。
それもそのはずだ。
さっきゼミは終わったし、教授は今日から出張で一週間いない。ゼミは研究も一段落したところで、新たな研究が行われるけれど、それはこの部屋では行われない。ここはあくまでゼミの話合いをする部屋であり、研究室は隣の大部屋を使っている。
これから夕方になると人はもっと来ないし、夜になれば研究棟は人はいるけれど、よほど騒いでなければ用事もない部屋にこない。
そしてだんだんと陽琉はラベンダーの香りに酔ってきている自分に気付いた。
てっきり部屋の消臭に置いている消臭剤の匂いかと思っていたのだが、その匂いに酔っているのはおかしいと思えてきた。
「……も、あっ……はっんっ」
仰向けにされ、覆い被されて乳首を吸われながら、陽琉はペニスを扱かれた。
「んぁ……っ、ぁん、やら、ぁ……っ、やめ、やめて、ああぁ、ひぁん、あぁ、ああぁ、や、何す……っ、んあ、やぁ……っ」
ジュルジュルと音を立てて乳首を吸われ、ペニスを握られてしまうと、陽琉は動くに動けなかった。
それはペニスを握られているからこそ、男なら怖くて動けないというものだ。いつ握り潰されるのかという恐怖が先に立ってしまうのだ。
「あひ……あぃ、んあ……あっあ、あぁぅ……ひぃ、ぃい……っ」
ペニスを握られたままで、アナルに指を挿入れられた。
その指は何か滑り気を帯びており、獅來がなにやら準備をしていたのが窺える。
「あぁん、……っぁん、やぁ……っ、やめて……やめて……っ、あゃ、あ、ぁ、あっ」
最初からこうするつもりで見られていた。
狙われていたのに、迂闊にも自分から獅來に近づいてしまったのだと陽琉はやっと気付いた。
アナルの中に入った指が縦横無尽に動き回り、陽琉のいいところを擦り上げてくる。
「んひゃ、ひあぁあ……っぁふっ、ゃ、ぁ……っあ、あぁ」
恋人よりも上手い愛撫のやり方に、陽琉は戸惑った。
無理矢理なのに、獅來は陽琉の気持ちが良いと思う場所だけを攻め続けている。それはイヤなのに体が感じるという状況を生み出し、陽琉は更に混乱した。
「あぁ……っ、あぃ、いやあっ……はぁっ……もぉ、やめて……あぁ、はあぁっ……こ、こんな……っ、だめっん……」
「陽琉のおま○こ……中がすごくペニスを欲しがってる……ほら、指を締め付けてきて、離さない」
そう言われて陽琉はゾッとした。
「あぅちがうっあ、あぁ、んあ、や、やめ……っ、ん、はぁ……ああっ」
そうじゃないと否定したいのに、体がその指に翻弄されていくのだ。
明らかに恋人よりも愛撫が上手く、そして陽琉には気持ちが良いと感じるくらいの激しさだった。
「あっ! ぁひっ、ひんっ! ゃ、やぁっ、っあっ、あっ、い、ゃ……っ、やめ……ああんっああっ」
アナルを拡張するために指を入れられ続け、いいところを擦られ続け、三十分もひたすらアナルを拡張された。
「あはぁ……っ、あぅ、んあ……ふああん……はぁっ……はぁ、あん……あぁ、やぁ……っ、あぁんっああああ……っ!」
抵抗したくても軽くイカされ、手で扱かれて射精もさせられた。
「やっ! あっ、やらっああんっ、はあんっは……っ、はぁ……っ、あん、ああぁ、んあぁ」
もうひたすらアナルを弄られて、緩んだところを舌で嬲られるようにして更に広げられた。
恋人でさえここまでの手間は掛けない。
むしろ、陽琉が必死に自分でその状態を維持してきたのだが、それを上回るような愛撫で獅來は執拗に陽琉の抵抗する心を奪っていく。
「あ! ああん、……あっ、あぁん……っああっ! あふ、ぅ……っ」
指でアナルを広げ、そして舌で嬲ってまた広げる。そんな手間を掛けられて、愛撫だけでももう四十分はされている。
「んあぅ……! んああんっああっ……んぁ、ぁふっ……ん、やらっ……! ぁ、や、やめ、あんっ!」
抵抗するのに身動きをすると四つん這いになってしまう。
するとやっと執拗な愛撫が止まった。
終わったのかと一瞬安堵した陽琉だったが、振り返って見た先で見せられたのは獅來の大きく凶悪な勃起したペニスだった。
「あぁあ……っいや、それはいや……っ」
陽琉は必死にドアの方へと逃げるけれど、それをゆっくりとした動作で近寄ってきた獅來はドアの鍵に手間取っている陽琉の尻を掴み、アナルにペニスの先を挿入てきた。
「や……っ、それっ……!あぁっ、だ、だめぇ……っ」
明らかに今までの誰よりも大きなペニスだ。
見た目からも大きさは分かっていたけれど、亀頭が挿入るのだけでも大きさが普通ではないことが分かる。
「あ……あっ、い……っや……あぁっ、許してっああっ……っ」
ゆっくりとその亀頭がアナルに挿入り込み、ずるずると奧に進んでくるのが分かる。
「ひぃっ……!いやだ、挿入れないで……っ」
そうは言ってももう挿入っていたし、既に半分ほど飲み込んでいる。もちろん獅來はそれで止めてくれるほど簡単に許してはくれない。犯すと言ったのだから最後までやりきるだろう。そのためにこの部屋に陽琉を閉じ込めたのだから。
「むり、むりっ、むりぃ……そんなの挿入らないっああっやだ、あぁああ……!あっ、あっ……」
ドアに押しつけられて逃げ道がなくなった状態で、陽琉は獅來のペニスを受け止めていく。奧の奧まで獅來のペニスが挿入り込んで中を完全に広げてくる。
「ああっやだ、なんで……っ、こんな……ああ、あー……っ」
恋人とは圧倒的に違うペニス。存在感と圧迫感とそして中に挿入ってくるだけで陽琉の気持ちよさを呼び起こす。
「あっぁ、あんんっ……! ひゃっ! あぁっ! あぁっや、やめっ……!」
犯されている陵辱をされているのだから、気持ちよくなるなんてあり得ないと思うのに、体が勝手に喜んでしまう。それが陽琉には初めてのことで混乱していく。
「ああ、挿入った。やっぱり、挿入ると思ったんだ……ああ、陽琉、凄いエロい……締め付けてきて、……ああ俺のためのおま○こだ」
「ち、ちがうっひぅっ……ああんっ……あっ! ぃや、らめっ……ああっ、いやぁっ」
八割ほど獅來のペニスを飲み込んだところで、獅來が腰を振り始めた。
抜かれて突き上げられる、それだけの行為がどうしようもなく気持ちが良い。
「やぁあ……っ、ぁ、ひ、ひぃ、ん……っ、いや……っぁ、ぁぅ、らめっ……っ」
「陽琉……ああっ気持ちが良い……ここがいいだろ?」
「ひぁあ! ひぁっ! ぁっぁっ、だ、めぇえっ!」
たった数回中を擦っただけの獅來のペニスが、陽琉の一番気持ちが良いと思っているところを擦り上げてくる。
「ひぅ……っう、ぁ、あ、あぁっ、ひ、ぃんっ……やっ……だめっ……!」
恋人とは違うもので擦られ、しかも生で突っ込まれているから感覚も違う。
カリが引っかかり内壁を抉ってくるのも直接的でたまらなく陽琉の快楽を引き寄せる。
「はふっ……は、ぁん……っ、や、だ……っ、なんで……っあゃ……あっ、はぁっ、はぁ……っ、だめ、……だめぇ……っ」
どうしよう、気持ちが良い。どうしようもなく気持ちが良いと心から思っている。
陽琉の心はあっさりと恋人を裏切っていた。
「はんっ! ぁ、やあぁ……っ、やめ、いやあぁ……っ」
「陽琉の顔、いやらしい顔してる、気持ちがいいんだな……」
「ああっ……あああっ、ぃや……っ見ないで……、見るなぁあ……っ」
顔を覗き込まれ、思っていることを当てられた。
気持ちが良いと思っているのを悟られたのではなく、表情に出ていると言われて陽琉は死ぬほど恥ずかしかった。
「ああっん、はっ! は、あぁん! あぁ、あぁ、ぁっや、ぁ、あっ! や、め、……やっだ、あ、あぁ、あっあっあっ! いや、だ……っ! やだぁああっ! ああっ!」
「このおちんぽで感じてイって?」
そう耳元で囁かれて陽琉は絶頂をしてしまう。
「ひゃっあぁああ――っ!!」
精液を吐き出して絶頂をして、床に精液を撒き散らかした。
その量は、いつもより多く、そして精液も濃かった。ずっと恋人に会う暇がなく、会えないままで暮らしてきたから溜まっていたのもあったのだ。
そうじゃなければ、こんなことで屈したりなんかしないと、陽琉は思っていたけれど、連続で絶頂をさせられていくことになった。
「あう……っも……やだ、やだっ……いきたくない……っ」
「だめだよ、まだまだ犯すからね……このおちんぽに慣れて貰わないといけないから……」
「もうやだ、いくの、いや……っ、いやだ……いきたくない、っ、いかせないでぇ……!」
そう泣きながら懇願しても、獅來の腰は止まらない。
獅來はそんな陽琉を携帯で撮影をした。どういうつもりで撮っているのかは分からなかったが、それはハメ撮りであり、後で誰かに見られたら陽琉の人生が終わる。
「あっ写真、やらっああっく……あんっうぅ……とらないでっっく、ひぃ……ああああっん」
何度もシャッター音がして、さらには長くカメラを構えたままで腰を振り続けられ、それを動画にすらしていたのだろう。
やめてと言っても完全に獅來のペースで犯され、もう陽琉には何が何だか分からないほど、快楽に突き落とされていた。
「う、ああっも、だめ……いっちゃう……っ、このままじゃ、いっちゃ……はあぁっ」
「陽琉のおま○こにたっぷり、精液を出してやるからな……」
「いやだ……っああっ、いやだ、やめて、せいえき出さないでっ……いやあっ、おま○こにせいえき出さないでぇえ……!」
「陽琉のおま○こにはこの精液の味を覚えてもらう、う……っ、くうっ……」
「ああっ、やだ、や、あ、せいえきっなかっあああんっ、いく、いくっ、いっちゃ……あぁっ、やだあああぁぁ……っ」
陽琉は獅來に陵辱をされたのに、五回以上射精をして絶頂をし、さらには精液を中出しされて絶頂もさせられた。
「あー……っ、あは……あっ……あっ……あう……」
やっと精液を中出しした獅來のペニスが陽琉のアナルから出ていくと、その精液が陽琉のアナルからゴボリと溢れて垂れ出てくる。
「っあ……、あっ……」
その大量の精液を塗れになっているのに、獅來はペニスを扱いて今度は陽琉の顔や体に精液を射精してぶっかけてきた。
陽琉は全身、獅來の精液塗れになったところを獅來に写真に撮られ、さらには余韻に浸っているところまで動画に撮られた。
陵辱をされたのに、気持ちよくて放心しているのを見られたら、襲われたと言ったとしてもきっと誰も信じない。
恋人にだって言えない秘密を陽琉は抱えることになってしまった。
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