Echo
10
結城の一件以来、斐都は別の性癖に目覚めた。
見られるという行為自体が興奮するのだ。
「清秋さん……僕、人に見られるの好き。皆が僕の姿を見てペニスを扱いているのが凄く興奮する」
斐都の言葉に清秋は少し笑い、斐都の頭を撫でた。
「そうか、斐都は本当に兄さんよりも素直でそして淫乱だ……」
満足したような清秋の表情に斐都は少しホッとする。
「僕、父さんよりも凄い?」
気になるのは清秋の中に思い出として残っている死んだ父親の清春のことだけだ。
それに気付いた清秋は笑って頷いた。
「斐都の方が可愛いよ。だって絶対に俺から離れたりしないから」
「うん、僕は清秋さんとずっと一緒にいるよ……ずっとね」
斐都がそう言うと清秋はホッとしたように微笑むのだ。
斐都は知っている。
だんだんと清秋が清春のことを忘れていることを。
その予兆が見えたのは、配信で流されている動画のことだ。
売りに出した動画で父親である清春の顔が解禁されたのだ。もちろん既に故人になっていることを付け加えてのこと。そして斐都が大学を卒業したからだ。
アダルトでも人を選ぶ配信サイトで、清春の顔が解禁されたことで清春の動画はまた再ブレイクしている。
今までモザイクだった顔が家族の許可でモザイクなしになったら長年、それを望んでいたファンはこぞって買い直しただろう。もちろんそれで文句を言う人もいたが、清春の綺麗で清楚な顔が出たことと、さらには映像が綺麗になったこと、そして何故かそれを見ていると抜けるという相乗効果でランキング一位どころか十位までをリマスター版が売り上げを占めるという状態になり、アブノーマル系配信サイトでは知らない人がいないほどになった。
さらにはその息子らしい子が顔モザイクで近親相姦セックス動画まで発売していれば話題も興味も嫌でも聞くものになった。
清春の動画が上位を占める中、そこに似た顔のモザイクなし近親相姦セックス動画が出てくれば、当然の一位を取り売り上げも配信サイト歴代一位になったくらいである。
そういうわけで斐都は、清秋に言われるがままにAVデビューを果たすも、一般的なメジャーな会社でなく、あくまで素人物の個人撮影の枠からはでなかった。
常にランキングにおり、新作が出ればメジャーな有名俳優を押しのけての一位を取るまでになった。
斐都の芸名は亜耶と付けられているが、検索のために付けられた名前で便宜上のものであるとまで記してある。というのもセックス中に名前が呼ばれるが全部無音にされるので本名を呼んでセックスをしているのだと余計に興奮されるらしい。
さらには清秋の名前はそのまま出ているため、亜耶のセックスの相手は清秋ということまでは分かっている。
よって清春と清秋が兄弟の近親相姦をしていることは顔の解禁と共に名前も解禁されたので本物の近親相姦だと企画ものにしては設定が込んでいるとまで言われる。
だからリアル感が増して、そういうのが好きな人は盛り上がっている。
清秋が自分の名前を公表したのは、これから斐都で稼げるから医者を辞めてもいいと思ったのと辞めた後でも何とでもなる身分だったからだ。
斐都はどこにも就職はせずに清秋と共にマンションはそのままで山奥の家に引っ越した。
撮影がいつでも出来るようにと、清秋がかねてより作っていたスタジオ兼自宅の屋敷が出来たからだ。
これでいつでも二人は家庭内でどこでも撮影が可能になり、撮影場所も人にはバレない。
そして斐都とのセックスを見せるために清秋は客を招いた。
もちろん触れないように窓ガラスの向こう側から眺めるだけであるが、それはそれで好評だった。
ただ二人がセックスしているだけではなく、見ている側もセックスの相手を連れてきて、その相手とセックスをしながら斐都たちも見られるのだ。
「んっ……んふぅ、ぁっ、あっ、んぁあ……ぁんっあっ、あっ、あっ! ひ、ぃぁあああん!!」
「ほら、十人以上がお前の痴態を見ながらセックスをしているぞ……」
清秋はそう言いながら中央の間で斐都を犯す。
斐都は淫らに腰を振りながら客に見られる喜びを露わにしている。
「ぃひ……っぁあ、あ、あ、あ! ふぁああ……んっいい、ぃいいいっああぁん……んふぅっあんっあんあん! おちんぽっ……おま○こもぉっあ! ぃひぃいいいーっ!!」
見ている側ももちろん、腰を振りながらも斐都の痴態に釘付けだ。
「ああ、亜耶、素晴らしい。淫乱でなんていやらしい腰つきだ、ほらお前もしっかりと腰を振れ、亜耶のようにだ」
「……あ、はい……おちんぽっあんいいぃいい……っ! もち、ぃっ、おま○こいいっあっ、んぁあ……っ」
この狂った空間に真面な神経の人はいない。
斐都や清秋が狂っているように、ここに参加した人は誰もが狂気の持ち主ばかりである。セックスは止まることなく、斐都は男たちの視線を浴び、その人たちを誘うように妖艶な姿を見せつける。
もちろんこれも撮影をされているけれど、客の姿や声は入らない。
下の階はそうしたセックス部屋になっていたが、上から見下ろす人たちはゆったりと椅子に座りオナニーをしながら二人の狂った宴に参加をしている。
どの人も亜耶のファンでお気に入りである。
だから、彼らは亜耶を抱かせて貰うためにこの場所に来ている。
「はぁあ……おちんぽっぁっ、あっ、あっんふぅっ……ぁん、あんっ……んぁあっ」
清秋によって撮影がされていくと、清秋が中出しをしてベッドから離れる。
すると二階にある男たちの部屋のドアが開き、男たちが自由に斐都の側に来られるようになる。
ぐったりとしている斐都に男たちは我先にと群がった。
「私が抽選で先だった」
そう言い既にセックスをする順番を決めてあるので、順番通りに男たちが斐都を犯す。
斐都はそんな男たちに笑顔を振りまいた。
もちろん顔が解禁されているから斐都の顔を知っているけれど、こういう間近で見る笑顔はきっと彼らの琴線には触れただろう。
アナルを使えないならばと斐都のペニスや乳首、そして口にと群がってのセックスになった。
「ああっんっあああんっおちんぽっんっいいっ! そこぉっそこ、あ! あ! あっぁあ! あぁんっ、ぁんっあんっあっあぁあーっあ! あんあんあん! おちんぽっ、しゅご……っそこぉお!」
「ああ、亜耶……素晴らしい、中がトロトロしてる……」
「乳首も美味しいよ……亜耶」
「んふぁちくびっいいっあああんっ! あ゛ああっ……だめっ、おま○こにおち○ぽ気持ちいいっ、んひっ、い゛っ……あっ、あああっあ゛っ、おち○ぽ…あっあ゛っ、ん゛っあああっ」
斐都はそんな男たちに犯されながらも、男たちを煽り続け男たちは斐都に夢中になった。歴戦のセックス上手であろうが斐都は清秋から教えられた通りにしたら、男たちが忽ち自分に夢中になることを知っていた。
「あ゛ひっ……んっあっあ゛っ、あはぁっ……んんあぁあっ…ひっ、あへっ…あっ、おま○こにおち○ぽいいっあんああっああぁっ! あっあぁんっ……おちんぽっふかいっ、あっあっあっ……あひっ……あっあんっあっ……はっ、はぁ……あぁあっ……」
さっそく最初の男が斐都の中で中出しをすると、別の男が斐都にのし掛かる。
後ろから突き上げ、乳首には両方を舌で舐められて、ペニスすら口で咥えられて全部を攻められて斐都はそれに満足していた。
「あぁっ……あぁんっ……らめぇっ……はぁっ、おちんぽっおま○こにはいってるっああんっいいっああぁっ……あぅっ、ひぁん、あっあっあんっあぁんっ! やああっ、おま○こにおちんぽっいいっ……あっあっ、あーあーっ……」
複数の男に抱かれるなんて最初は嫌だったけれど、それも数を熟すうちにだんだんと気持ちが良くなるなら誰でもいいのだと気付いた。
清秋以外は全員同じで、誰が誰でも変わりがない。
清秋ほどの気持ちよさは感じないけれど、清秋よりも執拗にそして全員が絶倫でセックスの時間が異様に長いことが斐都は気に入っていた。
男たちの斐都を見る目、野獣の獲物を見る目は斐都を余計に興奮させる。
斐都を犯したいと思っている男の目は、本当に昔から好きだったのだ。
あの結城ですらそういう目で斐都を見ていた。
「ああぅっ、いいっおちんぽいい、おま○こっ奥まで突いてっ、はああぁんっあ゛ああんっああっ!! ああああっあっぁっあっ、いいっ、おちんぽっきもちいいよぉっ……、あああぁんっ」
狂乱の時間になる。
斐都に群がる男たちの性欲は、斐都が一人で受け止めた。
「あっあっあひぃっ! あっあぁっ、あひぃ、あああっ……、あぁっ、こんなっ、はぁっ、あぁっ、あっああぁっあひぃっ! あんっ……あっあっあああぁぅっあっやっ! あぁーっ……らめぇっ、んっはぁっぁああっ」
斐都の狂った性欲に男たちは次々に食らい尽くされて引き上げていく。
「あぁっあっ、あんああっ、あぁあんっんっんっ……はぁっぁ、あぅんっすご、いっ……ひゃぁっあっはぁっ、あぅんっあぁあああっ……あああっ、あぁああぁんっああっ! あっいいぃっひぅっ、あっ、あぁんっ! あぅっあっあんっいいっ、んっ、ひああぁっいいよぉっ」
最期の一人まで食らうのに掛かる時間は三時間ほどだ。
どんな絶倫も斐都の手に掛かると自信喪失するくらいに斐都の絶倫には叶わないという。
それらを見下ろして清秋はほくそ笑む。
どんな男が現れて自分の方が凄いのだと見せつけてきたとしても、斐都の前では子供同然である。
清秋よりも優れたところを見せて斐都に取り入ろうとする者もいるが、斐都はそれに陥落することはない。
斐都には二重三重に暗示をかけているのと、斐都が清秋を好きでいる限り、清秋以外の男に靡くことはなかった。
斐都にとっても清秋はもはや肉親以上のもので結ばれている。
斐都が清秋を裏切ることはない。
それは斐都が自分に暗示がかかっていると知っているのに抵抗をしないからだ。
斐都は暗示に掛かりにくい性質であるが、それでも清秋がかける暗示に悪いことは何一つもないと信じているのだ。
そして斐都は何よりも恐れているのが、自分が父親と同じく清秋を裏切って自殺をしてしまうことだった。
その恐怖はいつか我に返ったときにくる反動であることを斐都は知っている。
だから清秋が暗示をかけてくれる限り、自分が愛されて必要とされていることを自覚しているのだ。生存本能とでも言おうか、斐都はそれが強かった。
「あっあんっあんっ、もうっ、らめっおま○こっ、ぐりぐりされてぇっ、きもちいいよぉっあぁーっ、いくっ、おちんぽでいくっ! ひぃあああんっ、いっちゃうよぉっ! あっはぁあんっ! ああ、おま○こに中出しされてっいっちゃうっああんあんあんっ!」
最期の一人を撃沈させて清秋は映像を止めた。
この宴の全てを撮影してある。
というのも彼らの中に裏切り者や通報者が出た場合の保険だ。彼らもそれには同意している。
それくらいのリスクは誰でも背負うべきであるからだ。
彼らが何か清秋に不利なことをすれば、それがバラ撒かれてしまうという算段であるが、それは双方にとって良くないことである。
だから裏切りそうな人は呼ばないし、参加もさせない。
せいぜい、配信されている動画で満足するべきである。
客を送り返し、全員が帰ったのを確認すると斐都は既に部屋を出ていて、寝室に戻ったようだった。
清秋は後片付けをしてから寝室に戻ると斐都が寝ている。
「今日も頑張ったね、斐都」
まだ眠りに入っていなかった斐都は目を覚ましてから清秋を引き寄せてのし掛かる。
「はぁ……あん、んあっ、もう清秋さんのじゃないと、やっぱり駄目……ちょうだい」
そう言い、斐都はすぐに清秋のペニスを勃起させると跨がってアナルにペニスを挿れた。
「ああんっあぁっ、やっぱりこれじゃないと……あんっ……あっ、ああぁっあぁっそんっ……はぁっ、ああんっ! んっあぅっ……あっあぁっあぁっ、んんっ、ひぁんっ……! あっ……あぁっあっおちんぽっでっ、おま○こぐりぐりって、あっやっ、あはぁんっ……」
斐都の素直な言葉に一番安堵しているのは清秋だった。
いつも斐都はこう言い、清秋を最期に求める。どれだけの男に抱かれても清秋以外は肉棒でしかないのだ。
斐都にとって心が繋がっている清秋以外はセックスで気持ちよくなれるだけの道具でしかない。
それを斐都はいつも態度で示してくれる。
清秋にとってこれが聞きたいがために他の男に触らせているところもあった。
歪んだ愛は十年以上の時を経て歪んだ子供を大人にした。
洗脳して抜け出せないようにして、何度も何度も暗示をかけて、すり込むのだ。
そうしないと清秋が斐都に捨てられてしまうからだ。
兄の清春がそうだったように。
清春の自殺は、そうした不安を感じた清春の自滅で終わった。
医者になった清秋がいつか自分を捨てていく未来を恐れ、怖いと言いながら飛び降りたのだ。けれど、それは工事現場の事故と重なり飛び降りたことにはならなかった。
けれど飛び降りたのは事実だ。
だって清秋の目の前で飛んだのだから。
そのトラウマゆえに兄を憎んで映像を売り、死んでいないのだと思うことで心を保ってきた。
でも斐都と出会い、その兄の素質を持ちながらももっと狂った存在である斐都に清秋は惹かれた。
この生き物は俺がいないと駄目なのだと思わせるほどに、斐都は狂気に染まりやすかったのだ。
だから人を遠ざけて暗示をかけ、清秋以外の誰も愛さないようにした。
結城なんて最も駄目な人間で、あれは既に持てあましていた。
斐都を締め付けることは清春の二の舞で、清春は普通であろうとして精神が病んでしまったのだ。
斐都は解放して、そして誰よりも強くあるように、暗示をかけた。
清秋もまた自分に暗示をかけた。
斐都を常に思っているように、誰よりも深く愛するように。
ない心を暗示で積み上げて、今ようやっと愛していると思えている。
「あぁんっ、あんっ、あんんあんっんっ、あぁっ、あぁん……きもち、い……おちんぽ、いいっあぁあっ……あぁっ、おっきいっおちんぽがぁっ……おま○こ、ごりごり擦ってっはあぁっ……んっあぅっ、きもちっ、いいっ……!」
「斐都、愛しているよ……斐都」
「あぁっ! あっ僕も、愛してる……あっあひぃっ……おちんぽっすごっあんっはぁっあぁんっあぁあっ……あっぁん……あぁあっあんっいぃっ……おちんぽっいいはぁああっ……あっ、もっ、おま○こっあん、おちんぽっああんっあんっぁあああぁんっ」
「斐都、斐都……ああ、凄い、まだこんなに足りていないなんて」
「ふあっあっ、あっらめええっ、激しくおちんぽでおま○こぐりぐりされたらっああんっきもちいいっああんっああんっああっああっんっいいっ……おま○こっ……ああんっらめっおかしくなる……ああんっああいいっきもちよすぎるっいっちゃうっいくいくっああん!」
「ああ、出る、斐都中出しするよ……精液を中出し」
「あ゛っ精液くるっああっあっいくっ、い゛ぐっおま〇こイっちゃうっ……ひぁっ、あ゛っ、ひあん゛っあっ、あ゛ああっあぁっらめっ……ああんっおま○こに精液きたっああっああんああっ」
二人は絶頂をして精液を吐き出した。
それでも止まらずに二時間ほど二人で抱き合い、やっと斐都は気絶をしてくれて眠りについた。
明け方近くまでの行為はいつものことであるが、斐都の性欲が解放されてからは清秋すら持てあますほどになってきた。
「いつまで、俺が持つのかな」
清秋はそう呟き、愛しい斐都を見る。
この積み上げた性欲の塊である化け物をいつまで清秋が制御できるのか分からない。
いつか持てあまして、手放すときが来たら清秋はどうなるか。
そして斐都もどうなるかそれは分からない。
けれどそれは暗示が解けることになる。
きっと清秋は生きていられないだろうが、斐都はもっと高みへと飛び立つだろう。
それが分かるから、清秋は暗示をかける。
ここからいなくならないでと、一生懸命暗示をかけるのだった。
感想
favorite
いいね
ありがとうございます!
選択式
萌えた!
面白かった
好き!
良かった
楽しかった!
送信
メッセージは
文字まで、同一IPアドレスからの送信は一日
回まで
ありがとうございます!