恋愛感染エゴイスト 3

世界の中心

「と、とにかく着るもの寄越せよ!!」
 弥斗(やと)はやっと三沢の呪縛から解き放たれたようにそう叫び返した。
 三沢はそれにさらっと返す。

「貴方の心はなかなかあの人物から離れないから、まずは別のものからいただくことにする」

「……へ?」
 話がかみ合ってない。三沢はそう言うと、ずっと一気に弥斗との間合いを詰めてきて、そのまま弥斗を抱え上げた。

「ちょっと!!」
「そのままじっとしてろよ。落としたら結構な惨事になりそうだ」

「ふざけてないで!!」
「こっちは大真面目だ」
 キッと三沢に睨み付けられて蛇に睨まれた蛙のようになってしまう弥斗。それを確認してから三沢はさっさと二階に上がっていく。いくつもあるドアを無視して最初に弥斗がいた部屋の隣を開けて入った。
 それは引くでもなく引っ張るでもない横への引き戸だ。

「……横かよ!?」
「そうだ、ここは座敷だしな」
 そう言って通された部屋は、確かに畳の部屋だった。そこに一枚の布団が敷いてある。

「ベッドよりはこっちの方が雰囲気でるしな」
 そう言われて下ろされたのだが、弥斗は何が何だかまだ分ってなかった。逃げるまもなく部屋に施錠させられ、その鍵は三沢が着ている背広に入れられた。
「随分のんびりだな」
 そう言われて突き飛ばされた弥斗は布団の上に転がる。

「……てっ。何すんだよっ!!」
「まだ状況把握してないようだな。まあそれもいいだろう」
 三沢はそう言うと上着を脱ぎ、ネクタイも外してしまうとズボンのベルトをゆるめてから弥斗の上にのしかかった。

「……ちょっと」
 がっしりとした体に押しつけられて弥斗は逃げられなくなった。

「ああ、良いにおいだ……」
 三沢は弥斗の首筋に顔を埋めてそう呟く。その息が当たって弥斗はドキリとする。

「……っ」
 思わず息を飲み込んだ弥斗の反応に三沢は満足したようにそのまま舌で耳元まで舐め上げてくる。ぞくぞくとしたものが駆け上がってきて弥斗は思わず悲鳴を上げた。

「あ……やぁっ」
 濡れた音が耳元でするからどんどん嫌な気分になってくる。反応してはいけないと思えば思うほど体は反応してくるのだ。
 そのままぼーっとしている間に唇を奪われた。

「ぅ……ん……っ、ん」
 今までしたことないキスだ。ふざけて友達としたものとは違うし、ちゅちゅっと音を立てて何度も啄まれて、ひっきりなしに熱を持った吐息が零れる。そしてまた吸い上げられてだんだんと深くなっていく。
 弥斗の体を確かめるように体中を三沢の手が這い回り、腰から尻まで撫で上げられて無意識に体が反り返る。

「……ん……あ」
 押さえ込まれたまま長く、執拗なほどの口づけを弥斗は自然と受け入れていた。そうなんといっても気持ちいい気持ちの方が勝ってしまっていたからだ。     
 ゆっくりとそして激しく口づけされながら、唯一の上着であるワイシャツをはぎ取られて、後ろできつく止められる。これで腕は動かせない。

「……い、痛い……」
 弥斗がそう訴えるのを無視して三沢は乳首に手をあててそれをこね回し、撫でてそして引っ張る。普段感じることのないところのはずなのに、今は痛いほど感じる。

「あ、あ、ん……っ」
「なかなか感じやすい体だったな」
 反った顎を舌で舐めながら首筋からずっと鎖骨と降りてきて、そして乳首まで達する。そのまま赤い実を舐めるように吸い付くと弥斗の体が反りあがる。

「ふ……あっ……ああっ」
 舌でこね回されて、更に吸われると乳首は完全に立っていた。そこを執拗に攻め続けられて、弥斗はそのまま触られてもいない場所が爆発してしまった。

「ああ……あああぁぁ……っ!!」
「……乳首だけで達ったのか? 可愛いものだ」
 三沢はそう言うと、濡れた下着を一気にはぎ取る。放ったものは下着に吸い込まれてしまっていたがまだ先端から零れるものそこを濡らしていた。
 ひくつくそこを扱かれて達したばかりだというのにまた立ち上がらされてしまう。

「やっ……あぁ……あ……ん……さわったら……だめ……っ」
「だったら舐めてやろう」

「え……?」
 あっという間に乳首を舐めていた舌が腹などを伝って下に降りていく。太ももを開いてその間に三沢は体を入れると、すぐに弥斗自身を舐め始める。
 温かな舌で下から先までキャンディーのように舐められる。それが今まで誰もしたことないことだったから、弥斗は頭が真っ白になりそうだった。

 ぽろぽろと涙が出てくる。何故こんなことをされているのだろうと思うと抵抗しようとするのだが、押さえつけられてしまっていては逃げられない。それどころか体はそれ以上の何かを求めるように三沢に体を突き出している。
 何度も舐められて最後には銜えられてまで吸い上げられたら、初めてされたことでは耐えられるわけはなかった。

「あ……だめ……いちゃ……う……あぁっ!!」
 びゅっとはき出すとそれは三沢の口の中に吸い込まれてしまい、三沢はそれを飲み込んでしまう。 

「ごちそうさま。でもまだだ」
 三沢はそう言うと、弥斗の体をひっくり返し、俯せにさせて腰を上げさせると割れ目を手で開いて穴を暴く。

「や……うそ……やめて!!」
 まさかと弥斗が思う間に三沢はそこに舌を這わせていた。

「やああ……っやめて……う……あ……」
 初めてのことだからそこを舐める相手がいるわけじゃない。しかし三沢は容赦なくそこを攻め続ける。襞を広げて舌で舐めほぐし、そして指で撫でてくるのだ。

「う……あ……っ」
 指がなで回してた穴にゆっくりと入ってくる。そのとき何かを付けたらしく、ぬるぬるとしたものが割れ目を伝って下にぽたりと落ちた。

「や……なに……あっ」

「何って痛くないだろう、これはそういうものだ」
 三沢は何かとは言わずにそう説明してさっさと指を埋めていく。根元まで入れて中をかき回し、更に入れたり出したりを繰り返す。ぐちゅぐちゅという音が耳に聞こえてきて弥斗は顔を真っ赤にする。
 三沢の指が自分の中を出たり入ったりしている。その事実はどうしても耐えられない。

「あ……ん……ああぁぁっ!!」 
 三沢の指が中で動いた瞬間に体に電気が走ったようになってしまう。

「ああ、見つけた」
 三沢が嬉しそうに呟いてそこを執拗に撫でてくる。

「や……そこ……やっ……やめ……ああっ」
 びくびくと体が震えて、どうしようもない。止められないものが体中を走り回って腰が揺れてしまう。指の挿入に合わせて体が揺れる。

「覚えが良い子は好きだな」
 三沢は揺れる尻にキスをして、指を二本、三本を増やしていく。中をどんどん広げていき、穴をほぐしていく。完全にほぐされたそこは更に四本の指を入れられてゆっくりと穴を広げられる。

「あっ……ああ……あん……あっ」
 少し苦しいのもあるが完全に快感の方が勝ってしまっていて、弥斗はもう抗議の声は上げられなかった。
 何か足りない。そう思うようになった思考に気づいて、さっと顔を赤らめる。なんていやらしいことを考えているのか。自分の思考を疑ったが、すぐにそれは消えてしまう。

「……あ……ああ……ん……あ……っ」
 口はもう開きっぱなしで息をしようとすればするほど甘い声があがってしまう。

「そろそろいいだろう……もっと美味しいものの時間だ」
 三沢はそう言うと、ズボンのチャックを外してアレを取り出す。それはすでに大きくなっていて、どくどくと息づいている。そしてそれを弥斗の穴にゆっくりと差し込む。

「ひっ……う……ん」
「息を吐け……そうだ良い子だ」

「は……あ……は……あぁぁ」
 息を吐く努力をすると中の圧迫感はどんどん酷くなる。熱いものがどんどん入ってきて弥斗を犯す。

「ほら……全部入ったぞ……は」
 全部を押し込んだ三沢が気持ちよさげに息を吐いた。

「う……うそ……」
 まさかアレを入れられたとは思いもしなかった弥斗は蒼白する。

「そんな……なんで……」
「散々自分だけ気持ちよくなっておいて、それはないだろう」
 三沢の言葉が弥斗に突き刺さる。確かに自分は気持ちよくなっていた。

「ど、どうかしていた……んあ」
 そう言い訳しようとすると、二三回腰を揺すられた。

「う……あ……ああ……」
「そう素直に喘いでればいいんだ」

「う、や……やめ……あぁぁ」
 三沢がその抗議の声を封じるように腰を動かし始めた。最初はゆっくりだったのが段々と早くなっていく。

「は……う……ああ……あっ」
 揺すられるままに穴を犯されて、弥斗はその感覚だけで追うようになる。
 苦しいのだが、けれど違う何かがわき上がってくる。それを捕らえようとして腰が動いてしまう。三沢はそれを見て少し笑った後、ぐっと腰をもっと深く押し込んだ。

「ふ……ふか……い……ああ……おおきい……ああ」
「奥まで届いているだろう……ほら」
 ぐんぐんと腰を推し進められて、弥斗はもう何も考えられなくなった。

「あ……いい……もっと、いい……もっと」
「気持ちいいのに正直だ……良い子だ」
 三沢は満足した声を出して、弥斗を足を抱えると更に腰を進める。

「ああ……だめ……だめ……いちゃ……う」
 がくがくと震える体を振り回されて、弥斗はとうとう達してしまう。

「あああ……ぁぁぁ!!」
 そうしてぎゅっと締まった穴に三沢は何度かたたきつけるような腰使いをして最後は弥斗の中で達した。

「……あ……あっ……」
 中に温かいものが入ってきた。それを感じたのだが、気持ち悪いのとは違いなんだか心地良いものだと感じながら弥斗は意識を飛ばしたのだった。

「初めてにしてはよく出来たぞ。満足はしてないがこれからだ」
 三沢のそんな声が聞こえたが、もうそれに反論することは出来なかった。
      

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