恋愛感染エゴイスト 5

どうしようもない愛しさ

 弥斗(やと)が目を覚ますと、いつも横に三沢がいる。

 何度怒鳴っても彼は弥斗の隣に潜り込んでくるのだ。寝ている間にいつの間にか入り込んでいるから、ぐっすり寝ている弥斗は気づかない。それどころかマズイことにその隣にいる物体がとても気持ちいい温さを持っているものだから抱きついてしまう。

 クーラーがきっちりと効いた部屋。空調も代わりに回しているのもあり、いつも全開で動かしているから朝方は寒いけれど、やはり寝起きに暑さを感じるから止めることも出来ないでいる。

 夏のべっとりとした暑さが苦手な弥斗は、多少寒くても布団に入って暖を取る方が好きだった。そうした中に温さが持続するものがいるわけで。

「つか……何回言っても入ってくるよな、こいつ」
 一度は殴って追い出してみようとしたがそれも体格の差で無理なのは一度目で分って懲りた。
 というのも、足で蹴り倒したところ、その足をがっしりと掴まれ、俯せにされたと思ったら、三沢の指が速攻で弥斗のあそこの孔を攻めてきたのだ。

「お前……起きてるのかよっ!?」
 そう疑う程の的確さで攻められて弥斗はまた翻弄された。

「や……あさっから……も……やめ……ああっ」
 何時の間に用意したのか分らない潤滑剤まで使われて、孔をほぐされた。
 ぐしゅぐしゅと音が聞こえて来て、そこに三沢自身を押し込まれる。

「ああ……あ……あ……んん……あっ」
 しっかりと大きくなっている三沢の熱いものが中を押し開いてくる。その圧迫感にはもう慣れていたから、どんどん呼び込むようになってしまう。

「ふ……あ……ん……ああ……ん」
 腰を突き出したままで腕には力が入らず、弥斗はそのまま体が崩れてしまい、枕にしがみつくようになる。

「……朝から元気だな」
「……っ、元気、なのは、お前だっ!!」
 ふと漏らされた一言に弥斗はキレる。大体寝起きから人を襲おうなどとするものには今まで出会ったことはなかったのだ。

「ん? じゃこれはなんだ?」
 そう言われて手を前に回されて勃起しているものを握られた。
「そ……それはっ……ああ……だ、め」
 ゆっくりと扱かれるとどうしようもなくてたまらなくなる。三沢の手は弥斗のいいところを知り尽くしていて、指で先端を撫でるようにひっかいたりすると弥斗が喜ぶことを知っている。

「あ……や……それ……やぁ……っ」
「ああ、締め付けてきて、とてもいい……」
 三沢は弥斗の内部が締め付けてくるのを気持ちよく感じているような声を出す。
 その色っぽい声に弥斗は顔を真っ赤にする。この声には何故か弱い。大人の色気というものを感じる瞬間でもある。

「……んん……あ……う……」
 がくっと崩れそうになる腰をしっかりと片手で三沢が支えると、そのまま腰を動かし始める。     

「やだ……やっ……こんなの……っ」
 振り回されそうで一生懸命掴んだ枕の手に三沢の手が重なる。ぐっと深く突き入れられて弥斗は体を震わせた。

「ああ……んんんっ」
 感じすぎて抵抗する気さえなくす。頭の中はもはや三沢がもたらしてくる快感のことでいっぱいになる。
 三沢が弥斗の耳にキスをする。

「んあ……あ……だ、め」
 それだけでも感じてしまうからどうしようもない。
 限界がもう近づいている。

「ああ……もう……も、う……いっちゃ……うっ」
 その声に合わせるように三沢が一気に腰を強く突き入れて動かす。それだけでもう声は甘くかすれてしまった。

「ああぁぁぁ――!!」
 びくびくと震えて弥斗が達すると、三沢も何度か打ち付けて達する。中に温かいものがあふれてきて、弥斗はそれを感じて更に震える。
 快感でまだびくびくしている体を三沢はゆっくりと撫でて、そして口づけていく。優しく愛おしいものを大事に大事にしているかのような甘い口づけだ。

 そして前を濡らしたところに到達すると、そこも綺麗に舐めてくる。
 弥斗の足を広げ、萎えたそこを掴み、その周りに散ったものを舐め取る。そして最後には弥斗自身をも口に含んでじゅるじゅると音を立てて舐めていく。

「んあ……もう……やめて……」
 このままでは体が変になるから怖い。だからやめてほしいのだが、三沢がそんなことを聞くわけもなく、音を立てて更にいやらしい舌使いをするのだ。

「あ……あん……あっ」
 萎えていたものがまた勃起をして、弥斗の足が震える。
 そして強く三沢の口に吸われるとそのまま達してしまった。

「ああぁぁ……っ」
 びくびくっとして完全に力が抜けた体を三沢は抱きしめてくる。
 だが、これだけでは終わらないのはいつものこと。そのまま伸びてきた手が乳首を摘みいじり始めると、また弥斗の口からは甘い快感を感じるという声がもれる。

「も……やだあ……」
 思わず本気泣きが入ってしまうのはもうずっとそうなのだが、三沢はそんな弥斗を優しく口づけをして誤魔化し、結局何ラウンドもしてしまうんだった。
 

    
 そんな経緯があるものだから、容易に三沢を起こすことは出来ない。弥斗にとって寝ている三沢でさえ危険なのだ。こいつはエロイことしか頭にないとしかいいようのない変態なのだ。

 ゆっくりと腕を抜け出して、ゆっくりと部屋を抜けした。これで何時間は三沢から解放される。はずだったのにだ。
 閉めたドアが急に開いたかと思うと、そのまま弥斗はすぐ傍の壁に押しつけられた。

「み、三沢っ、起きてたのか……っ」
 なんとか無事に抜け出したと思っていたのに、三沢は弥斗を見下ろしている。目は真剣だった。

「温もりが消えたら普通起きるだろ」
 三沢はそう言ってそのまま弥斗を腕を封じたままキスをする。
 首を振って逃れようとするも上手くいかない。唇の隙間から温かいものが侵入してくる。それが三沢の舌であるのはもう分っていることで、それが中に入ってくるとどうして逆らえない。
 キスが気持ちいいことを知ってしまったからだ。
 抵抗することをやめて舌を絡ませるとやっと隙間から息をさせてもらえる。

「ん……ふあ……」
 散々キスをした後に三沢は自分を指を弥斗に舐めさせる。口の中に指が入ってきてそれを舌で絡めて舐めると、三沢の指が舌を撫でるように動いてくる。
 そうして濡らした指を抜き取ると、ワイシャツ姿で下着さえない弥斗の穴にゆっくりと沈めてくる。

「あ……あああ……ん」
 何度か出入りした後、三沢は弥斗の足を抱えて壁に押しつけるようにして抱きかかえる。そしてそそり立ったものを穴の中に忍ばせる。

「あ……ん……んん」
 ぞくぞくっとしたものが駆けめぐり、弥斗はしっかりと三沢に捕まる。そのまま三沢は深く突き刺すと、弥斗の体を上下に揺すって出し入れをしだす。

「あ……あん……あっ……あっ」
 弥斗の甘い吐息が三沢の耳かかると、三沢のものが一層大きくなる。

「あ……おおきい……だめ……あ」
「これくらいいつものことだろう」

「だめ……だめ……ふか、い……っ」
 いつもよりも揺すられて体が快感でどうにかなりそうだった。

「だめ……あっ……あっ……あ……っ」
「……くっ……」
 内部がぎゅっと締まって、先に三沢の方が達してしまう。

「あ……なか……んん」
 中に温かいものがあふれてきて、それが気持ちよくて体が震える。その出されたものが気持ちよくて思わず弥斗も達する。

「ああぁん……っ」
「……なんだ? 私の精液でも感じるのか?」

「んん……ちが……んん」
 弥斗は恥ずかしくて首を何度も振る。その姿が可愛くて、三沢は表情をゆるめる。こういう時に恥ずかしがる弥斗が言うことは全部嘘だからだ。
 駄目というのはいいことで、違うということはそうであるのだ。

「まだ足りない……」
 三沢はそう呟くとそのまま抱きかかえて部屋に戻ると、ベッドに弥斗を押し倒してまた復活したものを深く突き刺した。

「あああぁぁっ!!」
「まだだ、もっともっと」

「あん……もっと……して……あっ」
 突き入れられた状態で弥斗が腰を振るようになる。自ら快感を求めてすりつけてくるようになるのはいつものことだった。

「もっと……んん……あっ……あっ」
「ほら、どんどんいけ」

「は……ああ……んっ……あっ……んあっ……っ」 
 何度も何度も弥斗を求めて、それでも乾きがあって足りなくて、何度も何度も求めてしまうのだ。弥斗は体力の限界にまで追い詰められて寝込むことになるのだった。

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