Word Leaf
寒雷
7
詢の思いを鴻上は察してくれた。
詢は鴻上が頬に触れた手に触れた。
鴻上は察したけれど、しばらくそんな詢の頬を撫でていた。
そして言った。
「君が望んでいることが私の考えていることと間違っていないなら嬉しいけれど、君は本当に私との関係を望むのか?」
鴻上の言葉に詢はきっと鴻上は猶予をくれたのだと思った。
そして考える。
「僕は、きっと薄情なんです。京田が駄目だったから、次にって甘えているんです。でもそうだったらきっと高内さんでも良かったんです……。けど僕は高内さんに告白された時、ずっと鴻上さんのことを思い浮かべていました。だから僕は鴻上さんを好きなんだと思う……。恋人と別れて、その恋人と揉めているのにもう誰かに恋をしている。きっと僕は薄情なんですよ、こうやってコロコロして」
そう言っているうちに涙が出た。
泣きたかった訳ではなかったけれど、それでも自然に涙が出た。
自分がとんでもなく軽薄で酷い人間だと思えた。
自分で好きな人を望むと、こうやって簡単に乗り換えられるのだ。
一ヶ月も経ってないのに、まだその恋人と完全に別れられていないのに、こうやって優しくされれば、その人に体を開こうとしている。
何て愚かで、何て自分勝手で。そしてどうしようもなく淫乱なのだ。
今だって抱いて欲しくて縋っている。
絶対、鴻上は困っている。
それは分かっているのに、鴻上に縋った。
「君は思ったより愚かになれるんだな。それはそれで男の性欲を舐めていると思う」
「……え?」
「私はそこまで紳士ではないってことだ。誘われればもちろん気に入っている相手なら平気で寝られるくらいに倫理観も低い。君が望んでいるならと理由を付けて抱ける。君が途中で気が変わっても、私はやめることが出来ないだろう」
鴻上はそう言いながら、詢の首筋を指でいやらしく触る。
その触り方は完全に性欲を持てあました男の手の動きで、それに詢は翻弄される。
「こうやって、触られるのは初めてです……嬉しい、僕にちゃんと欲情してくれる」
京田は基本的に愛撫はしなかった。
世の中の恋愛物と違い、セックスに関しては詢に奉仕をさせる方が好きだった。だから詢は自分で準備を全部して、雰囲気もなくデートの時はセックスを必ずするという流れ作業になっていた。
それはそれで持てあましていた性欲は解消されたけれど、詢は真の愛情のあるセックスには縁がなかった。
「皆僕を支配したがるから……僕はいつも愛情は貰えてなかったのかもしれない。だから、鴻上さんが愛情をくれなくてもいいです。ただ気に入ったっていうだけでも、僕を抱いてください……」
詢がそう言うと鴻上は言った。
「愛情はどう受け取るかだから、君がどう感じるかはさすがに私にも分からない。けれど戯れに抱くほど酔狂ではない。だから素直に抱かせて欲しい」
「はい……」
そう言いながら二人はお互いの体を触り合った。
お互いに最初から興味を持ち、お互いに触れあいたいと思っていたのだ。
気持ちがどうとかどうでもよくて、まるで番のように発情していたのかもしれない。
「ああ……っ、……あっ……ぁ……んっ……ふ、う……っ」
ずっと求めていた熱を与えられる詢は、それを鴻上から受け取った。
キスをありったけして、詢は足りなかったものを鴻上から沢山貰う。
「あっ、ぁん……!ああっ……ああ……もう……っ、んん」
服を脱ぎながらでもキスは止まらず、鴻上は愛撫を繰り返す。
体中を触り、詢が気持ちよくなっているところは重点的に撫で回してくるから、詢はそれにただ甘い声を上げた。
「んあぁ……! んぁあっ……ふぁ、あぁ……っ!」
ずっと望んでいたものがこんな近くにある。
愛情がなくても優しさがあれば、こうやって優しく抱いて貰えるのだ。
それを知った詢は、京田とのセックスは支配だったのだと思えた。
鴻上はそれを和らげるかのように愛撫に時間を使い、乳首に至っては三十分以上は舐めて吸ってと繰り返した。
「あぁっあんっ……ちくび、乳首っ……あっ、あっ、あっあぁんっ……ちくび、いいっ……っんっ、あっ、あひっ、んああっ」
ジュルジュルと音を立てて吸い上げ、舌で嬲るようにしてくる愛撫に、詢は嬌声を上げて体を蠢かす。それを押さえつけるようにして鴻上は詢の乳首を執拗に攻めた。
「ああぁっ……ああっ、ちくびっあんっ、んっあっんっあっああぁあんあっひぁっ、んっあっんっ、あぁあっ」
気持ちよくて堪らない。あり得ないほど乳首で感じた。
自分で弄ってするよりも他人の舌のざらつきに腰が跳ねるほど乳首で感じ気持ちが良くなれた。
鴻上も慣れているような舌使いで攻め上げてくる。
「やぁっ……もうらめっ、乳首やらっ……んっふああっ……あっあんっ、あんっあっあぁんっ……、や、あっ、あっ……そんなっああんっひあっらめっ、」
すっかり詢は蕩けてしまい、嬌声も大きく上がった。
「やあぁっ……んっちくび、らめっんっひっああっ、あんっ、あんっふああああっ、あっ、舌っ、らめぇっ……ん゛っ、ひっあっあぁあ~らめっ舌らめなのっああんっ」
「気持ちがいいんだね……乳首、コロコロしてる」
「あっあっあんっあぁあっああんっ……きもちいっ……ちくびペロペロっ気持ちいっ……あっいっちゃうっ……ひああぁんっああああ!」
そのまま乳首で感じて、詢は絶頂をした。
乳首だけでイカされ射精までしたのは初めてで、詢はその快楽に朦朧とした。
鴻上は詢をイかせた後は、自分の服も脱ぎ、大きく勃起したペニスを詢に見せつけてきた。
詢はそれを朦朧とした頭で眺め、そして誘われるようにそのペニスを口に含んだ。
「ん……っ、ん……ちゅ、う……ぁ、あ……」
大きく、口いっぱいになる鴻上のペニスは、京田よりも大きくそして硬かった。
それを口に含んで舌で舐め、先走りを吸い上げながら口で扱いた。
「おいしい?」
「あ、んっ……お、おいひぃ……ちゅ、ふ、っふぁ……おちんぽっおいひ、い……」
詢はそれを美味しいと鴻上のペニスに夢中で吸い付いた。
涎が口から垂れるほどペニスを吸い、舌で絡めてフェラチオを続ける。
「んんっ……かわいらしいことだ」
そんな詢を見て鴻上が興奮した顔をして詢の頭を撫でてくれた。
それは詢には初めてで、決して乱暴ではないことに驚いたほどだ。
いつもは京田がイラマチオをして、強引に喉奥を犯すだけで、詢自らしっかりとペニスを舐めさせて貰ったことはなかった。
そうしていると、いつの間にか仰向けに寝転がらされ、鴻上のペニスを吸いながらも、大きく足を開かされて、鴻上が舌や指を使って詢のアナルを弄り始めた。
「おま○こしない……でっゆび……らめっああんっ……ゆびでおま○こされる……ああんっ」
唾液でアナルを濡らして、指で奥まで突き上げながら入り口を舌で舐められる。
そんなことまでされたことはないから、詢は驚いた。
京田はローションを使って詢に自分で風呂に入った時に解しておけと言うだけで、詢に愛撫でこういうことはしたことはない。
あまりにも違うやり方に、詢は体が素直に快楽に導かれる嬉しさを感じた。
「きもちいいっおま○こ……ああんっゆびっああん……いやらしい……ああんっゆびっ」
「ああ、こういうのもやってもらっていないんだね。だろうと思ったけれど」
京田の性格を詢から聞いて知っている鴻上は、京田がこういう手間を一切しない性格なのは読めていたらしい。
「これが何より楽しいのにな。こうやって体を開いていくのが醍醐味だというのに」
「あ゛っあひっああっ、いくっいくっいっちゃうっ、指マんでっ、おま〇こイっちゃうっ、ひぁっあ゛っいっちゃうっ……」
「イッていいよ……何度でも、イかせてあげるからね」
詢の体は鴻上の指と舌に喜んで、それを気持ちがいいと受け入れる。
そしてそのまま指でまた絶頂へと詢は導かれていった。
「あ゛ああ~~っ……ん゛ひっ、いっい゛っんぁあっ、あっあ゛っあっおま○こっ、だめっだめっ、あぁあんっああんっ……ひっんっんあああぁっ」
「ほら、イッて」
「ひああっ……ん゛っひっいっ……ああ、んっああぁっん゛ぁあああ゛あぁっ、らめっ、い゛っいくっ、い゛っ……!」
脳天を突き抜けるほどの快楽に襲われて、詢は絶頂をした。
精液を吐き出して絶頂をしたのに、まだペニスが勃起状態でまだまだその快楽が欲しいと思えた。
「ああぁ……はぁ、はぁっ……あぁんっ……はぁはぁ……突いて、おちんぽでおま○こ突いてぇっ……あーっ……あっ、ぁあん……っも、おま○この奥、っおく、おちんぽ欲しぃい……!」
詢はそう卑猥なことを言うと、鴻上は詢の言う通りにペニスをアナルに挿入てくれた。
「あああっ……おち○ぽ硬っ……あっあああぁっ……らめ、らめっ…おち○ぽは……んっひっやっ……あっ……おち〇ぽはっああん入ってくる……ん゛っ……」
凶悪なペニスである鴻上のものは、圧迫感が強く、やはり京田とは違う。
長さも違い、この辺だと思っていた部分よりもさらに奥にペニスが挿入り、詢は未知の世界に飛び込んでいた。
「あ゛ああっ……だめっ、おま○こにおち○ぽ挿入っちゃうっ、んひっ、い゛っ……あっ、あああっあ゛っ、おち○ぽ、おくまで……あっあ゛っ、ん゛っあああっ」
「さあ、全部挿入ったよ……はあ、この中熱いな」
「あ゛ひっ……んっあっあ゛っ、あはぁっ……んんあぁあっ…ひっ、あへっ…あっ、おま○こにおち○ぽ挿入って……る、あんああっ」
久々に挿入ってきたペニスは違う人のだけれど、もう京田のことも思い出せないほどに詢は鴻上のペニスに惚れた。
これこそ求めていたものだと思えたし、何より届いて欲しいところに届いていることに感動したほどだ。
暫く馴染むために鴻上はペニスを突き挿れたままで動かなかったが、詢が腰を自ら動かし、もっと動いて欲しそうにしているのを見て、腰を動かし始めた。
「ああっんっあああんっおちんぽっんっいいっ! そこぉっそこ、あ! あ! あっぁあ! あぁんっ、ぁんっあんっ!」
詢は最初からエンジン全開の腰使いで挿入されて、脳天が痺れるほどに快楽を得た。
「ぁんっあっあぁあーっあ! あんあんあん! おちんぽっ、しゅご……っそこぉお! んふぁ……あ! ぃあっ……そこ、そこおま○こいいっあああんっ!」
あまりの気持ちよさに飛んでいきそうなくらいに感じ、嬌声が上がる。
「それにしても、卑猥な言葉だけは覚えさせられているんだね……まあそれもいいのだけど。明らかにこれで満足してくれているのが嬉しいよ」
鴻上はそう言い、腰を動かし続けている。
「ああぁっ! あっあぁんっ……鴻上さんのおちんぽっいいっ、あっあっあっ……あひっ……あっあんっあっ……はっ、はぁ……あぁあっ……」
「どんどん中が欲しがっているね……」
「あぁっ……いい、あぁんっ……はぁっ、おちんぽっおま○こ気持ちいいっああんっいいっ」
「ちゃんと開発してあげれば、もっと育つのに、もったいないことをしている。さあ、私の手でもっと気持ちよくさせてあげるよ……もっとね」
「ああぁっ……あぅっ、ひぁん、あっあっあんっあぁんっ! ああっ、僕のおま○こに鴻上さんのおちんぽっ、はいってうごいて……あっあっ、あーあーっ……」
「挿入って動いて、奥まで突き上げるよ……もっとだよね?」
「ああぅっ、だめっこのおちんぽだめっだめっ……もう、おま○こっついたらぁっあっ、あたまおかしくなるっはああぁんっ……」
「おかしくなって、もっと狂っていいよ。もっと求めて」
「やああっ……あ゛っひっんっああっぁっそんなのっあっあ゛っ、あたまへんになるっああぁっあぁぁっ……」
「それでいいんだよ、そのままおかしくなって……それが解放することだから」
「あ゛あああ~っ……ん゛っひっ、いっ、あっあんっふああっ……らめぇえっ……おま〇こ……頭っおかしくなるっ、んっ、おま○こが……ああんっ気持ちよすぎてだめっあっあああっ」
鴻上のペニスで奥まで突き上げられ、さらに奥も抉るようにされていくと、結腸部分までも届いているのが分かる。
その先は未知の世界だから、鴻上も慎重になっているが、詢はその先も見たいと思えるほどに快楽に堕ちていた。
「ひぁっあ゛っおま○こ気持ちいいっああんっ、あっあっあ゛っあ゛~~~っ…ひっ、ぁあああっん゛んっいやらしいおま○こにっ鴻上さんのおっきいのおち○ぽっ挿入っていやらしく動いてる……あ゛っああああああっ」
「そうだよ、これが欲しかったんだね?」
「あぁんっ……ほしかったっいぃっ、あっ、おちんぽっすきっあっ、いいっあっあっあっ……ふぁっ、鴻上さん、好きっ、あんっああぁっあひぃっ、あんっ、あんっ!」
詢はとうとうそれを言った。
鴻上のことが好きだから、こうしてセックスをしていても気持ちがいいと感じる。
京田の時だって、京田が好きだと思っていた時は、何でも感じた。
おそらく詢は自分が好きだと思っている相手から与えられる快楽も、痛みも全部受け止められるようになっているのだと思えた。
「ひあっ、あ゛っおちんぽ、いいっあぁっ……あ゛っあっあっああっあぁああっ……あっあっあんっ、あんっあんっあんっあ゛ああっ、あっあぁあんっ」
あり得ないほど感じて、鴻上に振り回されるようにセックスに溺れる。
それは何も考えなくていい時間で、詢には至福の時だった。
「ひああっ……らめっあっん゛っひっいっ……あんあっ、んっああぁっ! ああっらめっ、いっちゃう……から、おま○こらめっああんっあっ!」
「イッていいよ、何度でもね。もっと見せて、詢のいやらしい顔を、いやらしい声を、乱れているところをもっと見せて。私の手でおかしくなっていく詢を見たいんだ」
「んっあっ……ああっんっあああんっ……おま○こいいっ……ああんっきもちいいっああんっああっ」
「ほら、中で出すよ……精液欲しいんだよね」
「あ゛っああっあっほしい、中にせいえきちょうだいっいくっ、い゛ぐっおま〇こイっちゃうっ……ひぁっ、あ゛っ、ひあん゛っあっ、あ゛ああっあぁっらめっ……ああんっああんっいいっいくっ!!!」
がくりと体が硬直すると、詢はドライオーガズムで達した。
射精をした時に感じる脱力感はなく、信じられないほどの快楽が脳天に響いて、体全体が痺れて詢は体を震わせた。
「あ、あ、なにこれっ……あああんっ」
「ああ、ドライでイッたんだね……これは初めてかい?」
鴻上はそう言いながらも中で射精した精液を擦りつけるように腰をゆるりと動かし始めた。
「あ゛あああっ……ああっ、んっひっらめぇっ……これ以上っあ゛っおくっ精液がっ……もっとおま○この奥にはいっちゃうっ……ひっあ゛っあああああっ」
「そうだよ、入れているんだよ、奥にね。孕んで欲しいからね……もっともっと精液を沢山出さないとね……」
鴻上はそう言うと唇を舌なめずりしてから詢を覗き込む。
その普段の済ました冷静な鴻上とは違い、獲物を仕留めるかのような豹のような鋭い視線は、完全に詢の心を掴んだ。
その瞬間、鴻上はさらに激しく腰を振り始めたのだ。
「ふあっあっ、あっらめええっ、激しくおちんぽでおま○こぐりぐりされたらっああんっきもちいいっああんっああんっああっ!」
「もっとだよ。そろそろ慣れたみたいだから、ペースを上げる。ついておいで、知らない世界まで連れて行ってあげるよ」
その鴻上の言葉に詢は微笑んでいた。
「ああっんっ連れて行って……ああ、いいっ……おま○こっ……ああんっらめっおかしくなる……ああんっああいいっきもちよすぎるっああん!」
「そうついておいで」
「あぁあっああんっ……もっとっ……おま〇こ、馬鹿になっちゃうっあああっ……おちんぽっああっ……あっ、あああぁっ……鴻上さんのおちんぽっすきっ……もっとおちんぽでおま○こして……ああんっいいっいいっああああっ!」
鴻上はさらに先に進んだセックスで、詢を翻弄し始めた。
愛をくれるセックスと、なかったセックスではここまで違うのだというところを見せてくれているのだ。
「いいっああっ……ああんっ……んっあっあああっああっああっんっああっんあっあっあっああっ!」
「もっとだよ、もっと、詢、さあ感じて」
「あ゛あっ……んっあっ、あ゛っ、あっあっあっあああっ! んあっん……あっあああっ……あんっあっああっああっんあっあっはあっんっあっ、ああっあぁんっ」
その時間は永遠に感じるほど続く。
まだ夜になったばかり、二人の世界はさらに深くなっていく。
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