Distance 10round Fainal Distance 5
玄関で告白しあって、二人でベッドになだれ込むのはよくある展開だ。
「ちょ、ちょっと待って……と、トイレに行かせて」
光がそう言って中断させたのは予想外のことだ。
「ご、ごめんね。さっきまで寝てたから、その……」
さすがにこの中断はないだろうと光も思ったが、西水(すがい)は笑って押さえていた手を離してくれた。
「行っておいで。ついでにお風呂にも入っておいで」
「う、うん。入ってくる」
光は顔を真っ赤にしながら飛び出していったが、ベッドに座った西水は暇になった。
光の部屋に入ったのは二度目だが、ベッドのある部屋には入っていなかった。だから光がどんな生活をしているのかをじっくり見るのは初めてだ。
ベッドの横にはテーブルがあり、その上にはノートパソコンが開きっぱなしで乗っている。どうやら寝る前にネットをしているらしい。開きっぱなしはよくないと思って閉じようとしたが、それが起動したままであるのに気づいた。
スクリーンセーバーが動いている。
気になってマウス部分を動かしてみると、起動しているのはブラウザではなく、専用の動画プレイヤーだった。
いったい何を見ていたのだろうと再生してみると、起動したのはパソコンに入ったままになっていたDVDだった。
そのDVDが再生され映し出された映像に、西水は思わず口元が歪んでしまう。
光が西水を好きだといい、いやがっていなかったというのはこれを見れば分かる。
しばらくそれを見ていたら、光が戻ってきて部屋に入って唖然としていた。
「……み、見た……?」
「見たよ。どうしたのこれ。買ったの?」
西水は平然としてそう聞き返すと光はさらに慌てて言い訳をする。
「だ、だって……まーく……西水さんが動いてる映像、欲しかったんだ」
光が言い訳する映像は、所謂学校内のかっこいい生徒トップテンという内容の物だ。これも西水が今年頼まれて作ったものだが、その中に自分も入っていた。一体誰が撮ったんだかというような写真や動画まで添えられていて、一瞬自分は入ってなかったことにしてやろうかと思った作品だ。
映像の撮影は放送部だろうが、写真は写真部と新聞部の共同だろう。これは表だっては写真部がやっている写真販売と同じルートで売られているもので、意外に売れているそうだ。
「俺が動いてる映像? プロフィールが知りたかったんじゃないの?」
「まーく……西水さんのプロフィール見てなかった。隣のクラスなのに全然移動時間とか合わないし、まーくん……西水さん教室からあまり出てこなかったし……それで……」
光は顔を真っ赤にして一生懸命言い訳をしているが、どうも言いにくそうに西水の名を昔風の「まーくん」で呼んでしまっては「西水さん」と言い直している。
「光、まーくんって呼びたかったらそれでいいよ」
あまりに言い直しされて、西水も意地悪は出来なくなった。
「いいの?」
「いいよ。そう呼ぶのは光だけだから。おいで」
西水はまーくんと親しげに呼ぶのは光だけの特権だと言って、両手を広げて呼ぶと光は笑顔になってその腕に飛び込んできた。
「まーくん!」
お風呂に入って一応新しいパジャマに着替えた光を抱きしめるといい匂いがした。髪も洗っていたので濡れていたが、抱きしめるのに躊躇はしなかった。
「光」
「ん……」
「俺はあいちゃんって呼ばなくていいのか?」
「まーくんの好きなように呼んでいい。どっちも好き」
「それじゃ光と呼ぶ。そう呼ばれるの好きだよな?」
最後の方を耳元で言ってみると光の体の力が抜けた。本当に光は西水の声に弱い。
「あ……だめ……耳は……」
言った後に耳を舐めてやると光はくすぐったそうに逃げていたが、それを追い詰めるように西水は光をベッドに倒した。
そのまま覆い被さって唇にキスをした。
「ん……んん」
唇を何度も啄んでキスをした後、さらに深くキスをする。光もそれに答えるように口を開いて受け入れた。絡められる舌に舌を絡めて光の舌が痺れるまで続けた。
「は……あん……はぁ……ん」
「光……可愛いな」
西水は光の唇を解放した後、顎から首筋までキスを滑らせた。パジャマのボタンを全て外して晒された体に手を滑らす。
最初に会った時もこうして肌を晒していた。
まさかいくら怒っていたとはいえ、光のこんな姿を見て自分が抑制出来ないくらいに欲情するとは思わなかった。
「んん……あ……ん」
乳首を指で弄って弄ぶと光の体はゆらりと揺れ始める。唇で乳首を吸って舌で舐める。そうすると光は胸を突き出すようにして、もっとと強請る。
「光はここ弄られるの大好きだったよな……こうやって引っ張ったり抓ったり」
「んあ……あぁっ!!」
乳首を指で弾いて片方を歯で噛む。
「あぁ……んあ……あ……あぁぁっ……だめ……そこばっかり……だめっ」
「他にも気持ちいいところ、弄ろうか?」
西水はそう言って光を抱き起こすと、自分を背もたれにするにして光を抱き、後ろから乳首をまた弄ってやる。
「んん……あぁ……そこじゃない……んんやぁ」
「ここで手がいっぱいだ。光、自分の手が余ってるじゃないか。それを使えばいいよ……ほら、勃ってる」
投げ出した足がヒクヒクして、股の内側のモノに光は手を伸ばしていた。
「自分でしたことあるだろう? 好きなように弄っていいんだよ」
西水がそう耳元で言ってやると、光はゆっくりとズボンの中から自分自身を取り出して夢中でそれを扱いていた。
「あん……あぁんぁ……あん……あぁ……んぁ」
「光、そんな風にやってるのか。気持ちよさそうだな」
「んぁ……いい……いいの……とまらないっ……あぁ……ん」
耳元でいやらしいと言われて、乳首を弄られて、自分で気持ちいいように自分自身を扱いて、いつも以上に感じてしまった。
「光がいやらしく射精するとこがみたい。見せて」
「だめ……だめぇ……や……い、いく……いくっ―――!!」
達った瞬間に光はびくびくと体を震わせ、背もたれになっていた西水に倒れると、西水がその体を受け止めた。
「可愛く達ったね……光」
パタッと散った精液が光の体についていた。西水は光の体を撫でついた精液を指で救って舐める。それを繰り返していると光がゆっくりと西水の方を振り返った。
「……まーくん……」
「どうした、光?」
西水は光の精液を指に絡めて舐め、それを見せつけるようにしていると、光はもぞもぞと動いて西水のズボンに手をかけた。
これは最初にやった時以来してないことだ。
下手だと言われたから、やらなくていいのかと思っていた。
だが、西水は光の行動を止めることなく、ズボンのベルトを外してジッパーを開け、すでに大きくなっていたモノを手にして、引き込まれるようにしてソレを口にした。
「んん……ん」
やり方は西水がやっていたように口に含んで亀頭を吸い、何度か口で扱いた後、塗れた性器を指でも扱き、舌で舐めあげる。
「……ふ……光」
「んん……あ……んん……んふ」
この大きくてグロテスクなモノが自分の中にいつも入っていた。それを思い出して夢中で舐めていると、西水がそれを止めた。
「光、もういいよ」
「ん……やっぱり……下手だから?」
しょんぼりとした顔をして光が聞くと、西水はああ確かに最初はそう言ったなと思い出した。光はそれを気にしているらしい。
「いや、上手くなったからな……達きそうなんだ」
西水はそう言って光の顔を上げさせると唇にキスをした。
光がキスに夢中になっている隙にパジャマのズボンと下着を脱がして西水の膝に跨らせる。
「光、これを舐めて」
西水は自分の指を二本出して光に見せると、光はうっとりしたようにその指を唾液を付けながら舐めた。濡らした指を光の穴の中にゆっくりと進入させる。
「んぁぁ……」
「光、力を抜いて……」
「んあ……あぁ……ん」
「そう上手いよ」
「……あぁ……んん……」
体の力を抜くようにして光は西水に体を預けた。
「指を感じて……そう、ほら感じて」
「ん……あぁ……あ……んんん」
一本入った指が穴を広げ、二本目に指が入ると中をかき回すように動き出す。その指の動きが激しくなったり、深く入ったままで中で動いたりとしてきて、光のいい場所を探し当てた。
「……んぁ……あぁ……ああぁ……んあっああっ!!」
「ここだったな」
そこを指で何度も撫でて擦ってやると、光はビクビクと体を震わせて甘い声を上げた。
「や、だめっ……あぁっあ、あ、あっ……あぁぁ―――!!」
指だけで達かされて光はぐったりとした。自分でしたのと西水に指で達かされたので二度も光は達した。だが、こんなのは西水との行為では普通だった。光も体力だけには自信があるので、これくらいでは失神もしない。西水に慣れさせられて、西水が入ってきて中で出してくれないと光は安心も出来なくなっていた。
「……まーくん」
「どうした、光」
「……まーくん」
「そうやって、いやらしく腰を動かしてるのは、入れて欲しいからなのか」
光はいつの間にか西水自身をお尻の割れ目に当てて、それを擦りあげて誘っていた。
ここまでくれば光はさらにいやらしくなれる。
「う、うん……入れて欲しいの……これ欲しいの」
「光が入れてごらん。出来るだろ」
「う、うん……入れる」
うわごとのように呟いて、光は催眠術にでもかかったように西水に言われた通りにする。
西水の肩に捕まって手で西水自身を自分の穴の中に誘い込もうとしたが、滑って中になかなか入ってくれない。
「……まーくん、入らない……」
「少し手を貸してやろう。ほらこうしてやるから、後は光が腰を落とすだけでいい」
西水が光の腰を支えて、穴の下に西水自身を当ててやると光はうなずいてそのまま腰を落とした。
「……ん……あぁぁ」
先が穴を押し広げて中に入ってくる。先が入ってしまうと後はずるずると光の体重で中を掻き分けて進入してくる。
「あ……あぁ……あぁあ……入って、入ってくる……」
「ああ……光……全部入ったよ」
ふうっと息を吐いた西水がそう言うと光は眉を寄せて苦しそうにしていた。最初は慣れない圧迫感に苦しむ。馴染むまでは西水は動かないことにしていた。
「まーくん……中で、びくびくしてる……」
「光……」
光は西水に抱きついたまま、西水の耳元で甘い息を吐きながら言ってくる。この声に西水が弱いのを光は知らない。いやらしいことを囁きながら言う光は本当にエロイのだ。
「まーくんの大きいの……また大きくなった……んふ……まーくん、俺の中、気持ちいいの?」
光がそう言って中にいる西水をぎゅっと締め付けてくる。
それに西水がぐっと息を呑むと、光が腰を動かし出した。
「んぁ……あぁ……んん……あ……ぁ……」
光はしばらく腰を振っていたが、だんだんと物足りなくなってくる。
「……ん……まーくん、まーくん……」
「どうした、光」
「まーくん……どうして……どうして動いてくれないの?」
自分の動きだけでは足りなくなって光は西水に強請る。
西水はそれを聞いて満足する。どんなに光が一人でオナニーをしたとしても絶対に物足りなくなっているはずだ。西水がいやらしいことを言って、いやらしいことをすること、それが光の最終的に望むことだ。
最初からそれを嫌がっていなかったことが分かって、西水にはうれしい限りだ。今までしたどんなことも光は望んでいたということだからだ。
――――――西水さんが好きだから。
それだけの理由で光は西水の前では西水が望むように乱れてくれる。光は安心して西水の前でいやらしくなれる。
「動くって、こう?」
西水はそう言って少しだけ腰を振ってやる。
「あ……あぁ……ん……まーくん……あ……足りない……の……もっと、強く……」
「強くするだけ?」
「あぁ……んんん……奥まで……もっと、突いて、痛くしていいから、もっとしてぇ」
「分かった」
光がはっきりと強請った通りに西水は光を突いてやった。
「や……あぁぁっ!! んあっすごいのっ……んあぁ……まーくん、すごい……ぁあっ!!」
「……く……光……」
強く光の中を犯しているとぎゅっと締め付けてきて食いちぎられそうになる。その衝撃にやり過ごすが、今日の光はいつも以上に極上に乱れてくれている。
全部知っていると思っていたが、思いが通じたおかげで光の中の不安はなくなり、より大胆になっているようだ。
油断していると光のペースに巻き込まれてしまう。さすがにそれは譲れない。自分のペースに巻き込むことこそ西水の喜びだ。
「光……これならどうだ?」
西水は光の腰を掴むとそのまま光をベッドに押しつけるようにして倒し、上にのしかかって深く突き入れた。
「う……あぁぁっ!! あぁっ……あ……んあぁ……あぁっ……んぁあっ……あぁっ……すごいの……んあ」
体を押さえつけられ、身動きが出来ないまま深く中を犯されて、遠慮なく突き入れられる性器に光は甘い声を上げた。
「光……光……」
光の耳に唇を寄せて名前を呼び、耳にキスをすると光はいやいやと首を振った。
「だめっ……それ……だめぇ……」
「光、だめじゃない、いいだろ?」
「んあ……あぁっ……いい……んぁあ……いく……いくのぉ……ぁぁ」
「達け……」
「……あぁ……おく……奥まで……すごい……いっちゃう……いっちゃうっあぁあっあっあっ、あぁぁ――――――!!」
ドクッと自分のモノが弾けるのを感じて、開放感に満たされた時、光の奥で西水が精液をはき出していた。奥の奥まですりつけるように押し込んで出されるソレを光は達して敏感になっている体で受け入れた。
「……んん……なか、まーくんで、いっぱい……ん」
ぐったりとした体をベッドに投げ出したままの光はほんわか笑って、そしてペロリと唇を舐めた。
「光、もっと?」
その表情から光はまだまだ欲しいと思っている。
西水が抜かないままで尋ねると、光はにっこりとして言った。
「うん、まーくん……また、大きくなった……」
「そう、光ともっとしたんだ。そうさせるのは光だよ」
西水は笑って光の唇に合図のキスを送った。
一日経って何か連絡があると思っていたのは、二人の仲を心配していた光の親友の伊吹だ。
一度夜に連絡をしたのに光からの返信はなかった。再度朝にも連絡をしたが光はやはり出なかった。
さすがに朝になれば連絡も着くだろうと思ったのに、予想は外れた。案の定、西水の方も学校を休んでいて、二人でしけ込んで眠りこけているのだろうと分かった。
放課後になってさすがに起きているだろうと思い電話をすると、やっと光の携帯が繋がった。
光の携帯が鳴っている。
それに気づいたのは、ずっと鳴り続けていたからだ。確か朝にも鳴っていたなとふと気づいて、相手が誰なのか予想が出来た。
西水は光の許可なく、その携帯を取って電話に出た。
『光、お前な、いい加減連絡寄越せよな』
やはり相手は伊吹だ。お節介よろしくしたから結果を聞きたかったのだろう。
「ああ、お前か」
『ちょ、ちょっと西水がなんで電話に出てるんだよ』
「光は今出られないからな。代わりに出てやった」
『たく、その様子じゃ上手く収まったんだな?』
ずっとそれが聞きたかったのだろう。
「ああ、心配するな。光は明日には学校へ行くだろう」
『だったらいいんだ。まったく』
ほっとした伊吹だったが、西水がぐっと光の中に強く突き入れると光が甘い声を上げた。
「あぁっ、まーくん……あぁ――――!!」
さすがにこの声は電話の向こうにも聞こえたようで伊吹が絶句している。
『…………お前ら、まだやってんのかよ!』
「昨日の夕方から夜中までして、寝て起きた朝にもして、さっき光が起きたんでまたしてる」
西水が素直にやっていることを認めると、伊吹はさすがに呆れ返ったようだ。
『お前が絶倫なのは予想ついたけど、光もかよ……お前ら、似たもの同士か……まあ、明日は学校に来させろよ……じゃあな』
伊吹は完全に諦めたように言い、電話を切った。
携帯をテーブルに置くと、光は西水の意識が別のモノに向いていたことに気づいて不満そうに振り返った。
「まーくん……んぁ……」
「ああ、ごめん。もっと強くだな?」
「うん、まーくん、大好き」
光はそう言うとにっこりと笑う。西水もそれを見て笑って返した。
「俺も光が好きだよ」
そう言いながら光の背中に覆い被さって、さらに深く光の中を犯していった。
「あぁあっ……あっあっあっ……んあぁ――――――」
光が夕方に起きて初めて達すると、西水も中に精液を放った。
そして入れたままで抱き合って、第二ラウンドに突入したのだった。
次の日、光が学校へ行けたのかは不明である。