The Garden of Eden

9

 雪月が次に目を覚ました時は、すでに朝日が昇っていた。
 慌てて起き上がってから、雪月は自分がまだあの屋敷にいることを知る。
「……あ、ここ、清瀧の部屋……」
 部屋の中にはベッドしかなかったけれど、そのベッドの枠組みは清瀧が使っていたままのものだ。二人でふざけて書いたサインがベッドの端に書いてある。
 それには意味も分からずに書いた相合い傘の中に二人の名前がある。
「ああ、これ……これじゃあね……」
 ちょっとだけ雪月は笑ってから起きた。
 近くのテーブルには服がある。雪月にそれを着るようにという清瀧のメモ用紙が置いてあった。
 着てきた服は清瀧が裂いてしまったから、もう着られないくらいにボロボロだろう。
 側にあった水も飲むようにと書いてあったので飲んだ。
 今更何か入っているなんて疑うほど、今更過ぎる。
 スマホがその隣に置いてあり、それは雪月のものだった。ランプが点滅しているので、確認すると着信は五十件を超えている。
 全部が上坂からで、一日中暇があれば連絡をしてくれていたようだった。
 雪月はメッセージアプリを起動すると、着信したメッセージが一気に読み込まれる。それは百件を超えており、しばらくアプリが読み込みで作動しないほどだった。
 最初から読んでみると、どうやら国崎が清瀧を煽ってしまったことを謝るものから、連絡が取れないこと、清瀧も捕まらないこと、有信と合流していることなどが書かれている。
 そして最後には「死んでないよね?」という確認だった。
 それに対してやっと、雪月は返信した。
「生きてるよ、大丈夫、ちょっとまだ状況が把握できてないから、帰ってからでいい?」 と書き込むと即返事が返ってきた。
「早く状況を把握して!」
 という内容だったので、雪月は着替えてから一階に下りた。
 清瀧の家は自分の家以上に把握しているので、居間を覗いてから清瀧がいないのか探したが、見つからないので雪月はゆっくりと書斎に向かった。
 雪月が来る音が聞こえたのか、部屋のふすまを開けると、清瀧が書斎の椅子に座っている。そしてこっちを見ていた。
 その姿は清流によく似ていたけれど、それはきっと勘違いだと雪月は思った。
 だって清流は、あんなに悲しい顔をしない。後悔して泣きそうな顔なんかしたことはない。
「……もう自由だから」
 清瀧がそう言うのだが、雪月は部屋に入った。
「……もっと怖いとか嫌だとか色々感じるかと思ったんだけど、せいぜい外見くらいでびっくりした程度だったね」
 雪月がそう言い出して、清瀧は驚いている。
「僕を愛しているって?」
 そう雪月が詰め寄ると、清瀧は雪月を見上げたままで言う。
「そうだ……お前は違うだろうが」
 そう言った。
「いつから?」
「……中学の時にはもう意識していた。でも、それは違うと思った。だから離れようと思ったし、発散するつもりで柔道にのめり込んだ」
 そう白状されて雪月は笑い出してしまった。
「あははは、なんだ、あははははっ」
 そう笑う雪月に、清瀧は驚く。
 最初は馬鹿にして笑っているのかと思ったが、次第にその笑いは鳴き声に変わってしまった。
「だったら、なんで僕は我慢をしたんだ……っ」
 そう言って雪月は泣き崩れる。
 清瀧は慌てて雪月の側に駆け寄った。
 それを雪月は撥ね除けて叫ぶ。
「お前ら、本当に僕のコトなんてどうでもいいんだっ! 僕が何を思っていてもそうやって、勝手に僕のことを好きにするんだっ! お前ら皆、勝手ばっか! 我慢して耐えていた僕が、一番馬鹿じゃないかっ!」
 雪月の声は今まで我慢してきた声だった。
 雪月はいつでも誰かに利用されて振り回された。
 生まれた時から母親に道具にされ、友人の父親に犯され、それを友人の母親に利用され、そのせいで母親さえ失った。
 一番は、清瀧を失ったことだ。
「ぼ、僕だって……お前のこと、好きだったよ……ずっと……なのに、おじさんに犯されたっ! お前を好きなことをバラすって、お前はきっと許してくれないってっ! なんだよそれ、今更、なんだよそれっ!」
「雪月っ!」
 暴れる雪月を清瀧が抱きしめるが、雪月はそれでも暴れた。
「何だよっ! 最初にそう言えよっ! お前なんて、なんて大嫌いだっ! 僕をっ僕を愛してるなんて、絶対嘘だっ! おじさんと張り合ってるだけだっ愛なんてっ!」
 雪月の取り乱しようは、清瀧には意外過ぎた。
 真面目で強いはずの雪月に見えていたけれど、そうするしか生きていく術がなかっただけだったのだ。
 同じように生きてきた清瀧だからこそ分かることでもある。
 雪月はまだ清流に捕らわれたままである。
 そんな雪月に清瀧は言った。
「親父は、一年前に死んだ」
 それを聞いた雪月は、ぴたりと暴れるのをやめた。
「…………え?」
 意外な言葉だった。
「……元々、捕まってから精神が不安定で警察病院に入ってたらしい。それで出所したんだけど、また入院になって、病院で飛び降りたって」
 清瀧がそう言うので雪月は、もうこの世に清流がいないことで全てが終わったのだと気付いた。
「……終わってた……もう終わってたのに。なんで掘り返した」
 清流が死んでいたら、それこそ清瀧はなんでそのことを理由にしたのか。
「親父が手記を残してた。飛び降りた後に俺のところに届いた。それには……雪月のことばかり書いてた。愛してるって」
「…………違うよそれ、僕はおじさんに愛されてないよ」
雪月はそう言い、清瀧の間違いを修正するように言った。
「おじさんは、僕のお父さんの、真則と付き合っていたんだって」
 そう雪月が言い出すと、清瀧はそれは初耳だと驚いている。
「ばあちゃんが言っていた。元々おじさんとお父さんは付き合っていて、そのうちおじさんにおばさんという婚約者がいるから別れたって。それでお母さんと結婚したって。ばあちゃんはお父さんと結婚はやめろって言ったみたいだけど……」
 雪月はそう言い出して、清瀧は混乱している。
「じゃあ、この手記はなんだったんだ?」
 そう言って清瀧はその手記を出した。
 雪月はそれを手にしてパラパラと中を開いて軽く読んでから清瀧に言った。
「おじさんの妄想。じゃないかな。僕とお父さんを混合しちゃってたんだと思うよ」
 清流と真則が付き合っていたのは中学生から高校までだ。大学に入ってバラバラになり、和加奈の登場で真則は和加奈に吹き込まれて、清流の婚約者のことを知った。そして和加奈に言われるがままに清流と別れた。
 清流はこのまま真則とどうこうなれる未来が見えず、婚約者の存在を認めたせいで、真則は和加奈と結婚して清流の前から消えた。
 そして八年後に戻ってきた。
 その時、清流は真則の現在ではなく、清流がよく覚えている思い出の真則によく似た見慣れた姿をしている雪月に関心を示した。
「お母さんはお父さんをおじさんに取られたくなくて、僕をおじさんに差し出した。けれど、僕を庇ってお父さんが死んだ」
「雪月……おばさんは……」
「何処にいるか知らないよ。隣の家だってお母さんがいつの間にか売ってたのをさっき知った。僕をおじさんの盾にしておきながら、お父さんを殺したって言って、僕を捨てたのに、おじさんに犯されてるって知ったら、僕を罵倒した、寄りにも寄ってって、自分で差し出しておいて……」
 あの当時の理不尽は、後になって理解した。
 真則を取られまいとして息子の雪月を差し出し、その真則が死んだことで息子を捨てたのに、その息子を差し出していた事実をなかったことにして罵倒した母親。
 そのおぞましさゆえに、雪月は女とは寝られなくなった。
「僕は誰にも愛されてないよ……僕は誰にも。お父さん以外、愛してくれなかったよ。知ってるよ、陽菜おばさんも僕のことは嫌いだったよね、知ってる、そういう目で僕を見ていた。みんな、僕のことが嫌いなんだよ……」
 そう言って雪月は泣いて、清瀧はやっと自分の理不尽な復讐は意味がないことを知った。その復讐が雪月を更に傷つけ、雪月の愛されていないトラウマを抉り続けていた。

「愛はよく分からない、俺も、お袋に捨てられた……」
「知ってる。だからばあちゃんは、大人たちが勝手して子供を不幸にしたって言っていた。元々、愛なんてなかったところに生まれちゃったんだよ、僕らは……」
 雪月はそう言って泣きはらした目を擦り言う。
「これでも愛を語るの? 僕は愛を知らない。誰にも愛されてない。きっとお前の愛とやらも、勘違いだ」
 雪月の言葉に清瀧は一瞬たじろぐが、それでも続けた。
「ずっとお前のことばかりだ。俺も愛は分からないけれど、お前に対する気持ちを言葉にしていくと、それを愛だと言われた。お前に対する執着は確かに親父のせいだけれど、親父が云々の前に、俺はお前が好きだった、意識して側にいたくないほど」
「どうして側にいてくれなかったの……そうすれば……」
「お前と同じで、バレて嫌われるのが怖かった……お前に嫌われるより、離れる方がいいと思ったんだ……だからにくかった、なんで俺じゃなくて親父なんだって……だから、親父がいいなら、俺でもいいだろうって……でもそれは違う……ただ、俺は……雪月が好きだ……それだけなんだ……」
 清瀧はもうめちゃくちゃになってしまった感情をまとめることができず、ただ正直に自分の気持ちを話した。
 それは雪月の心に突き刺さる。
 ただ好きだったという言葉が何よりも雪月が欲しかった言葉だった。
「僕で、いい? 僕は愛は分からない、けれど清瀧は好きだよ……」
 ただ中学生の時の気持ちのまま、純粋に好きだという清瀧に感化されて、雪月はそう清瀧に言っていた。
 清瀧はそれを聞いて雪月を抱きしめた。
 強く強く抱いてから言った。
「それがいい、お前がいい。お前じゃなきゃ駄目なんだ……」
「うん、嬉しい……僕もお前がいい」
 雪月がそう言うと清瀧は雪月を強く抱いて背中を撫でた。
 雪月は鼻を啜りながらも、口の端が上がってしまう。

 ――――――やっと清瀧が手に入った。

陵辱を受け、遠回りをしたが、清瀧からこっち側に来てくれた。
 そうでもしなければ、きっと手に入れられないまま終わっていた。
全ての行いがここに続いているならば、雪月はそれを全て認めようと思った。


 二人はその家にもう一日滞在をして、汚した部屋などを綺麗に掃除をしてから、家を去ることにした。
 その時に、雪月は清瀧から清流の妄想が書かれた手記を預かった。
 もう清瀧には必要な物ではないし、かといってそのまま捨てるわけにはいかないので、雪月が自ら精算をするために処理場に持って行くと言ったのだ。
 雪月は駅でまだ用事があるという清瀧と別れ、タクシーで処理場に行った。
遺品を燃やすのだというと、タクシーの運転手は納得してくれて、処理場の人も受け入れてくれた。
 処理をしてしまうとあっという間に高温の炎に飲まれ、手記は消えた。
 これで誰もあの手記のことを知ることはできない。
 燃えてきた瞬間、雪月は微笑んだ。
 あの手記は、清流が書いた本物の内容の手記である。
 妄想は一切入っていなかった。清流が雪月を愛していると言っていたというなら、本当にそうだったのだろう。けれどそれはもう闇の中だ。
 手記の内容は、雪月と行った全ての行為がよく覚えていると思うほど詳しく書いてあった。清瀧はそれを隅々まで読んで、そして雪月の痴態で抜いたのだ。
 そんな自分に嫌気がさして、今回の復讐のきっかけになった。
全てが運命だとして、清流に犯されることで清瀧が手に入る流れであったなら、雪月は何度でもその苦行に耐えてやると思った。
 しかも清流に犯されている雪月を見て、オナニーをして抜いたなんて白状された。それだけで性的な目でずっと清瀧が雪月を見ていたという事実に、雪月は嬉しさのあまりに失神しそうだった。
 愛なんて語られるよりも、性欲に忠実に求められる方が雪月には好きという気持ちが伝わる。
 それくらいに雪月は歪んで育っていた。
 親から愛情らしい愛情は貰わず、大人に食い尽くされて利用されてきた雪月は、清瀧よりももっと深いところで完全に壊れていた。
 この好きが何処まで続くのかは分からないけれど、雪月は清瀧が好きだった。
 昔からこの気持ちは変わってなかったし、今でも清瀧に抱かれるだけでどうしようなく感じた。
 だからきっと気持ちは変わらないだろう。


 それから自宅に帰ってからは、上坂には怒られるし、国崎には煽ってごめんと謝られた。
 それでも上手くいったから大丈夫だと二人を宥めた。
 二日休んだ大学にも通い始め、清瀧も大学に復帰した。
 大学内では一緒に行動することはなかったけれど、住んでいる場所を近くにして、お互いの家に行ったり来たりをする関係になった。
 雪月は、すぐに祖母に清瀧と付き合うようになったことを告げると、祖母は「そうか、良かったな」と言った。
 どうやら、雪月の思い人の話は知っていたらしい。
 大学では一緒にいることはなかったので、そのまま上坂以外にはバレないままで、大学は卒業をした。
 清瀧は実家を取り壊して土地を売った。
 親族も清瀧が雪月と付き合いだしたことに文句を言ったけれど、収まるところに収まったという見方もあるかと、そのうち何も言わなくなった。
 二人は昔の事件に関わり合いにならないように、海外に出ることにした。
 雪月の祖母は雪月の道が見つかったと報告を受けた後、肺炎でこの世を去った。
 全ての処理を終えた雪月は、祖母の家も処分をした。母親は何処にいるのか分からず、祖母の関係を探したが見つからず、遺産は雪月が相続した。
二ヶ月ほど準備をしてから、雪月はアメリカに飛んだ。
 

 アメリカで最大級のアダルト動画サイトを運営している会社に、国崎が引き抜かれたのをきっかけに、雪月もそこに引き抜かれた。
 そのことが海外に出る決心に繋がった。
 清瀧は親族の系列会社に入ることができた。ちょうど海外転勤の枠があり、永久渡米になるかもしれない話があったのでちょうどよかった。
「雪月、今日は何時上がり?」
「今日は夜勤だよ。だから、夜はお預けです」
 清瀧が会社に出かける準備をしているのを雪月が邪魔をして、清瀧のペニスを咥えている。
「ん゛ん~っ……ふっ、んっぅん、んむっ、美味しいっんんっ」
「…………んっうっ」
「んんっ……らしてっせいえきっ……んふんむっ、んっんっん゛~っ……」
フェラチオをして早急に清瀧をイかせる。そして吐き出された精液を飲み込んで雪月は満足したように笑う。
「ん゛ん~っ! んっふっ、おいしいっんふっ」
そんな雪月を見ると、清瀧のペニスがまた勃起をする。
 食事が終わったテーブルに清瀧は雪月を抱き上げて乗せると、すぐさま雪月のアナルをペニスで開いた。
「あっ、おま○こに、はぁっ、おちんぽハメて、いっぱいおま○こをいやらしく突いてっあ゛っ、あ゛あっあ゛っひっ、いいっ、い゛あぁっ」
 雪月が誘って、清瀧は雪月を犯してくる。
 それは朝一番というのに激しく力強い。
「あひっあっあっ……い゛っあんっあぅんっあ゛っあっあっあああんっ! やっあ゛っあぁっんあっあっ」
「くっ……はっ中がトロトロしてる、気持ちが良いなっ」
「あっいいっあ゛っあんっあんっあんっあっあっひっあああんっあ゛っ……おちんぽっいいっあっあんあんあんあんあんっ!」
「雪月……っ いいぞっ」
「あんっあんっあんっ! あ゛ひっんっあぁああーっああぁっ……、んっあっあっ、あんっあ゛はっうあっんあ゛っあんっきもちい、あんっおちんぽでゴリゴリされるの気持ちいいっあっひあぁんっ」
「こうされると、たまらないんだったよな?」
 そう言って清瀧が雪月の良いところを抉るようにペニスで擦り付けてくる。
「あっいいっ……ひっあっあっあ゛あああっあひっい゛いっあっあっあっあんっあっすきっいっおちんぽっあんっあっ、すき、い゛っあああっあっんっんんっ」
雪月は激しく乱れ、腰を振って清瀧のペニスで抉られる。清瀧も雪月の煽られて激しく腰を振って雪月の中を堪能する。
「雪月、ああっ雪月っ」
「ああぁあぁんっはぁはぁもっと突いて、おちんぽでおま○こ突いてぇっ……気持ちいいからっ、おちんぽでおま○こグリグリされてきもちよくなっちゃったから……、おま○こ犯してほしいっ、あっあああんっ!」
「どんどんいやらしくなっていくな、雪月、いいぞっ中に出すぞっ」
「あ゛ひっあ゛っあ゛っあああっ! いやっあっあんっあんあんっあ゛んっらめっ、おま○こ、おちんぽっいいっ、あっあひっあ゛っあんっあんっあんあんっあ゛っあひぃっ! いいっああっん、せいえき……らしてっいくっいくっああぁんっ!」
「……ふっ」
 絶頂して雪月が潮を吹くと、清瀧は雪月の中に精液をたっぷりと吐き出した。
「はぁあ……ぁ、あ……でてる……おま○こに精液おま○こにきた……ああんっ……ひあぁ~っ……うあっ、い゛っあっあはぁんっ」
 それと同時に清瀧のセットしたスマホのアラームが鳴る。
「あ、遅れる! 雪月っいってくる」
 清瀧は慌てて雪月のアナルからペニスを抜き去って、ペニスをしまうと玄関に走って行った。
 それをアナルから精液を垂れながらしながら、雪月はその場で見送りながら言った。
「……あんっいってらっしゃい、清瀧……」
 満足するセックスをしてもらって雪月はご機嫌だった。
 清瀧の性欲は異常に高くなり、雪月が求めるだけ求めても本人はけろりとして元気に会社に行けるほど体力が有り余っている。
 海外に来てから、清瀧は気分的に解放されたのか、機嫌もよく、暗かった雰囲気もすっかり変わった。
 あのまま日本にいたらお互いに腐って終わっていただろうから、海外に出たことは正解だった。
 ゲイのカップルとしてやってきた日本人であるが、周りはそれくらいで驚くような人はいなかった。むしろ若いのにしっかりしているとまで言われ、褒められた。
 さらにはあの事件を知っている人はいないので、清瀧と雪月が一緒に歩いていても誰も何も言わない。それが二人には心強いものになった。
「さて、片付けしなきゃな~」
 そう言ってやっと起き上がって部屋を片付ける。
 用事をして過ごして、夕食を作って置くが、先に雪月は自分だけ食べてしまうと、夜になる前に、慌てた清瀧が戻ってくる。
 そんな清瀧が服を脱ぎながらやってくるのを見て、雪月は裸エプロンで丸出しの尻を突き出して言うのだ。
「……ぁっ、ほしぃ……あぁっ……あっ……おちんぽぉっ……僕の、おま○こにいれてぇっ奥までいっぱい突いてっ、あんっあああああっ!!」
「……雪月、ああ、いただくよっ……はあ」
 それを見て興奮した清瀧はすぐさま雪月に飛びついて、ペニスを取り出すと雪月の中にペニスを挿入れる。
「ああぁっ、はいって、るっおっきいおちんぽがぁ、ぼくのおま○こにっ、あっああんっ」
「雪月っああっこれだこれだよ……もう朝からずっと雪月を犯すことばかり考えてたよっ」
 待ちきれなかったというように、清瀧は激しく雪月を犯し始める。
「ああああぁんっ! ああぁっ、あんっあんっ、ふぁっ、らめえええぇっひっあああぁっ、やっ、あっあっぁんっ! ふぁっ、ぁっ……」
「ああ、すぐでそうだ。どうする雪月」
「ひぁんっ! あぁっ、おま○こにくださいぃっ、清瀧のせいえき、僕ののっおま○こにぃっああぁっいくっ、せいえききてっああっ! んんっ、あんっあんっぁあんっあああああぁっ!!」
 がくがくっとあっという間に達するのは一日中、清瀧に犯されることを雪月も待っていたからだ。
「ふぁっ……ぁっ……せいえき、いっぱい……ああんっ!」
「雪月、あと一時間……たっぷりな……」
 そう言うと、清瀧は雪月にキスをして後ろから雪月を犯す。
 あと一時間というのは、雪月の夜勤の出勤時間だ。
「んん~っ、ふっん、ん、ぅんんっあぁあんっいっぱいイって、イってっあひっあっあんっ清瀧のおちんぽ好きっ……、ぼくの淫乱おま○こで、いっぱいイってっ……あっあんっあんっああぁんっぁっああんっ……んあっ……、ん、んう、んっんんっ!」
 雪月は出勤時間までたっぷりと清瀧に犯して貰った。
 満足したようにたくさん絶頂をして、雪月は夜勤に出た。

 こんな日常が二人の日常であるが、それなりに狂った人間の堕ちたところにしては平和で平穏だった。
 壊れた心は戻らず、愛が愛かも分からず、二人はただ好きという昔の感情だけで繋がっている。
 その感情が愛に繋がらなくてもそこが天国だったならそれでいいと、雪月も清瀧も思っていたのだった。

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